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ギリシャ神話

ギリシャ神話の「モイラ」は運命の女神!人間たちの運命の鍵を握る神?!

私たち人間の運命はどんなふうに決められているのでしょう?

ギリシャ神話では、それを決めるのは

運命の女神・モイラ

だと考えていました。

私たちは、この与えられた運命の中で、なんとかより良く生きよう、として奮闘しているわけですね。

そんなふうに私たちの運命の鍵を握っている女神って、一体どんな女神たちだったんでしょう?

簡単にご紹介しますね!

運命の女神モイラってどんな女神?

さて、それでは今回ご紹介する

ギリシャ神話の運命の女神・モイラ (Μοῖρα)

一体どんな女神だったのでしょう。

一言で簡単に説明すると、

人間たちの運命を決める女神!

ではなぜそういう女神が考えられるようになったところからご説明しましょう。

「割り当て」から「運命の女神」へ

実はこの言葉

「モイラ」(Μοῖρα)

というのは、一般名詞でも使われていて、

土地などの「分け前」

クジで引き当てた「割り当て」

などの意味から、

人間の「生命の割り当て」「運命」 

といった意味にも使われていました。

「運命の女神モイラ」、というのは、この神格化された神様なわけです。

ギリシャ神話では、「死」や「眠り」、「掟」なども神格化されていましたから、このモイラもその仲間ですね!

そして、人間の生命の割り当て=運命、というつながりから、

モイラは人間の「死」とも結びつけられ、

また生まれてくる方で、お産の女神エイレイテュイアとも結びつけられていました。

確かに、人間の運命って、生まれて、死ぬことが大きく左右しますからね!

一体どんな生と死が生まれる前に「分け前」として与えられているのか、私たち人間は分からないので苦労しますが、

本人たちの知らないところでこの運命の女神が決めているわけですね。

3人姉妹のモイラたち

さて、この

運命の女神「モイラ」(Μοῖρα)

ですが、

実は3人姉妹で考えられていました!

ですので、

複数形で「モイラたち」

ギリシャ語では

「モイライ」(Μοῖραι)

とも呼ばれます!

この女神たちが人間の運命の糸をつむいで運命を割り当てる、と考えられていたので、

この3人姉妹の名前は、

クロト (紡ぐ者)・・・運命の糸を紡ぎます

ラケシス (分ける者)・・・運命の糸の長さを測って、それぞれの人間に割り当てていきます

アトロポス (不変の者)・・・運命の糸を切ります。

というように、それぞれの役割を表していました。

ジョン・メルフイシュ・ストラドウィック『運命の三女神:クロートー、ラケシス、アトロポス』(1885年/テート・ブリテン所蔵)

しかし、人間たちの運命が、糸で決められていたなんて、面白い発想ですよね!

ギリシャ神話のそういうイマジネーションには、いつも驚かされます!

そしてこの女神たちの決めた「運命」には、最高神ゼウスも逆らえなかった、

はず・・・ですが、

いや〜、ゼウスは全知全能なんだから、運命だって手中に納めてるはずじゃないの? 

って、矛盾も感じますよね?

そこら辺はギリシャの人たちも気付いていたらしくって、ちょっと曖昧のまま、あまり触れないでおかれたみたいです・・・

ゼウスが逆らえない神様がいると、都合が悪いですからね・・・

はっきりした神話は無い・・・?

さて、そんな3姉妹の

運命の女神「モイラ」(Μοῖρα)

たちですが、

これといった神話は、特に残っていません。

生まれは、ゼウスとテミスの間に生まれた、

あるいは夜の女神ニュクスの娘たちだ、

と、違った話も伝わっています。

しかも、これが両方ヘシオドスの『神統記』に出てくるので、ヘシオドスもどっちでも気にしなかったのか、ということになります。

それほどこの女神たちにまつわる物語はちゃんと伝えられてこなかったのだろうな、と思われます。

ギリシャ悲劇にちょこっと登場するくらい。

まあでも、そんなふうに他の神様たちとのエピソードがあまり無くっても、

私たち人間の運命は常にこの女神様たちに握られているわけですので、

嫌でも毎日、その存在を意識しないわけにはいかなかったですよね!

ローマでは「パルカたち」に

さて、そんなギリシャ神話の運命の女神たち、

他の神様たちと同じように、後にはローマ神話に受け入れられて、

「パルカ」  「パルカたち」

Parca (複数形は Parcae)

というローマ版「運命の女神」に引き継がれていきます。

アルフレッド・ピエール・アガシュ画『パルクたち』(1885年頃)

この「パルカたち」はもともとは、誕生の女神たちだったようなのですが、

ギリシャ神話の「モイラ」を受け入れて、運命を司る女神として考えられるようになりました。

そういうわけでローマ神話でもこれといった活躍はしていませんが、その重要な役割は変わっていません!

今でも「モイラ」は女性の名前に

そして、このギリシャ神話に登場する

運命の女神「モイラ」(Μοῖρα)

この名前は実は、

現代でも女性の名前として受け継がれています!

モイラ(Moira)さん、という、英語圏で今でも割と一般的に使われている名前です。

意味はもちろん、そのまま「運命」です!

日本の名前ではこんなふうに神様に由来する名前ってなかなか無いですから、

ギリシャ神話の運命の女神の名前を持つ女性がいるなんて、なんだか素敵ですよね!

運命の女神モイラも思い出してあげてね!

ということで今回は、

ギリシャ神話に登場する

運命の女神・モイラ

について簡単にご紹介しました!

誰しも一度は、自分の運命ってどう決められているのかな?ってふと考えてみたことがあると思います。

ギリシャ神話では、こんな女神たちが私たちの運命を決めていると考えたわけですが、

たとえ運命や寿命が決まっているとしても、その中でより良く生きよう、って発想もあったんじゃないかな、と思います。

私たちも、これからの運命をできる限り良いものにしていきたいですね!

そんなふうにもし思ったら、ぜひこのギリシャ神話の運命の女神たちを思い出してあげてくださいね!

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