ギリシャ神話には数多くの美貌の女神たちが登場しますが、
その中でも「美と愛の女神」として名高い
アフロディテ
をご紹介します!
美と愛の女神というからには、とてつもない美女!
ということはすぐに想像つくかと思いますが、
でも、アフロディテは美貌だけの女神じゃ、ないんですよ!
そんな女神の魅力を簡単にご紹介しますので、ぜひ読んでいってくださいね!
アフロディテってどんな女神?
ということで、ギリシャ神話の「美と愛の女神」
アフロディテ
について、ご紹介していきたいと思います!
ギリシャ神話に登場する女神たちは数多いけれど
「美の女神」
「愛の女神」
として、真っ先に名前が挙がるのが、もちろんこの
アフロディテ
ギリシャ語では Ἀφροδίτη
日本語表記では、この
「アフロディテ」
「アプロディテ」
あるいは長母音を入れて
「アフロディーテー」「アプロディーテー」
と呼ばれることもありますが、表記が統一されていないだけで、ちょっとまぎらわしいですけど同じ女神のことですよ。
日本では一番おなじみの読み方が「アフロディテ」だと思うので、ここでは「アフロディテ」と書きますね!
この女神をざっと簡単に紹介すると、
とにかく、とんでもなく美しい女神だったことは確か!!
でも、ギリシャの女神たちって、基本的にはみんなとても美しい女神なんですけど、
このアフロディテの場合は、どっちかというと、男心を狂わす美しさ、
そう・・・
エロチックで、男の本能を呼び覚ますタイプ?!
だから芸能界でも美女は数多いけれど、壇蜜さんとか、橋本マナミさんみたいな、色っぽくってエロい美女、ってイメージですかね。
だから、この女神が
「愛の女神」
って言う場合、それはもちろん「プラトニック・ラブ」みたいなもんじゃなくて、
本能的な、エロティックな方の「愛」ですね!
女神アフロディテの誕生
さてそんな、エロ美しい
アフロディテ
この女神の誕生神話は、そのエロ美しさからは想像がつかないほど、
グロい・・・
いや、一風変わったものでした!!
それは、ギリシャ神話の世界が誕生して、
ウラノス(天)神が世界を支配していた時のこと。
息子のクロノス神が、母ガイア(大地)に命じられて、ウラノス討伐に乗り出します!
クロノス神は、待ち伏せして、ウラノス神が油断したところを狙って、
その大事なところ(男性の象徴!)を、バッサリと、鎌で切り取ってしまいました!
そうして、切り取ったウラノス神の大事なとこを、海に放り投げてしまったんだそうです。
そのウラノスの大事な男の象徴は、海をプ〜カプ〜カと漂い・・・
やがてその周りに泡が立ってきました。
その泡から生まれたのが、女神アフロディテ!!
ギリシャ語で「泡」は「アプロス」と言い、女神「アプロディテ」というのは、
「泡から生まれた女神」
って言う意味なんですよ!!
え? エロ美しい女神の誕生神話としては、あまりに気持ち悪い?
そーですよねー、分かります、ガッカリする気持ち、分かります。
例えば、かの有名な名画
『ヴィーナスの誕生』
で描かれているヴィーナス(アプロディテ)
美しいですよね〜
でもこの絵って、女神が、その、海を浮かぶ男性の大事なとこから生まれた場面を描いてる、ってことになるんですよね〜
その光景を想像すると、ちょっとショック? とほほ。
*ウラノス神が息子のクロノスに倒されて、アフロディテが誕生するまでについて詳しくは、こちらの記事も合わせてご覧ください!
女神アフロディテの起源
さて、そのエロ美しい容姿に似合わず(?)
ちょっとグロめの誕生神話を持つ
アフロディテ
実はこの女神は、もともとはギリシャ起源じゃないんじゃないか、とも言われています。
もともとはオリエントの女神である
アシュタルテ女神
イシュタル女神
そういった女神たちが、ギリシア神話に取り入れられたのがアプロディテなんじゃないか、と言う説なんですね。
なぜかと言うと、アフロディテは、この女神たちと多くの共通点があります。
・豊穣の女神であること
・性的に奔放であること
・金星の女神であること
・戦いの女神でもあること
・聖獣が鳩であること
などなど・・・
こう言う共通点から、もともとはオリエントの女神だったのが、ギリシャ神話に取り入れられたのが、この女神アフロディテじゃないか、と言う説ですね!
でも、ギリシャ神話の神々の起源なんて、みんなはっきりとは分からないんですから、これも一つの説ですけどね!
女神アフロディテの愛の神話
さて、そんなふうに、その出自もミステリアスな
アフロディテ
ただ、この女神の特徴ははっきりしていて、
分かりやすく言えば
セクシー&エロチック!
え? そういうの、嫌いじゃない?
ま、そんなわけで、この女神には、恋愛神話が数多く伝わっているんですよ〜
軍神アレスと浮気!
女神アフロディテは、自由奔放なセクシー小悪魔!
というと分かりやすいかと思います。
なぜかというと、浮気の神話が堂々と伝わっている女神も珍しい?!
彼女は、鍛治の神ヘパイストスという夫がありながら、
軍神アレスと浮気した!!
っていうエピソードが有名なのです。
女神は、イケメンの軍神アレスとこっそり浮気していて
旦那さんのヘパイストスが留守の時を狙ってアレスを自宅に引き入れていたんですが、
(アレ? そんなゴシップで有名になった芸能人がいたな・・・?)
それに気が付いた夫のヘパイストスは、
鍛治の神としての腕前を生かして
目に見えない、細か〜い網を作り上げて、それを自宅のベッドの周りに張り巡らせておいたそうです。
そして、外出したふりをして家の中に隠れていたら、
旦那が留守になったと思った女神アフロディテは、
さっそく浮気相手のアレス神とベッドイン!!
・・・そうしたら、あっという間にヘパイストスの仕掛けた目に見えない網に絡め取られて、
二人で裸のまんま動けなくなってしまったんだそうな!
そこで姿を現したヘパイストスは、その現場に神々を呼んできて、二人の醜態を晒し者にしてしまったと!
ひえ〜、浮気された夫の復讐は恐ろしいな・・・
*アレス神との浮気のエピソードについて詳しくは、こちらの記事も合わせてどうぞ!
美青年アンキセスとの恋
さて、そんなアフロディテ女神ですが、
浮気じゃなくて、わりかし純愛な恋愛神話も残っていますよ!
それが、
トロイアの美青年アンキセスとの恋!
アフロディテの愛の力はどっちかというと、本能的なセクシー&エロティック!
その力を使って、最高神ゼウスも愛に狂わせてしまったため、ゼウスは浮気を繰り返してトラブル続き。
で、ゼウスがその仕返しとして、アフロディテが人間の男に恋するように仕向けたと言うことです。
その恋の相手、美青年アンキセスは、神のように美しい青年で、アフロディテは一目見て激しい恋に落ちてしまったと言う事です。
恋の虜となったアフロディテは、キプロス島のパポスにある自分の神殿で、いそいそと身支度をして、アンキセスの元へと向かいました。
ここらへん、女神もフツーの女の子みたいで、なんだか可愛いですよね!
そして、アンキセスが一人で牛小屋にいるところを見つけると、
女神じゃなくて人間の娘のフリをして、アンキセスの前に姿を現しました。
その女神のあまりの美しさに、アンキセスは大変驚いたと言うことです。
そりゃ〜、そんな美女がいきなり牛小屋に現れたら、誰でも怪しみますよね!
アンキセスも、これは人間ではなくて女神かニンフだろう、と思って、丁重に挨拶をしたそうです。
でも、恋に夢中のアプロディテは、
自分は人間の娘であり、ヘルメス神が自分を連れ去って、アンキセスの妻になるように連れて来られた、
と話して、自分を奥さんにするように迫ります。
まあ、「押し掛け女房」なんですが、
そんな美女がいきなり「奥さんにして」ってやって来るって、そんな上手い話があるだろうか・・・??
と、当然アンキセスも怪しんだんですが、
美女に迫られたアンキセスは、結局女神に押し切られて、そのままベッドイン!!
・・・で、ハッピーエンド! ・・・とはいかず・・・
アンキセスが眠っていると、女神はその間に本来の姿に戻り、アンキセスを起こしたそうです。
女神は、二人の間にやがてアイネイアスという名前の子供が、生まれてくることを告げます。
でも、女神は不死なのに、人間のアイネイアイスはやがて年をとって老いていきます。
そんな二人は一緒にいることはできないので、女神は一人で神々の世界に帰る、
でも、5年後にもう一度、子供を連れて戻ってくる、
そして、その子供アイネイアスを、アンキセスは跡継ぎとしてトロイアに連れて行くだろう、
と告げて立ち去ってしまったと言うことです。
え?
これが恋物語の終わり?!
と、フツーの人間同士の恋愛のハッピーエンドを想像すると拍子抜けですが、
まあアンキセスは、女神の血を引く息子アイネイアスを授かったのでね〜・・・
ちなみに、この子供の
アイネイアス
彼は後に、
トロイア戦争ではトロイアの英雄としてギリシア勢と戦い、
トロイアが落城した時には、すでに老人となった父親のアンキセスを抱えて落ち延びた!
と言う英雄伝説が残っています。
そして、この話がローマに伝わると・・・
アイネイアスはローマまで逃げ延び、ローマ建国の祖となった!
という壮大な話に変貌を遂げていきます。
そして、
ローマ建国者のロムルスとレムスはアイネイアスの子孫だ!
という話になったんですね!
神話って、こうやってどんどん話がつながっていって、壮大になっていくから、面白いですよね!
ということで、女神アフロディテの恋の神話は、
なんとローマ建国の神話にまでつながっていったのでした!!
美少年アドニスとの恋
さて、
恋多き女神アフロディテ
彼女はまた、
美少年アドニス
を愛したことでも有名です!
美少年アドニスとは、シリア王テイアスと娘のミュラとの間にできた子。
このアドニスは大変に美しく、女神アフロディテはこの美しい赤ん坊を愛してしまって手放したくなくなってしまったそうです。
そこで、地下の女王ペルセポネにアドニスを託して預かってもらっていたのですが、
女神ペルセポネもこの美しいアドニスに夢中になってしまって、争いになってしまいました。
美少年を取り合って、二人の女神の争い・・・醜いですね!!
そこで、ゼウスが二人の間に入って、
一年の三分の一ずつをアプロディテとペルセポネの元で、
残りの三分の一をアドニスの自由で好きなところで暮らしていい
というふうに定めました。
この話、ちょっと女神ペルセポネの神話と似ているので、二人の神話の関連もあるのでは、と言われていますよ。
*女神ペルセポネの神話について詳しくは、こちらの記事も合わせてどうぞ!
さて、その後アドニスはどうなったかというと、
のちに、アルテミスの怒りを買ってしまって、
狩りに出かけた時に猪の牙に突かれて死んでしまった、
と言われています。
その時にアドニスから流れた血から、花のアネモネが生まれたということです。
そして、その死を嘆き悲しんだアフロディテが流した涙からは、バラが生まれたとも言います。
なんだか悲しい、でも美しい神話ですね!
*アドニスについて詳しくは、こちらの記事も合わせてどうぞ!
ローマに渡ったアフロディテ
さて、このギリシャ神話のセクシー&エロティック!な
アフロディテ
この女神も、他のギリシャ神話の神々と同じく、
のちにローマに受け入れられ、ローマ神話の神々と同一視されるようになります。
ローマで女神アフロディテの神話を受け継いだのは、
ウエヌス女神
この女神の名前「ウエヌス(Venus)」の意味は「魅力」。
そう、この「ウエヌス(Venus)」が、英語読みで
「ヴィーナス」
となるのですが、この名前の方が今の日本ではおなじみかもしれません!?
このウエヌス女神、もともとはローマの菜園の女神だった、ということなんですが、その起源については諸説あって、はっきりしません。
でも、ギリシャ神話を受け入れて、
ローマのウエヌス女神も、アフロディテみたいに、セクシャルでエロティックな性質と結びつけて考えられるようになったようですよ!
*この「ウエヌス(Venus)」とアフロディテについて詳しくは、こちらの記事もどうぞ!
アフロディテ女神のエロも大事なのよね?!
ということで、ギリシャ神話界きっての美女
美と愛の女神アフロディテ
について、簡単にご紹介しました!
この女神の特徴は、美しいのはもちろんですが、
ズバリ、
セクシー&エロティック!
ということなのですが、確かにそういうエロが無いと、人類も子孫を残すことができなくて滅んでいきます。
ですから、今の草食化&人口減の時代こそ、アフロディテ女神の出番かも?!
やっぱり、エロも大事よね〜
と人類に教えてくれる?
そんな女神様なのでした!