ギリシャ神話

ムーサたちは文芸・学術の女神!

こんばんは、イレーネです。

本日は、ギリシャ神話の神々の中でも、

文芸・学術分野に特に関わりのある女神たちをご紹介!

「ムーサ」たちは、ギリシャ神話の中で

文芸・学問・芸能などをつかさどる女神

と考えられていました。

現代でも、音楽や文芸で身を立てているアーティストの方々は、

この女神たちの存在は無視できませんぞ!

「ムーサ」たちは何人もいる!

ギリシャ神話の中に登場する女神

「ムーサ(Μοῦσα)」

芸術や学問など、幅広い文芸分野を支配する女神と考えられていました。

音楽や、ダンス、詩などの文章の創作、そして哲学や天文学などの学問分野までが、女神ムーサのお導きによるものだったんですね〜

ムーサは常に何人かの大勢でいると考えられていたので、

複数形では「ムーサたち」=「ムーサイ(Μοῦσαι)」

と呼ばれます。

じゃあ、いったい、何人いたの?

と気になるところですが、これが伝承によって人数が違っています。

ギリシャ世界でも名高きヘーシオドスが、

「9人」

と言ったので、これが一番よく知られている人数と言っていいと思いますね。

ヘーシオドスによると、ムーサたちを生んだのは、

女神ムネーモシュネー(記憶)

ゼウスとの間に、9人の娘を産んだということです。

9人の名前は・・・

・クレイオー

・エウテルペー

・タレイア

・メルポメネー

・テルプシコラー

・エラトー

・ポリュムニアー

・ウーラニアー

・カリオペー

・・・はい、多いですね。

全員の名前を覚えてるか? なんて間違っても聞かないでくださいよ。

9人もいるので、のちのローマ時代には、それぞれに専門分野が定められましたが

(カリオペーは叙事詩、クレイオーは歴史、など)

ヘシオドスの書き方だと、9人それぞれの専門分野までは考えていなかったように思えます。

まあ、人数が多いですから、だんだんと時代が新しくなるに従って、

「それぞれ専門があったほうが覚えやすくね?」

ということに気づいたんだと思いますけどね。

真相はよくわかりません。

arts_and_the_muses_by_pierre_puvis_de_chavannes
ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ「ムーサ九姉妹と古き三柱のムーサたち」

かの名作のかげにムーサたち?!

そんなムーサたちですが、

彼女たちのつかさどる領域としては、

詩や歌など

が含まれています。

そのため、現代にも伝えられている古代ギリシャの作品を読むと、

一番最初に、女神ムーサたちに呼びかけているのが見られます。

なぜかというと、詩を作る詩人たちは、ムーサたちのおかげで作品を作ることができると考えられていたからなんですね〜

要するに、女神ムーサがこれと思った人間に、創作のインスピレーションのようなものを与えます。

そのおかげで、詩人たちは自分の作品を生み出すことができるのですね!

例えば、先ほども話したヘーシオドスの『神統記』でも、冒頭の出だしはこんな感じ。

ヘリコン山の詩歌女神(ムーサ)たちのほめ歌から歌い始めよう

created by Rinker
¥726 (2023/03/27 18:19:26時点 Amazon調べ-詳細)

そして、これもおなじみ、

ホメーロス作『イーリアス』

ここでも、出だしはこれ。

怒りを歌え、女神(ムーサ)よ

created by Rinker
¥1,177 (2023/03/27 18:19:28時点 Amazon調べ-詳細)

なんでこんなに、女神ムーサに祈るのか?

答えは簡単、女神ムーサたちが、人間にインスピレーションを与えているからです。

女神ムーサのご機嫌を損ねると、いくら優れた作家でも、もう何も書くことはできないのですね。

でも今でも、有名な作家さんや歌手の人でも突然何も書けなくなって、活動をやめてしまうことがありますが、

ひょっとしたら、そういう人たちは女神ムーサに祈るのを忘れたのかもよ?!

語源としての「ムーサ」

そんな学術文芸の女神「ムーサ」たちですが、

現代でも学術文芸の分野に大きな貢献をしているのですよ。

それは、その「ムーサ」の名前がそのまま学術文芸の分野に伝えられて使われているからです。

わかりやすい例で言うと、

「ミューズ」(Muse)

これは女神「ムーサ」の名前をそのまま英語で受け継いでいるわけですが、

そこから転じて、芸術家にインスピレーションを与える女性のことも指しています。

「〜は、私のミューズ」

みたいな言い方をしますけど、これは実は「私のムーサ女神」って言ってるのと同じことなんですよ〜

また、

「ミュージック」も「ムーサ」が語源なんですよ!

音楽も元々女神ムーサの取り仕切っている分野ですからね。

そして、

「博物館」「美術館」を意味する「ミュージアム」

この言葉も、

もともとは「ムーサの神殿」を意味する「ムーセイオン」からできた言葉なんです。

こういう言葉は、今では日本語でも広く使われるようになって、

もともとはギリシャ語だなんて、みんな知らずに使ってますよね。

でも、できたらこれは女神「ムーサ」に由来して、どういう風に日本までやってきたか、というところにも思いを馳せてみて欲しいですね〜

女神ムーサに祈ろう!

というわけで、本日は、

ギリシャ神話の女神ムーサたち

をご紹介しました!

彼女たちは、学術文芸を幅広くつかさどる神々で、

この女神たちが人間たちに創作のインスピレーションを与えると考えられていました。

現代でも、うまく曲が書けない、作品作りがうまくいかない、などで悩みながら学術文芸関連のお仕事をされている方!!

ひょっとしたら、女神ムーサにちゃんと祈ってないから、神々がインスピレーションを送ってくれなくなってるのかもよ?

ぜひ、これからは創作の前に、ヘーシオドスやホメーロスのように、女神ムーサに祈ってみてくださいね〜

数千年の時を超えて受け継がれる、大傑作が生まれちゃうかも〜!!!

*この記事が気になった方は、こちらもどうぞ!



-ギリシャ神話
-, , , ,