ギリシャ神話って、実は人間が動物や植物などに姿を変えられてしまう
「変身」にまつわるお話が多いんですが、
かわいそうな女性
アラクネーは、クモに姿を変えられてしまった!
っていうお話をご紹介したいと思います!
何に生まれ変わるのが嫌って、クモは嫌ですよね〜
猫や犬ならいいけれど・・・
アラクネーは一体何で、よりによってクモに姿を変えられてしまったのか、
気になる方はぜひ読んでいってくださいね!
アラクネーは女神と張り合ったばっかりに・・・
さて、というわけで
かわいそうな女性
アラクネー
について、ご紹介していきますね!
アラクネーは織物が大変上手な女性で、
腕前は女神アテーナーにも勝る、って自慢していたのだそうです。
しかしそれを聞いた女神アテーナーが
それなら私と勝負しな!!
と、怒ってしまった!
ということで、なんと女神と織物の勝負をすることになっちゃったんです。
そして織物勝負では、二人で同時に織物を織ったのですが、
アラクネーは女神に勝るとも劣らない、それはそれは見事な織物を織ったんですね。
しかも、その織物の模様は、神様たちと人間との恋愛模様だったので、
女神アテーナーはそれを見て、激怒!
出来栄えがいい上に、ちょっと神様を小バカにしているような題材だったので、さらに気に入らなかったんですね。
怒りに燃えた女神アテーナーは、アラクネーを打ちつけた上にその織物を破り捨ててしまったのです。
アラクネーはこれを嘆き悲しんで、首をつって自殺してしまったということなんです・・・
かわいそうなアラクネー・・・
女神アテーナーはその後、アラクネーがずっと織物を織っていられるようにと、
アラクネーの姿をクモに変えた
ってことです。
だから今でも、クモたちはずっと、巣を糸を吐いて織っていますよね!
というお話なのでした。
う〜ん、生まれ変われるとしても、クモになるなんて絶対イヤだよ・・・
と、私としては心から叫びたい神話なのですが・・・
アラクネーも、散々な目に合わされたなあ〜と思ってたりして?!
アラクネーはベラスケスの名画にも!
さて、このアラクネーの有名なお話ですが、
実は超有名な名画の題材にもなっています。
それは、歴史の授業で聞いたことあるかな?
スペインが生んだ17世紀バロック絵画の巨匠
ディエゴ・ベラスケス
その代表作の一つ
『織女たち』
あるいは
『アラクネの寓話』
とも呼ばれる絵画です!
この絵は、パッと見たところは手前の織物を織っている女性たちに目が行くんですが、
その部屋の奥を見ると、壁にタペストリーがかけてあって、
その前には、ヘルメットをかぶった女性の姿が!
これは、戦争の女神でもあった女神アテーナーの姿です。
そして、女神アテーナーは、ある女性に向かって、鞭のようなものを振り上げていますね。
この女性こそアラクネーで、今から怒り狂った女神に打ちつけられるところです。
あ〜かわいそう・・・
痛いだろうな〜・・・
という、一瞬の様子を描いているんですね!
こんな目立たないように、アラクネーのギリシャ神話が描かれているなんて、
ベラスケスもなかなか、粋なことしてくれますよね!!
でも、この神話を知らないと、この仕掛けもよく分からないので、
みなさんぜひ、この絵画を見る時には、アラクネーの神話を思い出してあげてくださいね!
「アラクノフォビア」は「クモ恐怖症」!
そして話は変わりますが、
みなさん、クモ怖くないですか?!
私は、すんごく怖〜い!!
部屋の中にあの姿が登場すると、「ひっ」と一瞬、固まります!!
小さいのでも恐ろしいのに、でっかいやつとか、もう絶対無理!!
それがイヤだから南国に移住するのもまず無理だわ〜
と思うくらい、イヤですね〜
その証拠に、このページにも、クモの写真は載せないですよ! イヤだから!
というのも人類は、本能的にクモを怖がる習性があるらしいんですよね〜
これが極端になったのが、
いわゆる
「クモ恐怖症」!
英語では、
「アラクノフォビア」
って言いますが、これはもともとギリシャ語!
ギリシャ語で「フォボス」は「恐怖」で、
クモに姿を変えられた女性「アラクネー」の名前も入っていますね!
「アラクネ」(クモ)プラス「フォボス」(恐れ)で「クモ恐怖症」!
まあ、そういう症例があるくらい、人類はクモが怖いのよ!
なんでかな〜
やっぱり、動きが気持ち悪いのと、巣が気持ち悪いのと、
最悪の場合は毒を持ってる、ってところじゃないかなと思います!
人類の命を守りたい願い、
それが「クモ恐怖症」となって現れているのだ!
自分としては地球上からクモが消えてくれても全然構わないんだけど、
生態系が壊れるだろうから、きっと保護するんだろうな、そうなったら。
でも、それくらい、クモはイヤなんです!!
お空の雲ならいいんだけどね〜・・・
そしてこの「クモ恐怖症」=「アラクノフォビア」は、映画のタイトルにもなっていますので、観た方も多いかもしれません!
スティーブン・スピルバーグが製作総指揮を担当した
『アラクノフォビア』
え? 自分はこの映画を見たかって?
見るわけないでしょ!!
クモ嫌いなんだから!
自分はクモに耐えられる、クモの映画だって見れる! という勇気ある方だけ、どうぞ!!
クモの巣を見たら、アラクネーを思い出してね!
というわけで、ギリシャ神話に登場する
クモに姿を変えられてしまったかわいそうな女性・アラクネー
についてご紹介しました!
あの虫のクモを見て、織物が上手な女性のお話を考えつくなんて、ギリシャ人のイマジネーションって、すごいなあ。
みなさんも、次に自宅かどこかでクモの巣を発見したら、
このギリシャ神話のアラクネーを思い出してあげてくださいね!
まあ、速攻で巣は取っちゃうと思いますけどね!
そんなところもかわいそうな、アラクネーなのでした!