やー!イレーネです。
日本では意外と知られていませんが、
ギリシャ神話の登場人物の名前って、意外と現在にもそのまま受け継がれているんですよ!
例えばたまに聞くと思うんですけど、
「ヘクター」
という名前、
実はギリシャ神話の英雄ヘクトールの名前に由来するんですよ!
というわけで本日は、英雄ヘクトールとヘクターのお話です!
英雄ヘクトールと現代の名前「ヘクター」
そうなんですよね〜、日本では
一体どういう名前がギリシャ神話起源の名前なのか?
って、あまり一般的には知られていないですよね!
私たち日本人だと文化的背景が違うので、知らないのも仕方がない。
しかしもちろん海外のいわゆる西洋、つまりヨーロッパ系の人たちだと、よく分かっているわけです。
ですので、
ディズニー/ピクサーの映画
『リメンバー・ミー』
この映画のメイン・キャラクターの名前が
「ヘクター」
なのですが、これはぜひ日本のみなさんに「ギリシャ神話に由来する名前なんだ」と知っておいて欲しいなあと思いました!
映画の中で、主人公ミゲルが迷い込んでしまった「死者の国」で出会う人物が「ヘクター」です!
*映画『リメンバー・ミー』予告編
というわけで、このガイコツのキャラクターの名前は
「ヘクター」
というのですが、ラテン系の人たちの間では今でも一般的な名前です!
そして実はこの名前は、
ギリシャ神話に登場する英雄ヘクトールに由来します!
アルファベット表記すると、よく分かりますよ〜
「ヘクター」って「Hector」と書きますが、
そのまま読むと「ヘクトール」って書いてあるでしょ?
だから、この名前がギリシャ神話の英雄ヘクトールの名前だ、ってことは一目瞭然なのですが、
残念ながら日本人だと、ほとんどの人が知らないという・・・
でも、こういう文化的背景がわかると、
「ほお〜、このキャラクターは、ギリシャ神話の、あの・・・」
って分かってくるので、映画を見たりするとキャラクターの名前からいろんなことを想像できて、面白いんですよ!
*映画『リメンバー・ミー』は、テーマもギリシャ神話によく出てくる「冥界下り」なので、面白いですよ!
ギリシャ神話の英雄ヘクトールとは?
ではここで、
「ヘクター」
の名前のもととなった、
ギリシャ神話の英雄ヘクトールって一体どういう人だったの?
と疑問に思った方も多いと思いますので、この英雄の神話について、ご紹介します!
ヘクトールは、トロイアの王子で、トロイア王プリアモスの第1子。やがてはトロイア国を継ぐ立場でした。
しかし、ヘクトールの運命を変えたのは、
弟の王子パリス!
実はこのパリスは、ギリシャのスパルタの王メネラオスの妃で、
絶世の美女ヘレネー
を、トロイア国に連れてきてしまったのです!!
その理由としては、女神アプロディテの美しさを認めてあげたご褒美に世界一の美女を与えられた、ということですが、
美しい妻を奪われたメネラオス王は、メンツを潰されて激怒!
兄にあたるアルゴスのアガメムノン王と共に、大軍勢を率いて、妻を連れ戻そうとトロイア国に攻めてきます!!
これが、ギリシャ神話の有名な、10年に及ぶ大戦争
「トロイア戦争」
なのです!
*この地図の赤い印部分が、現在も残るトロイアの遺跡。ギリシャ勢はエーゲ海を渡って、対岸のトロイアに攻め込みました!
この「トロイア戦争」で、ギリシャ勢を迎え撃ったトロイア軍を率いたのが、
トロイア国の後継者で、トロイアで一番の勇者とうたわれた、王子ヘクトール!
ヘクトールは、黒髪で、美しい勇者だったと伝わっていますよ!
人格的にも、トロイア国民に慕われていて、
とにかく腕の立つ武将だったので戦場では一番の働きをし、
妻アンドロマケーと子供たちを愛し、
両親にも孝養を尽くし、
弟パリスのために国が攻めてられていても、決して弟を見捨てることはしませんでした!
愛する弟パリスを時には叱り、時には励まし、自分は常に第一線で戦う・・・
どうです、容姿・人格・武勇と全てに優れた
完全無欠の英雄
でしょ?
英雄ヘクトールは、こういう、ものすごくカッコいい武将だったんです!
これに対して、トロイアを攻めてきたギリシャ軍は、
英雄アキレウスが最強の英雄!
でもね〜
このアキレウスって、わがままだし、短気だし、残虐だし、
多分、現代のディズニー映画だと、絶対主人公になれないタイプ!
でも、そんな欠点だらけのアキレウスだけど、親友のパトロクロスだけは、すごく大事にしていて、
そのパトロクロスを戦場で倒してしまった王子ヘクトールを、
不倶戴天の敵!!
と思って、血眼になってヘクトールを倒しにくるんですよ!!
ん〜? ディズニー映画なら、絶対主人公がヘクトールの物語になりそうな・・・
でも、そうならないのが、ギリシャ神話の面白いところ!
最強の英雄は、何と言っても、そんな欠点だらけのアキレウスなんです!
なんでかな〜?
なんでアキレウスは、こんなにも欠点だらけの設定になってるのか?
それはきっと、人間って、欠点が多いけど、一個だけいいところがある、みたいな人間の方に惹かれるからかな?
しかし、こういうわけで、勝手に敵認定されてしまって
最強の英雄アキレウスと対決しなくてはいけないことになったヘクトール
彼はそこで自分がもう、勝てない、ということを分かってしまうんです!
一対一の勝負では、腕力では絶対にアキレウスにかなわないんですよ、ヘクトールは。
真の武将は、自分と相手の力量をきちんと分かっているんですね。
だから、ヘクトールは、かなわない、と、戦う前に分かっちゃった。
それで、アキレウスに、勝負が終わったら、自分の遺体を丁重に扱って、家族の元に返して欲しい、と頼むんですね。
自分は彼との戦いで死ぬことになるから、死後に名誉ある扱いをしてくれ、と。
「武士の情け」ってやつですよ。
しか〜し!アキレウスはわがままで、親友を殺された恨みに燃えてるから、
絶対嫌だ、ってこれを断っちゃう!!
ひど〜い・・・
こうして、ヘクトールは対決の結果あえなくアキレウスに殺されてしまって、
アキレウスはヘクトールの遺体を丁重に扱うどころか、馬で引きずり回して痛めつけたという・・・
アキレウス、鬼か!?
というエピソードなのですが、
最後には、ヘクトールのお父さんプリアモス王の頼みを聞いて、遺体は返してあげるんですけどね。
それにしても、
完全無欠のヘクトールを敵に回す、
欠点だらけのアキレウス・・・
普通逆でしょ?
って気もしますが、あれですよ、
優等生タイプのヘクトールに比べて、
ちょっとワルなアキレウス、
人気が出るのはワルの方!
みたいな、あれじゃないですか??
だから、アキレウスは今でも人気の英雄なんですよね〜、きっと!
まあ、話を戻すと、
ギリシャ神話の英雄ヘクトールは、そういうふうに、あえない最期を遂げるわけですが、
それでも、トロイア戦争に登場する英雄の中では、とっても人気のある武将で、
だから今でもその「ヘクトール」の名前を引き継いでる人たちがいるんでしょうね!
でも、若くして戦場で亡くなっちゃうから、日本だったらそういう名前は「不吉」とか言って避けそうなものだけど、
気にしないで名前をつけちゃうあたりは、文化の違いかなあ??
*この英雄ヘクトールとアキレウスのお話は、ホメロスの『イリアス』で出てきますので、興味を持った方は、ぜひ読んでみてくださいね!
ギリシャ神話の名前を持つ人は今でも多いよ!
というわけで、
ディズニー/ピクサーの最新映画
『リメンバー・ミー』
この映画の、メイン・キャラクターの名前「ヘクター」は、
ギリシャ神話の英雄「ヘクトール」からとったなんですよ、というお話でした!
実は現在でもこうして、ギリシャ神話の登場人物から名前をとってる人って、ヨーロッパ系では多いんですよ!
ギリシャ神話の英雄イアーソーンは、現在の「ジェーソン」
英雄オデュッセウスの妻ペーネロペイアは、「ペネロペ」
さらには、
「ハリー・ポッター」シリーズの「ハーマイオニー」は、ギリシャ神話に登場する「ヘルミオネー」からとっています!
そう考えると、ギリシャ神話を知っていると、欧米系の名前を聞いた時に、
「ああ、この人の名前は、あれだな〜」
と分かるようになるので、面白いですよ!
興味があったらぜひ、色々調べてみてくださいね〜!
*映画『リメンバー・ミー』現在DVD&Blue-ray, 動画配信発売中!
そしてこの記事でご紹介した映画
『リメンバー・ミー』
現在はDVD&Blue-ray発売中です!
CGで描かれた「死者の国」がとっても美しいので、ぜひご自宅でもゆっくり鑑賞してみてくださいね!
もちろん、各種動画配信サービスでも視聴できます!
ネット配信サービスだと、思い立った時にすぐ観れるのがいいですよね!思い立ったら、今晩にでも、ぜひどうぞ!
(本ページの情報は2020年2月時点のものです。最新の配信状況は U-NEXT サイトにてご確認ください。)
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