どうも!イレーネです!
盛り上がっていますね、現在ロシアで行われている
サッカーのW杯!!
番狂わせが多い今大会
メッシを擁する強豪アルゼンチンに引き分けた初出場国
アイスランド
その躍進に大注目ですが、
名前が「〜ソン」ばっかりなのが気になりませんか?
実はこの名前の付け方、古代ギリシャからのヨーロッパの伝統的な呼び方に由来するんですよ〜!
「〜ソン」は「〜の息子」の意味!!
今回のサッカーW杯を湧かせている
北欧の小さな国
アイスランド!
人口35万人という、東京都新宿区くらいの人口しかいない、小さな国が、
強豪並み居るヨーロッパ予選リーグを勝ち抜いて、初出場を果たしました!
それだけでもすごいのに、サッカー大国・前回準優勝の
アルゼンチンに引き分け!!
という偉業を成し遂げましたよ!!
大会最大の番狂わせの一つとなり、世界中にアイスランドの名を轟かせました!!
こうして日本でも一気に大注目となった、アイスランド代表チーム
でも、チームの名前を見ると、「〜ソン」ばっかり!!
ややこしい!!
と、こちらも話題に!
実は、これには理由があって、
アイスランドは現代の名字制度とは異なる、
古来ヨーロッパの「父称」という制度
を今も受け継いでいるからなんです。
「〜家」単位で同じ名字を名乗るのではなくて、
「〜の息子」というふうに、「〜の」の部分にお父さんの名前を入れているのです。
つまり、「ヨハンの息子」は「ヨハンソン」
ですので、
男性の場合「〜の息子」で「〜ソン」
女性の場合「〜の娘」で「〜ドッティル」
で、みんな同じになります。
そういう意味では、
アイスランドの人たちは、「名字」は無い
ということになるんですね! 面白いですね!
*この詳しい話は、こちらのサイト(「wikipedia アイスランドの名前」)をご参照ください!
ギリシャ神話でも「〜の息子」だらけ!
実はこういうふうに、
名乗るときにお父さんの名前をつける「父称」は、
ギリシャ神話の時代から受け継がれているものです!
古代ギリシャでも、現代の人が考えるような「名字」は無かったんです。
古代ギリシャ神話で活躍する
英雄アキレウス
彼のお父さんはペレウスですので、
「ペレウスの子アキレウス」
対立するアガメムノン王は
お父さんがアトレウスだから
「アトレウスの子アガメムノン」
となります。
ときには、「ペレウスの子」「アトレウスの子」というふうに、
本人の名前を抜かして、お父さんの名前だけで呼びかけたりするので、
お父さんの名前も一緒に覚えておかないと、誰が誰だかわからなくなる!!
という、とってもめんどくさいものでもあります!
こういう古来の呼び方は、ヨーロッパ各地で残っていて、
英語の名字でも、例えば「ジョンソン」さんというのは、「ジョンの息子」という「父称」の名残なんですね。
そういう意味では、この「父称」の方が古くて、現在広く使われている「名字」制度は歴史が新しいんですが、
今でも「父称」を使っているアイスランドのような国の方が、今では珍しくなりました。
でも、アイスランドには、この伝統を固有の文化として守っていってほしいですね!
*古代ギリシャの「〜の子」という言い方は、こちらの作品でも見ることができますよ!
ホメロス『イリアス』
アイスランドの有名人のお名前
そういうわけで、
現在も、アイスランドの人たちはいわゆる「名字」を持ちません!
ですので、アイスランドの有名人の方も、いわゆる「名字」は無いんですよね
一番有名なのは、
アイスランドが生んだ天才ミュージシャン
ビョーク!!
この「ビョーク」という名前は、芸名じゃなくて、
本当に彼女の名前は「ビョーク」
名字はありません。
「父称」をつけるなら「グズムンドゥルの娘ビョーク」になります。
面白いですね!!
先日、惜しまれながら早逝してしまったアイスランドの天才作曲家
ヨハン・ヨハンソン
彼の場合も、本当は名前は「ヨハン」だけ。
「父称」をつけて「ヨハンの息子ヨハン」です。
私たちの感覚からすると、「名字がヨハンソンなのに名前もヨハンなんて紛らわしい!」と思うかもしれませんが、
単にお父さんの名前が同じ「ヨハン」なだけで、名字ではありません。
彼も素晴らしい音楽家でしたが、アイスランドは著名な音楽家を多く生み出す音楽大国でもあるんですよね!
小さい国が秘める大きなパワー!
*映画『メッセージ』の音楽も担当していて、素晴らしい出来でした!!
「〜の息子」たちの戦いを見届けよう!
という訳で本日は、
現在ロシアで行われているサッカーのW杯で
躍進めざましい
アイスランド
その選手たちの名前が
「〜ソン」ばっかり
な理由をご紹介しました!
それにしても、出場選手がみんな「〜の息子」だなんて、まるでギリシャ神話みたい?!
今後もアイスランド代表選手たちの健闘を見届けたいと思います!!