ギリシャ神話の中は
炉の女神ヘスティア
という神様が登場するのですが、
主神ゼウスの姉でありながら神話の中では影の薄い女神。
「影の薄い・・・」なんて失礼ですが、実際そうだから仕方ない。
伝わっている神話がほとんど無いという意味では影が薄いのです。
でも最近、なぜかヘスティアについて尋ねられることが増えてきました。
どうもその理由は、人気アニメにあるみたい?!
そんなをヘスティアについて、簡単にご紹介したいと思いますので、興味ある方はぜひ読んでいってくださいね!
炉の女神ヘスティアは「炉」そのもの!
さて、いきなり「影の薄い」なんて失礼な説明をしてしまった
炉の女神ヘスティア
なのですが、
ギリシャ語表記は Ἐστία
発音はそのまま「ヘスティア」です
(*正しくは「ヘスティアー」と長母音を伸ばして発音します)
この「ヘスティア」という言葉の意味はそのままズバリ
「炉」
家の中で調理をしたり暖をとったりするために使う「炉」が「ヘスティア」だったのですね。
つまりこの女神は、
「家の炉そのもの」
だったというわけです。
そういうわけで、
女神ヘスティア=炉
だったわけですから、女神ヘスティアは他の神様のように、擬人化されて考えられることはなかったんです。
ギリシャの神様というと、最高神ゼウスからしてしょっちゅう恋愛に励み、
奥様ヘラはその浮気に怒ってる、みたいな、妙に人間くさいイメージを持ってる方も多いと思うんですが、
そんなわけでこの炉の女神ヘスティアの場合だけは、全くないんです。
はい、要するに、神話ゼロ!
そもそも人間の姿に似せて考えられることもなかったので、
美の女神アプロディテのように、なまめかし〜い、エロティックな姿で描かれることもゼロ!でした。
どうしてそうなったかっていうと・・・
家の中にある炉がどっかに出かけてっちゃったら、みんな料理するにもなんにしても、困るでしょ?
だから、女神ヘスティアは、人間化されることなく「家の炉」であり続けたわけですね。
そういうことで、神話ゼロの女神ヘスティアは、ギリシャの神様たちの中でも、
「影の薄い」女神となってしまったわけです。
でも、「影の薄い」っていうのも確かに失礼かな。
だって、人間が炉の火に当たるたびに、女神ヘスティアを感じていたわけですから!
どの家にだって必ず炉があるわけで、そこで料理をしたり、食べたり、温まったりするために、家族がみんな集まってきますよね?
そこで、炉の女神ヘスティアに感謝の犠牲を捧げていたりもしていた訳ですから、
そういう意味では他のどの神様よりも、
「生活密着型」
だったわけです。
しかも、各ポリス(都市)の行政機関である「プリュタネイオン」にも、
ちゃんと「炉」=があって、その火を絶やさないように気をつけて、
もしそのポリスから植民市を作る場合には、そこから火を分けて持って行ったそうです。
つまり、
「家」や「ポリス(都市)」の中心には、必ず女神ヘスティアがあったんですよ!
だから、古代ギリシャの人たちにとっては、とても身近で、その存在をダイレクトに感じられる、
とってもありがた〜い女神様だったことは、間違いありません!
炉の女神ヘスティアはゼウスのお姉さま!
そういうわけで、ついに人間ふうの姿で考えられることはなかった
炉の女神ヘスティア
ですが、
それでもヘスティアがギリシャ神話の中で重要な女神だったことは間違いありません!
ヘスティアの両親は、最高神ゼウスと同じくクロノスとレア!
そう、ヘスティアは、ゼウスと同じ親から生まれた6人兄妹のうちの一人。
ヘスティアはその長女に当たるのだそうです。
ギリシャ神話でも誉れ高い6人兄妹
炉の女神ヘスティア
ヘスティア以外は、それぞれたくさんの神話を持つ神々なので、炉の女神ヘスティアの異質ぶりがよくわかりますよね!
だから、女神ヘスティアは、ギリシャ神話で中心的な役割を果たす「オリュンポス神族」の一人に数えられているんですけど、
他の神々と何かエピソードがあるわけではありません。
神話が無いのでね!
ただ、わずかに伝わっている話によれば、
ヘスティアはアポロンとポセイドンから求婚を受けましたが、ずっと処女神であることを望んで結婚しなかったんだそうです。
そして、ゼウス自らが、ヘスティアが家の中にいて、供物を受け取ることを許したのだそうです。
まあ、確かに、家の中の炉が誰かと結婚して家を出てっちゃったら困るわけですから、
(*古代ギリシャでは、女性は結婚すると夫の家に入ることになっていました)
女神ヘスティアにはぜひ、結婚しないで家の中の炉でいてくれないと困るわけですよね。
神話って、そういうところ、意外とリアリスティック。
それと、古代ギリシャの家では、炉の火を消さないように面倒を見るのは、家の娘の役目だったそうですので、
だから炉の女神ヘスティアも結婚前の娘なんだ、って考えられた可能性もあるみたいです。
そう考えると、ギリシャの神様たちの成り立ちも、面白いですよね!
ヘスティアはローマではウェスタ女神へ!
さて、そんな炉の女神ヘスティアですが、
その後のローマでは、こちらもほとんど同じ役割の
ローマの女神ウェスタ
と同一視されました。
ウェスタ (Vesta)
という名前は、語源も「ヘスティア」と同じなんだそうです。
ラテン語表記が Vesta なので、英語読みして
「ヴェスタ」
と呼ばれることもあります。
ローマのウェスタ女神は、「フォロ・ロマーノ」に神殿を持ち、
そこではギリシャのプリュタネイオンと同じように、炉の火を絶やさないように大切にしていました。
ローマのウェスタ女神も、ギリシャのヘスティア女神と同じように、人間のような姿で神話を想像されることはありませんでしたが、
国家の「かまどの女神」として、大切にされていたのは変わりありません!
やっぱり電気の発明まで、人間にとって家の炉の火というのはとっても大切なものだったんですね。
今でこそ、オール電化で、家の中で全く火を使わない家庭も多くなりましたが、
長いこと人類にとって火というのは、文明生活の源だったわけですから、
ヘスティアもウェスタも当時の人たちにとっては欠かすことのできない女神たちだったに違いありません!!
最近なにやら人気のヘスティア?!
さて、そんな
炉の女神ヘスティア
(ローマではウェスタ)
ですが、不思議なことに最近、女神ヘスティアについて聞かれることが増えてきました。
他の神々ならいざ知らず、ヘスティアについて知ってるなんて、相当ツウだね!!
と思っていたのですが、どうやら理由は別にあるみたい・・・
なんと、ギリシャ神話の炉の女神ヘスティア様、
遠く離れた日本でアニメのキャラクターとなられておられました〜!!
アニメ作品の
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』
この中に、ヘスティア様が登場するのだそうです!
なんだ〜、みんなが聞いてきてたの、コレか〜・・・
が、しかし、このキャラクター・・・
来たよコレ!!
なんと、ある特定の男性層に絶大な人気を誇る「ロリ巨乳」キャラだって・・・
っていうか、そもそも二次元に存在しないこの体型よ。
と言うより、なんだろう、この衣装??
古代ギリシャ風??
胸の下にある紐は一体なんなの??
しかも、ギリシャの処女神ヘスティアが結構エロいこと言ってたりするんですよ〜オイオイ
これが特定の層の日本男性の願望だと思うと、近い将来日本は滅びるぞ、これ!
それにしても、この衣装、胸と腕を結んじゃってるから、動けないだろうし。
電車でつり革につかまれないよね。
あっ、女神が電車に乗ることないか〜 ハハハ(乾いた笑)
でもこれって一応、ギリシャ衣装をリスペクトなんだろうなあ〜
古代ギリシャの女神像って、いつも思うけど、エロいよね・・・
しかも、衣装が、体のラインぴったりだし、確かに紐みたいなので体にフィットさせてるのよ!
この、胸の下を止めてるあたりのベルトをですね、パラリとほどきたい!!
っていうのが古代ギリシャから現代日本まで通じる男性の願望なわけですねっ
アプロディテ像みたいに、全部脱いじゃってるのよりも、こういう頼りなげなものでかろうじて止まってるあたりを、ほどきたいと。
そうね〜、こんな感じで、体のラインがスケスケ、ピタピタの衣装に、胸の下にヒモ、ってのが、一番エロいのかなっ?!
ていうわけで、この古代ギリシャの「エロ路線」が現代日本で再び返り咲いたのが、
この
「ロリ巨乳」女神ヘスティア
なんだね〜
ん〜、
古代ギリシャの女神様が、極東で「ロリ巨乳」
文化の伝わり方って、ある意味とんでもないですよね!
古代ギリシャ人が聞いたら吹っ飛ぶよ〜
でも案外、このアニメ版・女神ヘスティアを持ってったら、古代ギリシャ人も喜んで飛びついちゃってたりして?!
やはり炉の女神ヘスティアの威力はすごい・・・
というわけで、
ギリシャ神話の「炉の女神」ヘスティア
について簡単にご紹介しました!!
なぜか今日本で人気のアニメキャラにも名前がつけられていたりして、
やっと今なぜヘスティア様が人気なのか、分かりました!
ギリシャ神話では、炉の女神ヘスティアって、割と影が薄いと思ってたけど、
やっぱり人間の生活に欠かせない炉の火を預かる女神の存在感はすごい!
そしてまさか現代の日本でロリ巨乳・・・
やっぱりギリシャ神話でも特別の地位を占めていた女神ヘスティア、
その威力は時空を超えた、ということで、
ではまた!!