ギリシャに旅行に行くと、お土産物屋さんにたくさん飾られている
青い目のお守り
あれ、見慣れないと、ちょっとドキッとしますよね。
これは
「イーヴィル・アイ」(evil eye)
という魔除けのお守り。
いったいどうして、目玉がお守りなの?
簡単にご説明します!
ギリシャの「イーヴィル・アイ」のお守りとは?
それでは、ギリシャの
「イーヴィル・アイ」(evil eye)
というお守りについてご紹介します!
これは青いガラス玉に目の模様がついてるもので、
お土産物屋さんに行くとアクセサリーなどでたくさん置いてあります。
これは一種の魔除けで、
妬みなどのよくない感情のこもった目を向けられると呪いをかけられてしまう、という
邪視
の信仰が広く地中海沿岸地方に、古代からあったようです。
この「邪視」を向けられても呪いを跳ね返すための
邪視よけのお守り
それがこの目玉の「イーヴィル・アイ」なんですね。
ギリシャ語では「マティ」(Mάτι)と言います。
ですので、お土産に一つは買って、家に飾っておくと魔除けになるかも!
誰かにうっかり妬みの目を向けられて、不幸が起きてはたまりませんからね!
古代ギリシャからあった「邪視」
さて、そんな
邪視よけのお守り「イーヴィル・アイ」
この青いガラスの目玉のお守りは、
トルコにも行くと似たようなお土産がいっぱい売っているので、
これもオスマン・トルコ時代に入ってきた信仰かな、と思うのですが、
実は古代ギリシャの時代から、「邪視」というのは広まっていたようです!
例えば、ギリシャ神話に登場する
「その目で見られると石に変えられてしまう」
という
メドゥサの目
これも邪視を向けられたものに死をもたらす、という考え方に基づいているわけですね。
*ペルセウスのメドゥサ退治について詳しくは、こちらの記事を合わせてどうぞ!
そして、こちらの紀元前5世紀に描かれた壺絵の船。
これは英雄オデュッセウスが航海の途中でセイレンに出会った場面を描いているのですが、
船の舳先に目玉が書かれています
これも一種の「邪視よけ」として、古代の船に描かれていたのだそうです。
オデュッセウスとセイレンたち(紀元前475年頃/ 大英博物館蔵)
また、壺絵のモチーフが「邪視」そのものの場合も!
これも「邪視よけ」のお守りのような役割を果たしていたのでしょうね!
邪視よけの目の杯(紀元前530年頃)
こうして、この「邪視」の考えは、古代からずっと広まって、現代にまで各地で受け継がれているのですね!
中東で広まっている「ファティマの手」という目玉のついた手のお守りも、同じく「邪視よけ」のお守りなのだそうです。
一説によると、メークアップのアイシャドウも、「邪視よけ」のために目を際立たせるものだったとか。
そんなふうに人類は、古代から色々「邪視」を避けようと工夫していたのだと思うと、面白いですね!
確かに、妬みや嫉みがこもった目でジロリと見られると、いい気分はしませんからね!
下手したら呪い殺されそうな気がする、っていうのも分かる!
そんな長い間の人類と「邪視」の歴史を思うと、最初見た時には奇妙に見えたこのお守りも、なんだかありがたいものに思えてくるではないですか!
そして、結構強力な魔除けになってくれそうですね!
*セイレンたちについて詳しくは、こちらの記事も合わせてどうぞ!
ギリシャで見かけたら思い出してね!
というわけで本日は、
ギリシャに旅行に行くと、お土産物屋さんにたくさん飾られている
青い目のお守り
いわゆる
「イーヴィル・アイ」(evil eye)
という魔除けのお守りについて、簡単にご紹介しました!
見慣れていない私たちからすると、ギョッとしてしまうような目玉のお守りですが、
ギリシャの長い歴史が詰まっているお守りなので、
よかったら一つ、お土産にどうぞ!
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