文化・芸術で突出した才能を見せるギリシャらしいニュース。
2017年のアメリカ・アカデミー賞のノミネートが発表されましたが、
ギリシャから3名もの映画人たちがノミネートされました!
この中から見事オスカーを勝ち取る人が出てくるのでしょうか?!
来月の授賞式が楽しみです!
ギリシャから三人の映画人がアカデミー賞ノミネート!
いや、すごいですね!
いつも思うのですが、さすが古代から文化・芸術で世界をリードしてきたギリシャ。
現在のギリシャは人口1000万ちょっとの小さな国ですが、
その中から世界に名を轟かせる文化人がコンスタントに出てくるのは、
本当に文化・芸術の女神ムウサイに守られているんじゃないか? というくらい驚異的です。
映画界でも、これを知らない人はモグリ!と言われそうなビッグ・ネームがギリシャ本土・ギリシャ系問わず出てきています。
エリア・カザン
ジョン・カサベデス
テオ・アンゲロプロス
そして最近ではアレクサンダー・ペインがアカデミー賞を席巻しています。
それに続いて今回は、
ヨルゴス・ランティモス監督が 『ロブスター』で脚本賞
ダフニ・マツィアラキ監督が 『4.1 Miles(原題)』で短編ドキュメンタリー賞
そして
コスチューム・デザイナーのメアリー・ゾフレスさんが 『ラ・ラ・ランド』で衣装デザイン賞
と、一挙三人がそれぞれノミネートされています!
これは一気にオスカー大量獲得も夢じゃない!
ヨルゴス・ランティモス監督がノミネートされるのは二回目ですし、そろそろ受賞もあるんじゃないかと。
そして、今年のアカデミー賞で最多ノミネートとなった『ラ・ラ・ランド』の衣装デザインですから、メアリー・ゾフレスさんが取ることも十分可能性が高いと見ています!!
ヨルゴス・ランティモス監督『ロブスター』脚本賞ノミネート
今回アカデミー賞脚本賞でノミネートされた
ヨルゴス・ランティモス(Γιώργος Λάνθιμος)監督は、
1973年ギリシャのアテネ出身の新進映画監督。
まだ長編映画は5本しか撮ったことはありませんが、
第3作の
『籠の中の乙女』(Κυνόδοντας)
でいきなり、
第62回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門でグランプリを受賞!
第83回米アカデミー賞で、外国映画賞にノミネート!!
と、世界が注目する才能なのです!
そして第5作目に当たる
『ロブスター』
これは、初の全編英語作品で、
第68回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞!
そして今回、見事
第89回アカデミー賞で脚本賞ノミネート!!
という、まあ、とにかく、天才ですね!
その圧倒的才能は、世界が認めてるものですが、今回見事オスカーも制することができるか?!
今回は最多ノミネートとなった『ラ・ラ・ランド』が対抗馬となってきますから、厳しい戦いとは思いますが、
すでにカンヌで賞をとってる作品ですからね! アカデミー賞も手ぶらで帰すことはしないんじゃないでしょうか?
賞の発表が楽しみです!
*『ロブスター』については、こちらの記事もあわせてご参照ください!
ダフニ・マツィアラキ監督『4.1 Miles』短編ドキュメンタリー賞ノミネート
そして、今回のアカデミー賞では、
ドキュメンタリー部門でもギリシャの映画人が高い評価を受けてノミネートされました。
ダフニ・マツィアラキ監督の『4.1 Miles』が短編ドキュメンタリー賞にノミネート!
この作品は、レスボス島に大挙して押し寄せてきた難民船を救助する
ギリシャの沿岸警備隊についてのドキュメンタリーです。
レスボス島は対岸のトルコ領からわずか4.1マイル。
しかし、その4.1マイルは難民にとってまさに命がけの逃避行であり、多くの命が犠牲になりました。
映画の冒頭からその救助シーンが見られますが、その緊迫感に思わず涙ぐんでしまいました・・・
海に投げ出され、命を落とす人たちもいます。
シリア情勢が緊迫化していく中で、多いときには1日に五千人もの難民が、
小さなボートにひしめき合って、続々とギリシャの小さな島々に押し寄せました。
難民たちにとっても決死の旅ですが、救助するギリシャ側にとっても、人数も設備も全て足りない中で、いかに犠牲者を少なくするか、まさに戦いだったのです。
シリア・イラクが空爆の嵐にさらされ、行き場をなくした市民たちが最後の望みとして選んだのがギリシャへの小さなボートで、
その小さなボートたちを救うべく奮闘したギリシャの市民たちの存在を忘れてはいけないと思うんです。
その市民たちの志に、ノーベル平和賞を!という動きもありましたが、残念ながら受賞は逃してしまいました。
せめて、その活動を記したこの映画は、もっと多くの人たちに見てもらう価値があると思いますし、
アカデミー賞の受賞はその大きな後押しになると思いますので、ぜひ、この映画にアカデミー賞受賞の栄誉がありますように!
ダフニ・マツィアラキ監督は、もともとはジャーナリストとして、アフリカやヨーロッパの人権問題に取り組んでいたそうで、
現在はサン・フランシスコを拠点にドキュメンタリー映画を作成しています。
この『4.1 Miles』はカリフォルニア大学バークレー校ジャーナリズム大学院学生時代に作成し、
すでに学生アカデミー賞を受賞して話題となった作品です。
学生アカデミー賞受賞に続いて、アカデミー賞本戦にもノミネートとは、見事な快挙ですね!
ぜひ、『4.1 Miles』にオスカーを!!
メアリー・ゾフレスさん『ラ・ラ・ランド』で衣装デザイン賞にノミネート!
そして最後に、今回のアカデミー賞で最多ノミネートとなった
『ラ・ラ・ランド』で衣装デザインを担当した
コスチューム・デザイナーのメアリー・ゾフレスさんが、衣装デザイン賞にノミネート!!
メアリー・ゾフレス(Mary Zophres)さんは、アメリカのフロリダ生まれのギリシャ系アメリカ人です。
映画の衣装デザイナーとして、すでに長い間数々の作品に関わっていて、
『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』
2002年の英国アカデミー賞ノミネート
『トゥルー・グリット』
で、2010年の米アカデミー衣裳デザイン賞ノミネート
という、実力者!!
今回の『ラ・ラ・ランド』で、ついにオスカーの栄誉を勝ち取ることができるか注目です!
この映画では色とりどりのカラフルな衣装を用意して、華やかな色合いの画面を見せてくれていますよ!
そして個人的には、『ラ・ラ・ランド』なら絶対取れるんじゃないか?と思っています。
『ラ・ラ・ランド』は、今回のアカデミー賞大本命と言われる作品!!
日本公開はまだだけど、絶対見たいなあ。
あのデイミアン・チャゼル監督の最新作というのも、大注目!!
「あの」デイミアン・チャゼル監督、というのは、
若干28歳で初の長編映画
『セッション』
を撮って、映画界を震撼させた天才!!
この映画、ものすご〜〜〜く面白かった!私にとってはこの時作品賞やってもよかったくらい!私に決定権があればね!
こんな、才能の塊のような監督が撮った『ラ・ラ・ランド』が、面白くないはずがない!!
今回のアカデミー賞は、『ラ・ラ・ランド』で決まりでしょう!
だからきっと、衣装デザインも、メアリー・ゾフレスさんが取ると思うな!
というか、取ってほしいです!!
今年のアカデミー賞はギリシャ勢が席巻する?!
というわけで、今年のアカデミー賞は
ギリシャの映画人がなんと三人もノミネート!!
これはギリシャ勢がオスカーを一挙獲得していく可能性も高いのでは?!
というニュースでした!
しかし、一気に三人ノミネートって、やっぱりすごい・・・
日本人、日系を含めて、一気に三人ノミネートされる日なんて、来るとはとても思えないですからね・・・
日本人なんて、ギリシャの10倍くらい人口いるのに(笑)
ギリシャってやっぱり文化・芸術では圧倒的に強いですよね。
古代からの歴史の積み重ねが違うから?
そんな底力を感じさせる今年のアカデミー賞、授賞式が待ち遠しいですね!!
追記:2017年のアカデミー賞の結果は?
ということで期待も高かった2017年のアカデミー賞。
果たして受賞結果は?
気になった方はこちらの記事もあわせてご覧くださいね!