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「千と千尋の神隠し」に見るギリシャ神話とファンタジーの世界!

2018/01/23

どうも!イレーネです。

先日またまたテレビ放送された

「千と千尋の神隠し」

見た方も多いと思います。

私もまた見ちゃった〜一体何回目だ?!

というくらいジブリ作品の中でも根強い人気を誇る作品ですが、

見ていると結構、ギリシャ神話との共通点も多いのですよね〜

というわけで、本日は

「千と千尋の神隠し」に見られるギリシャ神話との共通点について

ファンタジー作品にはよくギリシャ神話の要素が使われていますが、それがこの宮崎アニメにも見られるんですよ〜

「千と千尋の神隠し」は日本映画史上最高の興行収入!

その前に、誰でも知ってるかもしれないけれど、

千と千尋の神隠し についてもう一度、再復習!

千と千尋の神隠し は、

スタジオジブリ制作、宮崎駿監督・脚本、2001年公開作品。

現在でも国内歴代興行収入第1位の308億円という、歴史的大ヒット作品です!

日本だけではなく、海外でもヒットを記録、

第52回ベルリン国際映画祭で、金熊賞を受賞

第75回アカデミー賞アカデミー長編アニメ映画賞を受賞

という、世界でも認められた作品なのです!

日本のクラシックな湯殿が舞台ということで、海外の方にも新鮮に捉えられたんじゃないのかな。

キャラクターも、カオナシとか坊とか、とにかく強烈で印象に残るものが多かったですね〜

そして、千尋とハクの淡い恋・・・

何度見ても新しい発見があって、夢中になる作品です!

主題歌も印象的ですよね〜 このサビの部分が忘れられない・・・

神の世界との接触:「千と千尋の神隠し」とギリシャ神話の場合

さて、そんな、世界的にも高い評価を受けた宮崎駿監督作

千と千尋の神隠し

もはや日本人のほとんどの人たちが見た事あると思うのですが、

この映画のお話は、主人公の千尋と両親が、道に迷って山の中の不思議な廃墟に入り込んでしまって、

神様たちの集まる湯屋で働く事になってしまう、というストーリー。

そんな人間の住む世界とは違ったところに紛れ込んでしまった千尋が、

慣れない仕事に奮闘しながら、少しずつ成長していく姿が見どころです。

さて、そんなふうに

「神々の世界」に人間が思いがけず接触してしまう

というのは、ギリシャ神話でも定番と言っていいくらい、よく出てくるのです。

例えば有名なのは、

猟師のアクタイオン

山の中で犬を連れて狩りをしていたら、女神アルテミスが水浴びをしているところに出くわしてしまいました。

裸を見られたアルテミスは怒って、アクタイオンの猟犬たちに主人を噛み殺させてしまったのです。

*こちらの過去記事もご覧ください。

[ギリシャ神話]犬にまつわる神話セレクション・ベスト3!

かの有名な、

「パリスの審判」でも、

パリスはトロイアの王子なのに、な〜ぜ〜か、山の中で羊飼いしてて、

そこに女神たちが「一番誰か美人なのか決めてよ」ってやってくる。

王子様、フツー、山の中にいないでしょ?

って思うんですけど、やっぱり神様と出くわすのは山の中なのよね。


ルーベンス『パリスの審判』(1636年)

そして、英雄アイネイアスの父親であるアンキセスも、

山で羊飼いしていたら、目の前にそれはそれは美しいアプロディテが現れて、

二人は結ばれ、その間にアイネイアスが生まれた、ってお話なんです。

だから不思議と、ギリシャ神話の中でも、神々の世界に人間が接触してしまうのは、山の中!

神々が住むのも「オリュンポス山」という山だと考えられていますしね。

これが、「千と千尋の神隠し」の冒頭でも、お父さんの運転する車がどんどん深い緑の中を分け入って、

山を登って登って、気がついたら神様の世界に接触してしまっていた!

というシーンと完全にダブります。

宮崎駿さんは、やっぱりギリシャ神話とか、相当調べているのかな〜??

神と接触した人間には罰が待っている

そして、

千と千尋の神隠し

で印象的なシーンとしては、神様たちへのお供えの食べ物をガツガツ食べてしまった両親が、

罰としてブタに変えられてしまう、というくだりがあります。

千尋も危うく消えかけているところを、ハクに助けてもらっていますしね。

つまり、神様の世界にうっかり触れてしまった人間は、ろくなことがないんですが、

これもギリシャ神話と同じ。

上に書いたアクタイオンも、全然悪気はないのに、たまたま裸の女神を見てしまったために、殺されちゃいました。

ひどいよ〜・・・

アンキセスも、自分が恋した美しい女性が女神アプロディテと知った時、女神と寝た男にはろくなことがない、と恐れたとか。

そしてきわめつけは、

体半分が羊の神様・パン

パン神も森や山の中に住んでいて、時たま人間に出会うと、人間に恐怖を与えると言います。

パン神が与えるその恐怖が、いわゆる「パニック」!!

そう、私たちが普段使ってる「パニック」という言葉は、このパン神に由来しているんですね。

山の中で神様に出会ったと思ったら、「パニック」なんて、たまったもんじゃないよ〜


パン神とダフニス

魔女・湯婆婆(ゆばーば)

そしてこの映画

千と千尋の神隠し

では、舞台は純和風の湯殿で、他の登場人物はみ〜んな和服を着ているのに、

クラシックな洋装をしている人物がいます。

それが・・・

魔女の湯婆婆(ゆばーば)!!

湯婆婆(ゆばーば)は名前を奪って自分の奴隷にしてしまう、恐ろしい魔女です。

この映画で一番キョウレツなキャラクターと言っても過言ではない!

そんな純和風の中で、一人だけ西洋の魔女がいるわけですが、

言うまでもなく、

ヨーロッパの魔女の先祖は、ギリシャ神話!!

不可思議な力を持って、相手の姿を変えたり、思い通りにしてしまうなんて、

まさにギリシャ神話の魔女キルケーそっくりなんですよ、湯婆婆(ゆばーば)は!

魔女キルケーは、英雄オデュッセウスの部下たちを、魔法の薬で豚に変身させてしまうんです。

ただ、ギリシャ神話の中では、魔女キルケーは若くてとても美しいということなので、

多分、あれだな、キルケーが老けると、湯婆婆(ゆばーば)になるんだな!

*魔女キルケーについて詳しくは、こちらの過去記事をご参照ください!

[ギリシャ神話]魔女・キルケーの魔術とは?

大河の神・オケアノス:そしてハク

もう、さすがにここまで国民的な作品だから、今更ネタバレしてもいいよね〜

と思うのでサクッと書いてしまいますが、

千と千尋の神隠し

この映画の中で主人公の千尋が淡い恋心を抱く美少年・ハクの正体は、

川の神様!!

本当の名前は「ニギハヤミコハクヌシ」

日本古来からの神道だと、自然界のものも神様として信仰するのですね。

これは実は、ギリシャも同じ!

川は神様として大切にされていました。

中でも有名なのが、

「大河」の神オケアノス! 

「大洋」でもあります。川は海に注ぎ込みますからね。

オケアノスは妻テテュスとの間に、すべての川となんと3000人もの娘たちを産んだんですって!!数多すぎ!

彼女たちを「オケアノスの娘たち」(オケアニデス)と言います。


ギュスターヴ・ドレ「オケアニデスとナイアデス」

こんなふうに、ギリシャ神話でも川は神様だったんですね。

ギリシャ神話でも日本神話でも、八百万の神様を信仰する多神教ですから、基本的な考え方は同じだったわけです。

決して振り返ってはならない

そして、ネタバレありという前提でバリバリ最後まで書くと、

千と千尋の神隠し

の中で、千尋がこの不可思議な神様たちの世界を脱出するとき、ハクが彼女に言うのは、

「決して振り返ってはならない」

ということ。

千尋はいいつけを守って、この世界を離れるときには後ろを振り返ることなく、無事に両親の元へ帰ります。

これ、実は日本神話でもギリシャ神話でも、有名な神話があるんです。

まずはギリシャ神話。

竪琴の名手・オルペウスは、妻のエウリュディケを深く愛していましたが、彼女は突然蛇に噛まれて死んでしまいます。

オルペウスは妻をあきらめることができず、死者の世界である冥界へ妻を取り戻しに行きます。

オルペウスの弾く美しい竪琴の音色は冥界の王・ハデスと妻のペルセポネの心をも動かし、

地上に着くまでに後ろを振り返らないことを条件に、エウリュディケを連れ帰ることを許します。

オルペウスは喜んで、妻とともに再び地上を目指しますが、後一歩、というところで、ついつい妻の姿が見たくて振り返ってしまい、

エウリュディケは冥界へと連れ戻されてしまいました。


ジャン=バティスト・カミーユ・コロー「冥府のオルペウス」

これとそっくりなお話が、

日本神話のイザナギのお話。

妻のイザナミが亡くなった後、妻が恋しい気持ちがつのり、黄泉の国まで迎えに行きます。

しかしその時、決して見てはいけないと言われた妻の姿を見ると、すでに腐敗した恐ろしい姿でした。

イザナギは恐れて妻を置いて逃げ出し、追っ手を巻いて、黄泉国と地上の境目となっている黄泉比良坂(よもつひらさか)を岩で塞いでしまったということです。

この二つの神話の共通点は、見てはいけない、と言われたものをついつい見てしまって、妻を元の世界に連れ帰るのに失敗してしまうこと。

これに対して、

「千と千尋の神隠し」の千尋はちゃんといいつけを守ったので、

無事に元の世界に帰ることができたのですね!!

宮崎駿さんのギリシャ神話への造詣の深さを感じさせる

というわけで、本日は、

映画千と千尋の神隠し

の中に出てくる、ギリシャ神話的要素について解説してみました!!

こうしてみると偶然かもしれないけれど、主人公の名前に「ナウシカ」とつけちゃう宮崎監督だから、

相当ギリシャ神話関係に詳しいと思うんですよね。

だから、その中に出てくるエピソードを色々アレンジして、映画「千と千尋の神隠し」のエッセンスにしていった、というのは十分考えられると思います!

(まあ、それと、日本神話とギリシャ神話には、共通している部分も結構あるんですが、それについてはまた改めて!)

ですので、そういうギリシャ神話に共通するような要素もあるので、海外でもすごく評判が良かったのかなと。

そういう目でもう一度この映画「千と千尋の神隠し」を見て見てると、面白い発見があると思いますので、またぜひ改めて、見てみてくださ〜い!!

*この記事に興味を持った方は、こちらもどうぞ!

「ローグ・ワン / スター・ウォーズ・ストーリー」まさに神話の英雄叙事詩!

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