ギリシャ神話の神様の中でも、多くの方はその名前を知っているはずの
ポセイドン
この神様は、
海の神様
そして
泉や馬、地震の神様
としても登場します。
そんな一見関係ないような色々な性格を持つポセイドンとは一体どんな神様で、どんな神話が残されているのでしょうか。
簡単にご紹介していきますのでご興味ある方は読んでいってくださいね!
ポセイドンは海を支配!
ギリシャ神話に登場する神様の中でも、この神様は知っている、という方も多いと思います。
ポセイドン
名前だけは聞いたことがある人が多いかもしれないけど、いったいどんな神様だったのかご存知ですか?
ポセイドンは、父はクロノス神、母はレイア女神の間に生まれた神様で、
男の兄弟は、
そして女の姉妹は、
という、合計6人兄弟です。
このうち、男の3兄弟 ゼウス、ハデス、ポセイドンの間で、世界の支配権を分け合った、と言われています。
ポセイドンは海
ハデスは地下の冥界
最高神ゼウスは天空
というふうに、それぞれの支配権を取りました。
こういうわけで、ポセイドン神は海を支配し、兄弟とともに力を合わせて世界を治めているのです。
でも、たとえ兄弟とはいえ、ゼウスは最高神ですから、神様としての格は断然、ゼウスが上なのです。
ですから、兄弟とはいえ、ポセイドンはゼウスには逆らうことはできません!
そこらへん、神様の世界もシビアですよ!
ポセイドンの武器は「三つ又の矛(ほこ)」!
そんな海の神様・ポセイドンの武器は、
「三つ又の矛(ほこ)」
です!
「三つ又の矛(ほこ)」って言われてもピンとくる人は少ないと思うのですが、
先端部分が三つに別れた、矛(ほこ)のことです。
ポセイドンのビジュアルは、だいたいこの「三つ又の矛(ほこ)」を持って描かれることが多いんですよ!
ちなみに、この矛(ほこ)というのは、槍よりも古いタイプの武器で、幅広の穂先なんだそうです。
でも、この「矛(ほこ)」と単なる「槍(やり)」との違いは、はっきりしていないところもあるみたいですよ。
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『パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊』
では、
「三つ又の矛(ほこ)」は
「ポセイドンの槍」
と翻訳されて、登場します!
なぜ「ポセイドンの槍」という翻訳になったのかは謎ですが、
多分、字幕をつける時に、「ポセイドンの三つ又の矛(ほこ)」だと長すぎるからかな?
あるいは、一般的なギリシャ神話とは、その姿は違うのかしら?
ぜひ、映画の中でその「ポセイドンの槍」を確認してみてくださいね!
この映画『パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊』に登場する「ポセイドンの槍」について詳しくは、こちらの記事を合わせてどうぞ!
>>「ポセイドンの槍」って一体なに?『パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊』
アテナと戦った「三つ又の矛(ほこ)」
そんなポセイドンが持つ
「三つ又の矛(ほこ)」
これについては、アテナイ市(現在のアテネ市)の支配をめぐって、面白い神話が残されていますよ!
ポセイドンはアテナイ市の支配権を、ゼウスの娘である
と争いました。
そして、より良いものをアテナイ市民に贈った方が支配者となる、
というルールでアクロポリスの丘の上で戦い、
ポセイドンは「三つ又の矛(ほこ)」で地を打って、塩水の泉を出しました。
そして、アテナ女神の方は、オリーブの木を生えさせました。
当然、勝者はアテナ女神となり、アテナイ市の支配者はアテナ女神となったそうです。
そりゃそうです!
誰も塩水の泉なんて、いりませんからね!
飲めないし、畑にも使えないし!
やっぱり人間はオリーブの方がありがたいってもんなんです。
食べれるし、オイルは美容にも使えるし、灯油にもなるし!
そんなわけで、ポセイドンは女神アテナに敗れ去り、
アテナイ市は女神アテナのものになりました。
現在でもアテナイ市(首都アテネ)に行くと、
アクロポリスの丘の上にはアテナ女神に捧げられた
「パルテノン神殿」がそびえているのを見ることができますよ!
この側には、かつて女神が人間に与えたオリーブの木があったということです。
「泉の神」「地震の神」「馬の神」としてのポセイドン
そんなポセイドンは
「海の神」
として一番知られていますが、
それ以外にも、ギリシャ神話ではいろんな役割があったということなんですよ。
「泉の神」ポセイドン
実はポセイドンは、「海」との水つながり?なのか、
「泉の神」でもあります。
だから、つい、アクロポリスで塩の泉を湧き出させちゃったんですね!
塩さえ混じっていなければ、泉は人間にとって、すご〜くありがたいんですけど・・・
生きていくには水が必要ですからね!
「地震の神」ポセイドン
その他には、
「大地を揺らす者」(Ἐννοσίγαιος)
とも呼ばれていて、
「地震の神様」
としても知られていました。
実は、ギリシャを含む地中海沿岸地域は、古代から地震多発地帯でもあるのです。
この地域で、ヨーロッパ大陸とアフリカ大陸のプレートがぶつかっているからです。
これはちょうど日本の状況と似ていますね。
そのため、古来からこの地域一帯は、地震災害で苦しめられていたのです。
伝説の大陸アトランティスは、地震が原因で沈んだのでは?
と言われているくらいですし、
歴史の記録が残されるようになってからも、ギリシャでは度々大きな地震で被害を受けています。
これは、地震の多い私たち日本人にとっても、他人事ではないですよね!
私たちとしても、無視はできない神様です!
もう、しばらく震災はごめんですよ、ポセイドン様・・・
「馬の神」ポセイドン
そして、ポセイドン神は、実は
「馬の神」
でもありました。
ポセイドン神自身が、馬に変身したという神話もあります。
馬の姿で、これも雌馬の姿になっていた女神デメテルと結婚した、
というお話も残されているんですよ。
そして、馬を作り出して、乗馬術を人間に教えたのも、ポセイドン神なんだそうです!
そう考えると、とってもありがたい神様ですよね。
人類は、馬の力で長距離移動ができるようになったし、
物資の移送など、文明の発展に大きく貢献してくれたんですよね。
ですから、ポセイドン神はとても人間に恩恵をもたらしてくれた神様でもあるんです。
スニオンの「ポセイドン神殿」
そして、ギリシャを訪れたら絶対行っていただきたい観光名所
「スニオン岬」
ここにあるのが、紀元前444年に建てられたという
「ポセイドン神殿」の遺跡
柱廊だけが残るこの遺跡は岬の崖っぷちに建てられていて、
この切り立った岬から見下ろす海へと落ちていく夕日は、感動すること間違いなしの美しさ!
夕日に浮かび上がった神殿の遺跡とともに、幻想的な時間を過ごすことができますよ。
これからギリシャ旅行に行く方たちは、ぜひ予定に組み込んでみるのはいかがでしょう?
夕日の時間に合わせて行くのがオススメですよ!
*スニオン岬について詳しくは、こちらの記事もご参照ください!
ローマ神話ではネプトゥーヌス(ネプチューン)
さて、このギリシャ神話の海の神・ポセイドンは、
のちには他の神々と同様に、ローマで受け入れられることとなりました。
ローマ神話では、
ネプトゥーヌス(Neptunus)
という名前で信仰されました。
ローマでも、オリジナルのギリシャ神話をほぼそのまま受け入れて、
海の神・泉の神・馬の神として考えられていたようです。
このネプトゥーヌス(Neptunus)を英語読みすると、
ネプチューン(Neptune)
となります!
この英語読みの方が、日本人にはおなじみかもしれませんね!!
そうです、あの人気お笑いトリオ「ネプチューン」の名前の由来はこれですね!
個人的には、3人の中で、ホリケンさんが好きです!
あの人天才!!
おっと、話がそれましたが、
要するに、
ギリシャ神話 > ローマ神話 > 英語/日本語
ポセイドン ネプトゥーヌス ネプチューン
という流れで受け継がれてきたわけですね!
しかし、ポセイドン神も、まさか日本でお笑いトリオの名前になってるなんて、心外かも?!
ポセイドンは「海王星」
さて、そんな海の神・ポセイドンは、惑星にも名前を与えています。
その名も
「海王星」
言われてみれば確かに、「海の王」と書いてありますね!
そう、これ、ポセイドンの星なんです。
「海王星」は、英語ではそのものズバリ
「ネプチューン(Neptune)」
と呼ばれています。
まさに、ポセイドンの星!!
この「海王星」は、太陽系で、太陽から8番目に遠い星。
要するに、太陽から一番遠い場所を公転している惑星です。
直径49,528kmで、地球の3.88倍!!
でかッ!!
地球と「海王星」ってこんなに違うんだ・・・
太陽から遠く離れているために、氷で覆われた氷惑星。
海の星というよりは、氷の星ですね。
ポセイドンの星は、氷の星だった!
まあこれは、星の特徴に合わせて名前をつけたわけじゃなくて、
発見順に空いている神様の名前をつけていっただけなのだそうですから、
それほど深い関係はないので仕方がないかもしれませんね!
海を見たらポセイドン!
というわけで、
ギリシャ神話の海の神様・ポセイドン
をご紹介しました!
名前だけ知っていたポセイドン神が、身近に感じられるようになれば嬉しいです!
これから海を見たら、「三つ又の矛(ほこ)」を持ったポセイドンの姿を思い浮かべてくださいね!
そして、よかったら
映画『パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊』
に出てくる「ポセイドンの槍」もぜひ見てみてくださいね〜!