映画史に燦然と輝くミュージカル映画の傑作
『ウエスト・サイド物語』
この映画をご存知ですか?
多くの方たちが見たことはなくても一度は名前は聞いたことがあるはずの、言わずと知れたミュージカル映画の大傑作!
1961年の公開当時は社会現象にもなる大ブームを引き起こし、アカデミー賞も10部門制覇の快挙を成し遂げました。
2021年にはリメイク版も製作され、今なお人々に愛され続ける名作ミュージカル、一体どんな作品なのか、簡単にご紹介します!
『ウエスト・サイド物語』(1961)とはどんな映画だったのか?
ということで、映画史に燦然と輝くミュージカル映画の傑作
『ウエスト・サイド物語』
この映画について、ご紹介します!
言わずと知れたミュージカル映画の大傑作で、1961年に公開されると人気に火がつき、音楽やファッションなど社会現象にもなる大ブームを引き起こした作品です!
アカデミー賞では11部門にノミネートされ、10部門制覇の快挙を成し遂げました。
2021年にはリメイク版も製作されるなど、公開から60年の時を超え、今なお人々に愛され続ける名作ミュージカルなのです。
ではそんな歴史的傑作映画『ウエスト・サイド物語』とはいったいどんな映画だったのか?ここで簡単にご紹介していきますね!
ブロードウェーの大ヒットミュージカルの映画化
この大ヒット映画
『ウエスト・サイド物語』
のもととなったのは、ブロードウェーで上演されていた同名ミュージカル。
1957年に初演されるとたちまち評判となり大ヒット!
トニー賞にも6部門でノミネートされるなど、高い評価を受けました。
この大ヒットを受けて、1961年に舞台の映画化として誕生したのが、
映画版『ウエスト・サイド物語』
なのです!
舞台版と同じバーンスタインの音楽を使用し、できるかぎり舞台の迫力を映像化したこの作品は、こちらも公開されるや大ヒットとなり、全世界的に一大ブームを巻き起こしました!
原作はシェイクスピアの『ロミオとジュリエット』!
そしてこの映画のもととなったミュージカルは、誰もが知っているシェイクスピアの名作
『ロミオとジュリエット』
この名作『ロミオとジュリエット』を1950年代のニューヨークのアッパー・ウエスト・サイドに舞台を移し、
キャピュレット家とモンタギュー家の対立は、移民の少年たちのグループ「ジェット団」(ポーランド系)と「シャーク団」(プエルトリコ系)の対立に置き換えられています。
元「ジェット団」のリーダー・トニー (ロミオ)
と、
「シャーク団」のリーダー・ベルナルドの妹・マリア (ジュリエット)
の許されない恋。
この誰もが知っている悲恋物語を軸に、当時のニューヨークの移民問題などを織り交ぜて誕生したのが、名作ミュージカル『ウエスト・サイド物語』なのです!
そしてこの物語は、1961年の映画版でも、多少の変更はあるもののベースの部分はほとんど受け継がれています。
ミュージカルの映画版というと、オリジナルのファンから見て賛否両論あることが多いですが、この映画版はミュージカルの映画化の大成功例の一つと言えるのではないでしょうか。
バーンスタインの名曲の数々が作品をいろどる!!
そして、このオリジナルのミュージカルの舞台版で音楽を担当したのが、当時のアメリカを代表する指揮者にしてピアニスト、作曲家の
レナード・バーンスタイン!!
「トゥナイト」「アメリカ」「マンボ」「クール」「マリア」など、今でも多くの人たちの心に残る名曲の数々を生み出しました。
映画を見たことがない方でも、きっと音楽がかかれば、「あ〜、この曲って『ウエスト・サイド物語』だったの?」って思うはずの、おなじみの曲たちばかりです。
また、余談ですが、バーンスタインの師匠はギリシャのアテネ出身で、アメリカで活動していたディミトリス・ミトロプーロスです!
ギリシャの音楽家がアメリカの音楽の発展に大いに貢献していたんですね!
そんなことも頭に入れながら、この名作ミュージカルの名曲の数々を楽しんでいただきたいです!
『ウエスト・サイド物語』(1961)は映画版ミュージカルの金字塔!
さて、そんな大ヒットミュージカルを映画化したのが、1961年に作られた映画版
『ウエスト・サイド物語』
今でもミュージカル映画の傑作の一つとして、『雨に唄えば』『オズの魔法使い』『サウンド・オブ・ミュージック』などと一緒に必ず名前のあがる、映画史に残る名作です。
そんなアメリカのミュージカル映画の黄金時代を担った作品の一つであるこの『ウエスト・サイド物語』、一体どんな映画だったのか、さらにご紹介していきます!
監督はミュージカル映画の名手!
この映画は、
ロバート・ワイズとジェローム・ロビンズ
という二人の共同監督によるものです。
ロバート・ワイズはのちに『サウンド・オブ・ミュージック』も監督していますので、ミュージカル映画の巨匠の一人!
ジェローム・ロビンズは主にミュージカルの演出で活動していた人で、オリジナルのミュージカルの原案・演出・振り付けを担当していました。
この二人がタッグを組んだことで、舞台版ミュージカルの熱気を損なうことなく、映画版に再現することが可能になったのです!
オリジナルのバーンスタインの音楽を使って映像化!
そしてこの映画版でも、オリジナルのミュージカル舞台で使われていた
バーンスタインの音楽を全面的に使用して映像化!
映画全編にわたってバーンスタインの名曲の数々を楽しむことができます!
しかし、この映画版では、俳優さんたちはミュージカル俳優ではない人たちが多く演じていたので、歌の部分は多く吹き替えられているのだそうです。
特に主人公のマリアを演じたナタリー・ウッドの歌声はすべて吹き替えられてしまったのですが、事前に吹き替えの許可を取っていなかったので問題になったようですよ。
これは当時はよく聞くことで、こちらもミュージカル映画の傑作
『マイ・フェア・レディ』
でも、オードリー・ヘップバーンは自分の声が吹き替えられると知らずに演じていて、作品を見た時に自分の声じゃないのでショックを受けたそうですよね。
吹き替えるなら吹き替えるって、先に伝えておけばよかったのにね、と今の私たちからみると残念に思いますが・・・
でもこうして映画版で映像化されたおかげで、今でも当時のミュージカルの雰囲気を手軽に楽しむことができるようになっています!
- ダンスホールの群舞が見どころの「マンボ」
- アニタ役リタ・モレノのダンスが見どころの「アメリカ」
- バルコニーのトニーとマリアの見せ場「トゥナイト」
- 群舞シーンの見事な「クール」
- トニーが切ない恋心を歌い上げる「マリア」
などなど、今の私たちが見ても心ひかれる名曲たちが続々と登場!
ダンスシーンでは音楽にぴったり合わせたダンサーさんたちの身体能力の高さにも注目です!
ミュージカルの舞台で実際に群舞シーンなどを見たら、きっとすごい迫力だったんだろうなあ、と想像ができます!
ジョージ・チャキリスは助演男優賞
そしてこの映画で注目されたのが、「シャーク団」のリーダーで、マリアの兄でもあるベルナルド役を演じた
このベルナルド役でキレのある華麗なダンスを披露し、世界のトップスターの仲間入りを果たしました!
実はチャキリスはミュージカルの舞台版でも「ジェット団」のリーダー・リフ役で出演していた本格派で、そのダンスは一際目をひきます。
今映像を見ても、人間の足ってこんなに高くあがるのね、とその身体能力の高さに見とれてしまいます。
プロローグのダンスシーンはこの映画を象徴する映像でもありますよね!
映画を見たことがない方でも、このシーンは知ってる!っていうくらいの有名なダンスシーン。
こうやって大勢とダンスしていても特に、ジョージ・チャキリス は手足が長くてポーズがいちいち決まってかっこいいのです!
当時を知る祖母の話によると、この映画では「ジョージ・チャキリスがすごい」という話題でもちきりだったとか。
主役ではない助演でこれだけ話題をさらっていくとは、生まれ持ったカリスマ性とダンスのセンスのたまものですね!
こうしてベルナルド役の演技は世界中で高い評価を受け、
- アカデミー賞助演男優賞受賞
- ゴールデングローブ賞 助演男優賞受賞
と、ダブル受賞を果たしました!
さて、こうしてプエルトリコ移民の不良グループのリーダー役でトップスターとなったチャキリスですが、
じつは本人はギリシャ移民の家庭の出身です。ギリシャ人の両親のもと、アメリカで生まれ育ちました。
しかし、プエルトリコとギリシャという違いはあっても、移民としてアメリカで暮らす環境で育ったチャキリスにとっては、このベルナルドは運命的な役だったのかもしれませんね!
*ジョージ・チャキリス について詳しくは、こちらの記事も合わせてどうぞ!
リタ・モレノは助演女優賞
そしてこの映画でもう一人世界的スターとなったのは
ベルナルドのガールフレンド・アニタを演じた、本人もプエルトリコ移民の
リタ・モレノ
このアニタ役で、
- アカデミー助演女優賞 受賞
- ゴールデングローブ賞 助演女優賞 受賞
と、こちらも高い評価を受けました!
今映画を見ても、ジョージ・チャキリスのベルナルドと、リタ・モレノのアニタのダンスシーンはとっても華麗で迫力満点です!
そしてリタ・モレノのすごいところは、生涯を通じてアカデミー賞、トニー賞、グラミー賞、エミー賞の全てを受賞していること!伝説の大女優ですね!
そしてその長いキャリアは今現在も現役で、最近のドラマでは、Netflixで配信中の
「ワンデイ -家族のうた-」
でかわいらしいおばあちゃんを演じていたのが印象的です!
80代とは思えない、軽やかなダンスシーンもあって、さすがのリタ・モレノです!
このドラマ、大好きなんですよね、早くシーズン4も配信してほしいです!
世界で社会現象とも言える大ヒットに
さて、そんな大ヒットミュージカルを、豪華俳優陣で映像化した
『ウエスト・サイド物語』(1961)
この映画は公開されるや大ヒットとなり、批評家からの評価も高く、
アカデミー賞では11部門にノミネートされ、作品賞をはじめ、10部門を受賞
という快挙を成し遂げました!
サントラ・アルバムも空前の売り上げとなり、社会現象とも言えるブームを巻き起こすことに!
ここ日本でも大ヒットとなり、そのファッションや音楽で当時の若者たちからも高い支持を受け、511日というロングラン記録は2012年になるまで破られませんでした。
まさに映画史に残る大ヒット、世界のミュージカル映画の歴史をつくった一作でした!
リメイク映画『ウエスト・サイド・ストーリー 』も制作(2021)
そんな歴史的ミュージカル映画である
『ウエスト・サイド物語』
公開から60周年を記念して、リメイク作品も制作されました!
スティーブン・スピルバーグ監督初のミュージカル映画としても注目の
『ウエスト・サイド・ストーリー』(2021)
コロナ禍の中の公開とはなりましたが、世界でヒットを記録し、
ゴールデングローブ賞では、作品賞、主演女優賞、助演女優賞の3部門を受賞。
アカデミー賞では作品、監督、助演女優、衣装デザイン、撮影、美術、音響の7部門にノミネートとなりました。
そしてこのリメイク版で注目なのは、
1961年版のアニタ役、リタ・モレノも出演しているのです!
しかも今作では制作総指揮も兼ねていて、スーパーウーマンぶりを発揮!
まさに映画界の生ける伝説!
このリメイク版も、オリジナル版と合わせて見ると、いっそう楽しめることと思います!
伝説のミュージカル映画『ウエスト・サイド物語』(1961)をぜひ見てね!
ということで、
映画史に燦然と輝くミュージカル映画の傑作
『ウエスト・サイド物語』
とはいったいどんな映画だったのか、簡単にご紹介しました!
2021年にはリメイク版も製作され、今なお人々に愛され続ける名作ミュージカル!
1961年の公開当時、社会現象にもなる大ブームを引き起こしたミュージカル映画の金字塔!
迫力の群舞シーンや、美しいバーンスタインの音楽など、今見ても色褪せない輝きを放っています!
リメイク版に合わせて、この伝説的なオリジナル版もぜひ一度、見直してみてくださいね!
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