ついに発売になった
ヤマザキマリさんの新作マンガ
『オリンピア・キュクロス』
読みました!
スポーツ万能の古代ギリシャの青年が、1964年の東京オリンピックにタイムスリップ!!
古代ギリシャで行われていたオリンピックについて知ることができるだけじゃなく、思った以上に
素っ裸満載!?
の、前代未聞のオリンピックマンガの誕生です!
ついに登場!古代ギリシャのオリンピックマンガ『オリンピア・キュクロス』!
ついにこの日がやってきました!
ヤマザキマリさんの新作マンガ
『オリンピア・キュクロス』
ついに発売です!
ヤマザキマリさんと言えば、これまで、古代ローマをテーマにしたマンガで、一世を風靡してきました!
古代ローマ人が現在の日本にタイムスリップしてやってくる話題作
『テルマエ・ロマエ』
これは意表をついた設定もあって、空前の大ヒット!
映画化もされました!
これも、まさかのオール日本人キャストで大きな話題に!
そして現在は、古代ローマの博物学者・プリニウスを主人公にした作品を
とり・みきさんとの共作で発表していて、これもヒット中!
『プリニウス』
*このマンガ『プリニウス』について詳しくは、こちらの記事も合わせてどうぞ!
私もこういうヤマザキマリさんの作品は大好きで、全部読んでます!
そして、いつも「ローマばっかりじゃなく、古代ギリシャも描いてほしいなあ」と密かに思っていたのですが、
今回ついに!!
古代ギリシャの作品が登場しました!!
これはもう、期待するなという方が、無理ってもんでしょ?!
『オリンピア・キュクロス』は紀元前400年頃のギリシャが舞台だよ!
そういうわけで、期待値の高まる中、ついに手にしたのが、
ヤマザキマリさんの最新作
『オリンピア・キュクロス』第1巻
一気に読み終えてしまいましたよ!
ヤマザキマリさん初の古代ギリシャが舞台のマンガ!
期待以上に、面白かったよ〜!
古代ギリシャと古代オリンピックのことも、楽しく知ることができるし、ぜひ多くの方々に読んでいただきたい!
ということで、ここで簡単にこの作品の紹介をしますね!
この作品の舞台は、紀元前400年頃のギリシャ!
主人公は絵師見習いのデメトリオス
彼は、抜群の運動神経を持つ青年。
でも、内気な性格で争いごとが嫌いなので、「草食系オタク」と呼ばれて、せっかくの運動能力を持ち腐れる日々を過ごしています。
そんなデメトリオスが好きなのは、村一番の美人のアポロニア。
でも彼女は村長の娘という高嶺の花。
しかも、友達のアンペリウスと婚約しているので、デメトリオスは遠くから眺めているだけ。
そんなある日、事件が起こります!!
隣のポリスが、デメトリオスの住む村に領地を返せと迫ってきて、
デメトリオスの村長は、これを拒否!!
では、決着をつけるために、戦争しかないのか?!
と思ったところ、ちょうどこの年は、「オリンピア祭」いわゆる「古代オリンピック」の行われる年だったので、休戦条約が結ばれているため、戦争をすることはできません!
そこで、この決着をつけるために、
運動競技で勝負!!
ということになったのです。
この村の運命を決める、運動競技に出場する選手として村長が目をつけたのが・・・
もちろん!
主人公のデメトリオス!!
でも、争いごとの嫌いなデメトリオスは、この命令がイヤでイヤで、甕の中に入って落ち込んでいたところ、雷の一撃が・・・
そう!! ここであの「テルマエ・ロマエ」パターン出動!
デメトリオスは、古代ギリシャから1964年の日本へタイムスリップ!!
言葉も通じない「平たい顔族」もとい「バルバロイ」(*古代ギリシャ語で「異民族」の事)の東京ポリスで、
一体どうするデメトリオス?!
でも、不思議と、古代ギリシャ語が話せるおじいさんが登場したりして、
デメトリオスはこの不思議な異民族のポリスで、見たこと聞いたこともない物事に、驚いたり感心したり・・・
特にそこで感心したのが、異民族が行う不思議な運動競技だった!!
・・・という、
どっかで見たことがある既視感バリバリの、タイムスリップ・マンガ、
それが、
ヤマザキマリさんの新作マンガ
『オリンピア・キュクロス』
なのです!
『オリンピア・キュクロス』の古代ギリシャ版オリンピックあれこれ
というわけで、
このヤマザキマリさんの新作マンガ
『オリンピア・キュクロス』
発売前に想像していた通り、古代ギリシャのオリンピック・ネタが満載で、
きっとこれを読んで
「オリンピックって、古代ギリシャが発祥なんだ〜」
って初めて知る方も多いはず?!
古代ギリシャの運動競技、オリンピックについては、まだまだ日本では馴染みがないので、
以下少し、マンガ『オリンピア・キュクロス』の中に出てきた古代オリンピックネタについて解説!
古代オリンピックネタ: 「休戦条約」
このマンガの中では、隣のポリスの町長・ドシモスが、
主人公デメトリオスの村に領地問題をふっかけてきます。
通常は、こういう領地争いになった場合は、戦争に発展しちゃいます。
実際に古代ギリシャでは、ポリス同士の小競り合いはひっきりなしに起こっていました。
ところが、この年はたまたま、四年に一度のいわゆる「古代オリンピック」と呼ばれる「オリンピア祭」が行われる年で、
参加したいポリスはみんな、
休戦条約
を結ばなければならないんですよね!
古代オリンピック開始から、終了までおよそ三ヶ月、戦争は休止!
でもそうしなければ、ギリシャ中から運動選手が集まってオリンピックを開催することができないくらい、
古代ギリシャでは戦争が多かったってことなんです!
でも、デメトリオスたちの場合は、この年がオリンピックの年だったおかげで、戦争をしなくて済んだので、ラッキー!でした!
*古代の休戦条約について詳しくは、こちらの記事もご参照ください!
古代オリンピックネタ: 「パンクラティオン」
そして、この時、
隣のポリスの町長・ドシモスが、本当はやりたかった競技が
「パンクラティオン」
これは、古代オリンピックで行われていた格闘技種目で、一番激しいものでした!
禁止技は、目潰し、咬みつきの二つだけ!
逆にいうと、それ以外は何をしても勝てばオッケー!
という、恐ろしい格闘技だったのです!
だから、こんな恐ろしい格闘技種目「パンクラティオン」を、内気な主人公デメトリオスが戦うことなんて、無理ですよね?
*古代の格闘競技「パンクラティオン」について詳しくは、こちらの記事もご参照ください!
古代オリンピックネタ: 運動競技は全裸で!!
そして、このマンガの中では、
1964年の東京にタイムスリップしてしまった主人公デメトリオスが、
運動をしようとして「全裸」になって驚かれる!
ってシーンも出てくるのですが、
これはマンガでも書いてある通り、
古代ギリシャのオリンピックでは、全員「真っ裸」で競技していたのです!!
だから決して、デメトリオスが露出狂なわけではありません!
しかし、このマンガほど、男性の真っ裸満載のマンガは他にも無いかも?!
新しい「全裸マンガ」というジャンルが確立された瞬間かもしれませんよ?!
(*注 男性の大事なところは注意深く避けて描かれておりますので、女性・お子さんたちも安心してご覧ください)
*古代オリンピックで全裸で競技していたことについては、こちらの記事もご覧ください!
古代オリンピックネタ: 古代にはマラソンは無かった?!
そして、マンガの中では、
主人公デメトリオスが、村長さんから
「5ポリス対抗長距離走大会」
に出場を命じられてビックリ!!
というシーンがあります。
これはデメトリオスも言っている通り、
「長距離走なんて競技は存在しません」
つまり、古代オリンピックでは、長距離走は無かったんです。
そう!
マラソン競技は古代には無かった!
だから、古代ギリシャの「マラトンの戦い」にちなんでできたマラソン競技は、
近代オリンピックを開始するにあたって、目玉競技が欲しかった、
近代オリンピックの創設者・クーベルタン男爵たちの創作!
ということなんですよ。
しかも、「マラトンの戦い」にちなんだ故事も、どうやら後世の作り話?!らしいですので、
古代ギリシャ人のデメトリオスは、この話を知らない、っていうのも、仕方ないかも?!
*マラソン競技について詳しくは、こちらの記事もご覧ください!
古代オリンピックネタ: 「スタディオン」は「スタジアム」!?
そして、マンガの中では、
主人公デメトリオスが、1964年の東京オリンピックに迷い込み、
巨大な「スタディオン」に驚く!!
というシーンがあります。
この「スタディオン」というのは、古代ギリシャで作られていた競技場のこと。
古代オリンピックが行われたオリンピア市だけじゃなくて、各地に競技場「スタディオン」は作られていて、遺跡も残っていますよ!
そして、この古代ギリシャ語「スタディオン」が、
現在使われている言葉「スタジアム」の語源となっておりますよ!
*「スタディオン」と「スタジアム」については、こちらの記事もご参照ください!
『オリンピア・キュクロス』ぜひ読んでね!
というわけで、
待ちに待ったヤマザキマリさんの新作マンガ
『オリンピア・キュクロス』
古代ギリシャのオリンピック・ネタが満載で、
鉄板のタイムスリップネタも笑えますし、
これは・・・
日本に古代オリンピック・ブームがくるかも?!
そして、多くの方達に古代ギリシャに興味を持ってもらえるきっかけになると思うんで、
ぜひみなさん、手にとって読んでみてくださいね!