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星座のギリシャ神話

おうし座はヨーロッパの牛!?

どうも!イレーネです。

時間が過ぎるのは早いもので、

4月が始まったと思ったら、あっという間に

星座の上では

おうし座

の季節の始まりです!

日本では始まりの4月も押し詰まってきて、これからゴールデンウイークを挟んで華やぐ季節になってきました!

そんな季節を彩るおうし座について、それにまつわるギリシャ神話をご紹介しますよ〜

モウ〜!!

おうし座の爽やかな季節〜!!

さて、本日はおうし座です。

すっかり暖かくなって、ゴールデンウイークには日本全体が行楽シーズン!

そんな華やいだ季節が、おうし座の季節!

黄道十二宮では、「おうし座」つまり「金牛宮」は、二番目の季節になり、

4月20日 〜 5月20日 に生まれた人が「おうし座」になります。

「おうし座」は地の星座。

この「おうし座」

α星は一等星「アルデバラン」!!

おおいぬ座の「シリウス」
こいぬ座の「プロキオン」
オリオン座「ベテルギウス」

から構成されている、

「冬の大三角形」を含む

「冬のダイヤモンド」の6つの一等星の一つです。

星座に詳しくない方達でも、この「アルデバラン」の名前は聞いたことあるって方も多いんじゃないでしょうか?

そして、「おうし座」には、これは星座に興味がない方でも絶対知っている!

という有名な!!

「プレアデス星団」

があるんですよ〜

そう、日本では

「すばる」

と呼ばれているのが、「プレアデス星団」なのです!!

と、こんな華々しい星々で彩られているのが、

「おうし座」なのです!

おうし座の二つのギリシャ神話

さて、そんな

「おうし座」

ですが、

この星座にまつわるギリシャ神話をご存知ですか?

ギリシャ神話では、この「おうし」についてのお話は、実はふた通り考えられていますよ!

そのお話の一つは、

エウロペ

という女性と牛についてのお話。

そしてもう一つは、牛に変えられてしまったイオという女性にまつわるお話。

どちらを信じるかは、あなた次第です!

なんで二つの神話が語られていて、どちらでも可、なのかと言いますと、

もともとは星座のお話というのは、古代ギリシャ文明に先駆けて花開いた、オリエント文明で発展したものなんです。

オリエントでは、牛が大切な信仰の対象となっていたので、

このおうし座の牛も、その牛と考えられていました。

それが、古代ギリシャに輸入されてきたわけですが、

古代ギリシャでは牛そのものを信仰することはなかったんです。

そのため、牛に関連する神話を、適宜当てはめた、ってことですね!

*あ、ミノア文明の時代では、牛を信仰していたんじゃないか、っていうことです!

でも、文献が残っているわけじゃないので、クノッソス宮殿のレリーフとかから推測してるんですけどね!

ま、そういうわけで、

「おうし座」にまつわるギリシャ神話は、二人の牛にまつわる神話に登場する女性たちが関係するんですね!

エウロペと白い牛!

さあそれではまず、

エウロペと白い牡牛にまつわる「おうし座」の神話

をご紹介しましょうね!

エウロペは、フェニキアのテュロスの王アゲノルとテレパッサとの間の娘だったということです。

フェニキア、ってご存知ですか?

フェニキアは、古代に地中海沿岸を中心に交易で活躍した人々。

エウロペは、このフェニキア人が作った町テュロスの王女だったんですね。

このテュロスは、現在はレバノンのスールと呼ばれる町になっていますよ!

*テュロスは歴史あるフェニキア人の町だったのですが、アレクサンダー大王の攻撃を受けて、衰退していったと言われています。

さて、このテュロスの王女だったのが、エウロペで、

兄弟には、カドモスとキリクス (そしてポイニクス)がいました。

王女エウロペは、美しく成長し、その美しさを見初めて、ゼウス神は彼女に恋をしてしまいました!

ゼウス神は、美しいエウロペに怪しまれずに近づくために、白い牡牛に姿を変えました。

そして、他の娘たちと浜辺で遊んでいる、エウロペに近づいたのです。

王女エウロペを怖がらせないように、ゼウスはその牡牛の姿のままで、彼女に優しく触れました。

女友達とも一緒で油断したエウロペは、ついその牡牛の背中に乗ってしまいました。

すると、その牡牛に化けていたゼウスは、彼女を背中に乗せたまま一気に海を泳いで渡って、さらっていってしまいました!

エウロペを油断させて連れ去るとは、ゼウス神、悪いヤツ!!

そうして一気に、クレタ島までエウロペを連れ去ってしまったということです。


ティツィアーノ・ヴェチェッリオ『エウロパの誘拐』(1560-1562年)

故郷のテュロスから、海を隔ててクレタ島まで連れて行かれてしまったんですね〜

そうして、このゼウス神がエウロペを連れ去るために化けた牡牛が、

星座の「おうし座」となったということなんです。

なんだか、こういう神話を聞くと、ゼウスって、美少女エウロペをさらっていったエロ親父?!

その牛があの空のおうし座なの?

とがっかりするかもしれません・・・

今なら、完全にセクハラ、っていうか、誘拐だよ〜!!

という、ちょっとガッカリ感もある神話なのでした!

エウロペとヨーロッパ

そういうわけで、フェニキアのテュロスの王女エウロペは、

ゼウスの牡牛に乗せられて、シリア(アジア)から一気にクレタ島(ヨーロッパ)まで泳ぎ渡っていったのです。

もともとは現在のレバノンの所にいたので、ずいぶん遠くまで連れてこられたもんですね!

地図で見ると、その距離感がよく分かりますよ〜

こうして、エウロペがヨーロッパのクレタ島までやってきたのですが、

これにちなんで、ヨーロッパ大陸は、

エウロペ王女の名前をとって、

ヨーロッパ(Europe)

と呼ばれるようになったということなんですね〜

確かに、英語のヨーロッパって「エウロペ」(Europe)って書いてありますもんね!

そして、クレタ島まで連れてこられたエウロペは、

ゼウス神との間にミノス、ラダマンテュスとを産んだ、ということです。

(*後にはこの子供の中に、サルペドンも加えられるようになったということです)

この息子のミノスは、のちにクレタ島の王さまとなって、

その子供には半分人で、半分牛の怪物ミノタウロスが生まれた、っていうことなんです。

*ミノタウロスについて詳しくは、こちらの過去記事もご参照くださいね!

牛に変えられてしまったイオ!!

さて、この

「おうし座」

の由来のギリシャ神話としては、

エウロペを乗せた牛が星座になった!

という説の他に、

牛に変えられたしまったイオが天に上げられて星座になった!

という説もあります!

イオというのは、アルゴスのイナコス王とメリアとの間の娘です。

お母さんのメリアは、大洋の神オケアノスの娘だとも言われているので、神様の血を引いているのですね!

このイオは、アルゴスのヘラ女神に仕える女神官だったということです。

アルゴスは、ヘラ女神信仰の盛んなところで、そのヘラ神殿は、ギリシヤでも最大規模を誇る歴史と伝統のある神殿だったのですよ!

イオは王女という位の高い立場だから、それだけの神殿で、神官として神様に仕えることができたのですね!

そうして、女神官として勤めていたイオ王女の美しさに、

またまたゼウス神が恋をして、自分の恋人にしてしまったということなんですね!

しかし、そうなると、怖いのは妻のヘラ女神です!

妻ヘラの目を欺くため、ゼウスはイオを牝牛の姿に変えて、ごまかしました。

この牛に変えられたイオの姿が、星座のおうし座となった、とも言われているんですよね〜。

う〜ん、「おうし座」の神話って、ゼウスの浮気の話ばっかりじゃない?!

ってがっかりされた方もいるんじゃないかとは思いますが、

まあそこはそれ。

でも、美女が牛になっちゃうなんて、奇想天外で面白いですよね!

皆さんも次に牛を見るときには、よ〜く見て見ると、美人に見えてくるかもよ?!

イオとエジプト

さて、そうしてイオ王女は牛に姿を変えられてしまったんですが、

イオの運命は、まだまだこれから二転三転します!

この、牝牛の姿に変えられたイオを見て、妻のヘラ女神は疑いの目を向けることになります。

まあ、そりゃあ、怪しいですよね!

突然夫が牛とイチャイチャし始めたら・・・

そうしてヘラはどうしたかというと、

イオが変身した牛を、ゼウスにちょうだい、とおねだりしたんですよね。

そりゃ、ただの牛なら、くれないわけがないし。

くれないんだとしたら、何か怪しい!ってことです。

だからしぶしぶゼウスは、この牛をヘラにあげることになりました。

そうしてもらった牛を、

百の目を持つ巨人・アルゴス

に番をさせました。

この巨人・アルゴスは、背中に3番目の目を持つ、あるいは前に二つの目と背に二つの目を持つ、あるいは全身に無数の目を持つ、という巨人です。

だから、一日中必ずどこかの目は開いていて、ずっと見張りをすることができるのです!

夫のゼウスが、何か怪しいことをするんじゃないかって、見張ることにしたんですよね〜

うん、なかなか、ヘラ女神も頭がいい!

ところが、ゼウスも、なかなかやります。

この百の眼を持つ巨人・アルゴスを、ゼウスは使者の神ヘルメスを送って殺させてしまいました。

このため、ヘルメスは「アルゴス殺し」とも呼ばれているんですよ!


イオとアルゴス

さて、こうして巨人・アルゴスが殺された後、

今度はヘラは、牛の姿のイオに、虻(あぶ)を送って苦しめることにしました。

この虻(あぶ)から逃げ回って、イオは世界中を駆け回った、ということなんです。

う〜ん、おそるべし、ヘラ女神の復讐!

イオは、この牛の姿のままでボスポラス海峡を渡り、そのためにこの海峡は「ボスポラス」と呼ばれるようになった、ということです。

「ボスポラス」はギリシャ語で、「牝牛の渡し」っていう意味なんですね!

最後にはイオは、逃げ続けてエジプトまでたどり着き、

ここでやっとゼウスによって人間の姿に戻してもらえたとのことです。

よかったですね!

っていうか、ゼウス、アンタのせいなんだから、もっと早くなんとかしなさいよ!

そうして、やっと人間に戻れたイオは、

エジプトで、ゼウスとの間にエパポスという息子を生んだということです。

しかし、エパポスは、ヘラが命じたクレスたち(クレタ島のゼウスの守護精霊)によって、連れ去られてしまいました。

イオはエパポスを探しに出かけ、ビュブロス王の妻の元にいるのを見つけだし、連れ帰ったということです。

ビュブロスというのは、またまたフェニキアに戻って、現在はレバノンにある都市。

現在は「ジュバイル」と呼ばれているんですよ。

こうしてイオはエジプトに帰って、テレゴノス王と結婚し、エジプト女王となり、

ゼウスとの間の子エパポスは、テレゴノス王の後を継いでエジプト王となったということです。

このエパポスはナイル河の神の娘・メムピスと結婚し、妻の名前をとったメムピス市を創設したってことです。

これが、現在のメンフィス市の由来となっているんですね!

そして、エパポスはメムピスとの間にリビュエをもうけました。

このリビュエは、現在のリビアの名前の由来となっています。

こうして、イオの子孫は、エジプトの地名にその名前を残すことになったんですね〜!

それと、さらに付け加えると・・・

イオはエジプトで、イシス女神が牛型の神ハトルとも考えられていたことから、イシス女神である、とも考えられていたらしいですよ!

なんだか、壮大な神話ですね〜!!

「おうし座」の方達は、ギリシャ神話の牛たちも思い出してね!

さて、ということで本日は、

星座の「おうし座」にまつわるギリシャ神話をご紹介しました!

どちらの話も、なんだかかわいそう〜?!

そして、ゼウスは女好き〜?!

まあでも、古代では牛というのは特別な存在でもあったらしいので、

ギリシャ神話でも牛のお話は、奇想天外で、波乱万丈でしたね!

「おうし座」の方達にはぜひ、この波乱万丈だった女性たち、

エウロペとイオの運命も知っておいていただきたいですね!

案外、「おうし座」の方達の性格なんかにも、彼女たちの運命が反映されていたりして〜??

*この記事に興味を持った方は、こちらも合わせてどうぞ!

「愛のメルヘンギリシャ神話星座物語」でヒマつぶし

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