ギリシャ神話

魔女キルケーの魔術とは?

こんにちは、イレーネです。

現代でもアニメ映画などでは欠かせない存在とも言える、

魔女!

醜い老婆が帽子をかぶって鍋で何か煮てる・・・ってあれです。

実はギリシャ神話にも魔女が登場するんですよ〜

って、意外と知られていないので、

本日はそのお話しをしたいと思います。

みなさんの知ってる魔女と同じかどうか、ぜひ確かめてみてくださいね!

キルケーは人間を豚に変えちゃう!

さて、本日ご紹介したいのは、

ギリシャ神話に登場する魔女

それは・・・

紀元前8世紀頃に成立したと考えられている、ギリシャでも最古の文学作品である、ホメーロスの作品にも登場するんですよ!

ホメーロスの『オデュッセイアー』

この中には、

オデュッセウス一行を待ち受けていた、

恐るべき魔女・キルケー

が登場します!!

(『オデュッセイアー』第10歌)

キルケーは、太陽神ヘーリオスと、オーケアノスの娘ペルセーイスとの間の娘

伝説上の島・アイアイエー

に住むとされています。

エーゲ海をさまようオデュッセウスの一行がこの島に流れ着き、

山の中を進むと、キルケーの屋敷に行き当たります。

その屋敷で、キルケーは機を織りながら、美しい声で歌を歌っていたそうです。

一行が声をかけると、キルケーはいったんは歓迎して家に入れますが、

恐ろしい薬の入った飲み物を勧めます・・・

その飲み物を飲むと、すぐに一行は豚の姿に変わってしまったのです!

でも、オデュッセウスは、ヘルメス神のくれた

モーリュという薬草

を持っていたので、キルケーの薬が効かず、難を逃れました。

キルケーは自分の魔力を封じたその力に驚き、

オデュッセウスを愛して丸一年も手元に置いておいたとか。

circe_offering_the_cup_to_odysseus
(ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス「オデュッセウスに杯を勧めるキルケー」1891年)

こんなふうに、ギリシャ神話の魔女キルケーは、

おそろしい魔力を持つ反面、愛情深いところもあって、憎めないキャラクターでもあります。

ちなみに、キルケーの兄弟アイエーテースの娘が、

これもギリシャ神話で名高い魔女メーデイアです。

要するに姪っ子ですね。

叔母ー姪が二人とも強力な魔女だなんて、キルケーの家系は魔術が強い家系なんですね!

これは、元をただせばお父さんの太陽神ヘーリオスが、魔術に関係していたんではないでしょうか?

ギリシャの明るい太陽と魔術って、意外な取り合わせにも思えますけどね!

*魔女メーデイアについては、こちらの過去記事をどうぞ!

*太陽神ヘーリオスについては、こちらの過去記事をどうぞ!

キルケーの薬ってなんだろう?

こんなふうにギリシャ神話のキルケーは、

神の血筋でもあり、姿も歌声も美しい女性とされ、

現代のアニメに出てくるような

醜い老婆の魔女

というイメージとはかけ離れています。

でも・・・

キルケーの調合する薬はすごく強力!!

人間を狼や、ライオンや、豚に変えてしまった、ということですので、

恐るべき魔女であったのは確かです。

それにしても・・・

キルケーの操るこの薬は一体なんだったのか?

そして、

オデュッセウスの持っていた、

モーリュという対抗薬は一体なんだったのか?

気になりますよね〜

でもこの薬については詳しく書かれていないので、今では謎に包まれています。

今となっては想像するしかないですが、

このキルケーの神話から見る限り、古代ギリシャの人たちも、

不思議な効力を発揮する薬草の存在を知っていて

それを煎じて不思議な力を持つ薬を作り出す女性がいた

と思っていたのではないでしょうか。

このイメージが受け継がれていって、やがて、

薬を煎じて悪さをする怖い魔女

という、よく知られている魔女像が、

ヨーロッパで確立されていったのかもしれないですね。

私たちの思い浮かべる「魔女」って、大きな鍋でグツグツと何かを煮ている、ってイメージですもんね!

今でも魔女はいる!?

そんな、古代ギリシャの魔女・キルケーのお話でしたが、

現代でも、不思議な力を持つ女性は「魔女」と言われたり、

ファンタジー映画ではしょっちゅう「魔女」が登場したりして、

今でも「魔女」は割と身近な存在

と言えるのではないでしょうか。

一見、魔術とは関係ないように見える現代の日本でも、

どこかでこっそり魔女たちが水晶玉をのぞいたり、

不思議な薬を煎じているかもしれませんよ〜?!

そういえば、今の日本でも、水晶玉を使ったり、タロットを使ったりする占い師さんたちがいますよね?

今度そういう方達を見たら、古代ギリシャの魔女キルケーを思い出してあげてくださいね!

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