世界を震撼させた、ギリシャの山火事のニュース。
大勢の死傷者を出し、郊外のリゾート地が甚大な被害を受けました。
なんとその中に、
ギリシャが産んだ世界的映画監督
テオ・アンゲロプロス監督の別邸も含まれていた
という報道が出ています。
貴重な文化的遺産も保管されていたそうで、大変悔やまれる事態になりました・・・
アンゲロプロス監督の別邸も被害に
もうすでにニュース番組などで多くの方々がご存知だと思いますが、
ギリシャのアテネ近郊で発生した山火事は、
これまで経験したことのない規模での被害をもたらしました。
ギリシャで山火事、懸命の消火活動続く【#写真】 https://t.co/KNfnqRo4BQ pic.twitter.com/kggUJK6KDY
— ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 (@WSJJapan) 2018年7月25日
この山火事、
怖いことにまだ「鎮火」のニュースが入っていないんですよね・・・
昨年のカリフォルニアの山火事もかなりの間燃え続けましたので、
まだまだ被害を拡大しそうで恐ろしい限りです。
現在この山火事で亡くなられた方々は100人近くにのぼるそうです・・・
ギリシャ:山火事の死者91人に https://t.co/DxpagbKbNu
— 毎日新聞ニュース速報 (@mainichijpnews) 2018年7月30日
この恐ろしい山火事、主に被害を受けたのは、
アテネ郊外のリゾート地マティ。
ここに、ギリシャが産んだ世界的映画監督
テオ・アンゲロプロス監督
が、生前に別荘を保有していて、ご家族と夏休みを過ごしていたそうなんです。
監督の書籍や、詩・手紙など、貴重な資料を保管していたそうなんですが、
なんと今回の山火事で、この別荘も焼失してしまったそうです。
とても残念・・・
ギリシャの大火事でテオ・アンゲロプロス監督の別荘が全焼
火災の被害にあったのは、生前のアンゲロプロス監督が夏休みを家族と過ごした、アテネ近郊の避暑地マティの別荘。報道によると、フィービー夫人が「夫が遺した本や手紙、夫に捧げられた書籍、書き残した文章や詩」という、私的な資料が全て焼失したとギリシャのテレビ取材で涙ながらに報告し、「火災を知らせる警報が何もなかった」と訴えたという。
2018年8月1日 13:00 https://eiga.com/news/20180801/11/
ギリシャの大火事でテオ・アンゲロプロス監督の別荘が全焼 #映画 #eiga https://t.co/rAAXbctk0G
— 北上イレーネ (@KitakamiIrene) 2018年8月2日
世界的映画監督であったアンゲロプロス監督の私的な資料って、
貴重な文化遺産でもあるので、こんな形で失われてしまったのが悔やまれてなりませんね・・・
今後、ギリシャ政府もこういった著名な文化人の遺産の保護に本腰を入れてほしいなあと思うのですが、
何と言っても、ギリシャはお金がないからなあ・・・
世界的な支援ももらって、なんとかできないんでしょうか・・・
世界的映画監督テオ・アンゲロプロスの軌跡
では、ここで、
ひょっとしてもしかして
「テオ・アンゲロプロス監督ってどんな人?」
と思っている方のために、彼がどれほど偉大な映画監督かを
ざ〜っとご紹介しましょう!
テオ・アンゲロプロス
英語表記: Theo Angelopoulos
ギリシャ語表記: Θεόδωρος Αγγελόπουλος
1935年4月27日 - 2012年1月24日
出身:ギリシャ アテネ市
アテネ大学 (ギリシャNo1エリート校!) 卒業
兵役後
ソルボンヌ大学に留学
その後
フランスで 高等映画学院 に転学。映画を学ぶ。
ギリシャに帰国。映画批評家・ジャーナリストとして活動。
1968年 短編ドキュメンタリー映画『放送』 制作
1970年 初長編作品 『再現』
1972年 『1936年の日々』 (ギリシャ現代史3部作)
1975年 『旅芸人の記録』 (ギリシャ現代史3部作)
1977年 『狩人』 (ギリシャ現代史3部作)
1980年 『アレクサンダー大王』 *ベネチア国際映画祭金獅子賞
1984年 『シテール島への船出』
1986年 『蜂の旅人』
1988年 『霧の中の風景』 *ベネチア国際映画祭銀獅子賞
1991年 『こうのとり、たちずさんで』
1995年 『キング・オブ・フィルム/巨匠たちの60秒』 (オムニバスの一編)
1995年 『ユリシーズの瞳』 *カンヌ国際映画祭審査員特別賞
1998年 『永遠と一日』 *カンヌ国際映画祭パルム・ドール
2004年 『エレニの旅』 (20世紀三部作)
2007年 『それぞれのシネマ 〜カンヌ国際映画祭60回記念製作映画〜/3分間』 (オムニバスの一編)
2009年 『エレニの帰郷』 (20世紀三部作)
2012年 『THE OTHER SEA(もう一つの海)』 (20世紀三部作)
撮影中 アテネ郊外オートバイ事故にて死去。享年76歳。
作品の特徴: 多くの俳優陣を配する「長回し」(ロング・テーク)
ギリシャ内戦から第2次世界大戦の戦乱の最中に少年時代を過ごし、その記憶が作品に大きな影響を及ぼしているという。
という、
すごい経歴の持ち主!!
これほど世界的に高い評価を得ている映画監督というのは、現代世界を見回しても数えるほどしかいません!
作品は非常に内省的で、ギリシャの現代史に疎いと分かりにくかったり、
彼の作品の特徴である、延々と続く「長回し」もあって、観る人を選ぶ監督でもあるのですが、
そこを乗り越えて観ると、映画の中に現れる人々の悲しみ、苦しみ、愛情、喜びを追体験していくことで、
見終わってもしばし茫然自失して、涙が止まらないほど溢れてしまったり、
その後何日も何日もその映画のことについて考えてしまう、という
強烈な映画体験をもたらしてくれるのが、このテオ・アンゲロプロス監督の作品の特徴と言えます!
そういう力を持った作品を、数多く世界に送り出してきた監督
その才能は、世界でも多くの映画ファンに支持されていて、
不幸にも事故で突然にこの世を去ったときには、世界からその突然の死を悼まれました。
最後の作品が事故による逝去で未完に終わってしまったのも、映画界の損失と言えるでしょう。
現在残されているその創作活動の記録は、まさに人類の文化遺産!!
本来なら、
「テオ・アンゲロプロス監督記念館」
とかをギリシャ政府が作って、資料なども厳重に管理するのが一番なんですけどね〜
ギリシャ政府お金ないからなあ・・・
資料の焼失のニュースは本当に残念!
今後はこのようなことが無いように、次世代にその創作活動を語り継いでいくことができるといいですね!
テオ・アンゲロプロス監督作品を見よう!
そんなギリシャが産んだ巨匠
テオ・アンゲロプロス監督
彼が生み出した数々の名作映画、ぜひ多くの方達に見ていただきたいです。
が!しかし!
現在これほど隆盛を誇っている動画配信サービス Amazon Prime Video なのに〜
配信している作品が一個だけ!てどういうことなの?!
まあ、お手軽に見ていただけるのはいいのですが、しかも三部作の2部しか出てないって、ちょっとどうなの??
とツッコミどころはいっぱいですが、
よかったらどうぞ見てください!
『エレニの帰郷』
やっぱり、ハリウッドで大ヒットするような映画じゃ無いので、動画配信はあんまり期待できないみたい。
というわけで、やっぱりそこは、昔ながらの DVD&ブルーレイ!
名作揃いのため、見ていただきたいオススメを選ぶのはとっても難しいのですが、
やっぱりまずは、
『旅芸人の記録』
そして、
『アレクサンダー大王』
さらには・・・
『霧の中の風景』
『ユリシーズの瞳』
『永遠と一日』
一応これらを押さえておけば、一通りアンゲロプロス監督の世界観は分かるかな。
でも、これ以外にも名作が多いので、
やっぱり、全部知りたいなら、これしかない?!
全集BOXセット!
お財布に余裕のある大人なあなたは、ぜひどうぞ!!
山火事の一刻も早い鎮火・復興を!
というわけで、
未曾有の被害をもたらした
ギリシャのアテネ郊外を襲った山火事
世界的映画監督
テオ・アンゲロプロス監督の別邸までも燃やし尽くしてしまった
というニュースでした。
世界的に評価の高い監督の資料も萌えてしまったとのことで、残念でなりません。
一刻も早く鎮火し、再び人々が安心して暮らせるような復興が進みますよう、祈ってやみません。