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ギリシャ神話

ダフネって月桂樹なの?アポロン神から逃れて月桂樹に姿を変えたニンフの運命

ギリシャ神話に出てくる

ダフネ

という名前をご存知ですか?

実はギリシャ神話の中では、月桂樹に姿を変えてしまった、というニンフの名前です。

そんなニンフのダフネってどんな人なのか、そしてどうして月桂樹になったのか、

簡単にご紹介しますので、興味ある方はぜひ読んでいってくださいね!

ギリシャ神話の「ダフネ」って月桂樹なの?

ということで、

ギリシャ神話に出てくる

ダフネ

という乙女のお話について、ご紹介します!

実はギリシャ神話の中では、月桂樹に姿を変えた、というエピソードでとても有名なこのダフネ。

しかしいったいどうして月桂樹になったのでしょう?

ギリシャ神話の「ダフネ」は川の神の娘のニンフ

それではこのギリシャ神話に登場する

ダフネ

という乙女についてですが、

ギリシャ語では正しくは「ダプネー」(Δάφνη)と言います。

しかし、今は日本では一般的に「ダフネ」としてよく知られているので、ここでは「ダフネ」と呼ぶことにしますね。

伝えられるところによると、ダフネはペネイオス河神、またはラドン河神の娘で、水のニンフでした。

この「ニンフ」というのは、ギリシャ神話に登場する山・川・植物など自然のものに宿る精霊のこと。

それぞれ河のニンフ、泉のニンフなどがいて、通常は複数の女性たちで考えられていました。

そういうニンフたちは、あくまでも「精霊」なので、神々とは違います。

そのため、永遠に生きるわけではなくて、宿っているものが滅びるとニンフたちも滅びると考えられていたようです。

つまりニンフたちは、宿っている植物や泉などと運命を共にしているので、無闇に木を切ったり、泉や川を埋め立てたりするのは良く無いことですね!

このダフネは、そんな自然と一体化したニンフの一人だったということです。

ギリシャ神話の「ダフネ」はアポロン神から逃れて月桂樹に

さて、そんなニンフの

ダフネ

ですが、その運命が変わったのは、ある神との出会いがきっかけでした。

それは予言の神、音楽の神など多くの力を持つゼウス神の息子

アポロン神

この神がダフネに恋をして追いかけまわし、

追い詰められたダフネはアポロン神から逃れるために、父親に頼んで

月桂樹に姿を変えた

ということです。

ポンペイ出土フレスコ画(1世紀頃)

こうして、結局ダフネを手に入れることができなかったアポロン神は大変嘆き、

その月桂樹を自分の聖なる木として、その葉から「月桂冠」を作り、身につけるようになったということです。

この「月桂冠」はこうしてアポロンの象徴となり、アポロンに捧げるピュティア競技祭で優勝するとこの月桂冠が与えられたのでした。

月桂樹というと、現代の私たちにとっては、スープなどに香り付けに入れる

ローリエの葉っぱ

でおなじみですよね。

そんな月桂樹の葉っぱには、こんなギリシャ神話が語られていたんだな〜って、

次にシチューを作る時には思い出してあげてくださいね!

アポロン神について詳しくは、こちらの記事も合わせてどうぞ!

>> ギリシャ神話のアポロン神って、いったいどんな神様?神界のマルチタレント?

ギリシャ神話の「ダフネ」は芸術家たちのミューズ?!

さて、そんなアポロン神の悲恋、というか、ダフネにとっては追いかけ回されて迷惑だった話ですが、

月桂樹の木に姿を変えた

というエピソードは多くの芸術家たちに愛されるところとなり、

その姿を描いた傑作が多く生み出されることにもなりました。

ルネサンス期の画家ポッライオーロも、ダフネの体が植物に変わっていく様子を印象的に描いています。

ポッライオーロ『アポロンとダフネ』(1480年頃)ナショナル・ギャラリー所蔵

そして最も有名と言えるのが、

ベルニーニ作の彫刻!

ダフネの手の先が植物に変わっていっています。

ベルニーニ『アポロとダフネ』ボルゲーゼ美術館所蔵(1622–1625) By:Architas

そしてギリシャ神話を題材に多くの作品を描いたウォーターハウスも、

ダフネが植物に姿を変えていく瞬間を描いています。

ウォーターハウス『アポロとダフネ』(1908年)

そのほか、ここではご紹介しきれないほど、多くの芸術家たちがダフネが月桂樹に姿を変えていく様子を美しく描いています。

ここまで多くの芸術家たちを魅了したダフネは、その物語はかわいそうな結末ではありますが、

芸術家たちに多くのインスピレーションを与えるという、芸術の神ムーサたちのようでもありますね!

多くの芸術家たちに美しく描いてもらえて、本人も満足かも?!

*「ミューズ」の語源にもなった芸術の神ムーサたちについて詳しくは、こちらの記事も合わせてどうぞ!

>> ギリシャ神話のムーサたちは文芸・学術の女神!「ミューズ」なしに芸術は生まれない!

ギリシャ神話の「ダフネ」は現代にも

さて、そんな月桂樹に姿を変えてしまったという、ギリシャ神話のニンフ

ダフネ

ですが、

実は現代でもこの「ダフネ」という名前を持つ女性たちが多くいます。

欧米系では女性の名前として一般的に浸透しているのですね。

日本だと、月桂樹に姿を変えた人の名前なんて、不吉・・・と敬遠されるような気もしますが、欧米系では伝統的な名前として特に気にしていないようです。

Netflixで人気のドラマ

『ブリジャートン家』

では、主人公のブリジャートン家の長女の名前が

ダフネ

と言うのです!

好きでもない男性に追い回されて困る、というのは、ギリシャ神話のダフネとおんなじかも?

でも、ニンフのダフネと違ってたくましく生きているので見ていて楽しいです。

そのほかにも、このブリジャートン家の女性たちはみんなギリシャ系の名前を持っているので、名前の由来などを考えながら見てみると面白いですよ!

興味ある方はぜひ一度見てみてくださいね!

月桂樹を見たらギリシャ神話の「ダフネ」を思い出してね!

ということで、

ギリシャ神話に出てくる

ダフネ

というニンフについてのエピソードをご紹介しました!

アポロン神に追いかけ回されて、月桂樹に姿を変えてしまったなんて、

なんだか可哀想な気もしますが、

多くの芸術家にも愛され、女性の名前としても広く使われ、

しかも毎日のお料理もその葉っぱがおいしくしてくれるなんて、

ダフネは今でも現代の私たちの身近でたくましく生きていますね!

次に月桂樹の葉っぱを見た時には、ぜひこんな運命のニンフがいたということを思い出してあげてくださいね!

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