こんにちは、イレーネです。
本日は、またまたマンガのご紹介!
岩明均作
『ヘウレーカ』
です!
このマンガには、
ギリシャ植民市シュラクサイの天才数学者
アルキメデス
が登場するんですよ〜!!
アルキメデスとは誰か?
というわけで本日は、
岩明均作
『ヘウレーカ』
というマンガのご紹介です!
このマンガに登場するのは、
アルキメデス
日本でもみなさん一度は学校で習ったことがある、
歴史に名を残す天才数学者ですよね!
アルキメデスは、紀元前287年にシチリアのギリシャ植民市・シュラクサイに生まれました。
ですので、民族的にはギリシャ人になります。

(ドメニコ・フェティの描いたアルキメデス)
アルキメデスは、古代の学者らしいというか、一つの分野にはとらわれない、幅広い学識を有していた人です。
有名な数学だけではなく、物理学、天文学、そして発明家としても優れ、数々の画期的な兵器を作り出したということです。
まるで、アリストテレスか、レオナルド・ダ・ヴィンチみたいなマルチぶり!
人類史に名を残す天才の一人だったことは間違いない!
「ヘウレーカ」というタイトルの意味
アルキメデスの功績は、なんといっても、みなさんご存知の
「アルキメデスの原理」
これは伝説によれば、アルキメデスがお風呂に入った時に、自分の体積の分だけ水が溢れ出たのを見て、
溢れ出た水の重さと同じだけの浮力を受けている、という原理を発見した!と伝わっています。
この時にアルキメデス先生は、喜びのあまり
「ヘウレーカ」(εὕρηκα)
と叫んで、裸のままお風呂から飛び出てしまったとか。
この「ヘウレーカ」(εὕρηκα)は、ギリシャ語の「発見する」という意味の動詞「ヘウリスコー」(εὑρίσκω)の完了形ですので、
「発見した!」
という意味。
原理の発見を大喜びしたアルキメデスの様子が想像できますね。
この有名なセリフが、このマンガのタイトルになっているというわけです。
それにしても、お風呂から飛び出しちゃうなんて、天才数学者もかわいらしいところがありますよね!
作者は「ヒストリエ」の岩明均さん
そんなアルキメデスが登場するマンガを描いたのは、
人気マンガ家の
岩明均さん
同じく古代ギリシャを扱ったマンガ
『ヒストリエ』
も書いています!
この人、この時代がきっと好きなんでしょうね!
*マンガ「ヒストリエ」について詳しくは、こちらの過去記事をどうぞ!
岩明均さんの作品で一番よく知られているのは、映画化もされた
「寄生獣」
ですけれど、
実はこうやって古代ギリシャ世界を多く書いている人でもあるのです。
この人の特徴として、グロい表現も多用するんですけど、古代ギリシャの場合は実際の戦闘のシーンが多いのでそれは仕方ないか・・・
でも、「ヒストリエ」もそうですが、古代のことをよく調べて描いてくれています!
こうやってビジュアル化してもらえると、文字で読んでるだけよりずっと想像が広がるので、とっても嬉しいですね。
その分、描く方はごまかしも効かないので下調べなど大変だと思います!
そういう地道な作業を積み重ねて描いてくれてるのだな〜と思うと、ありがたみも増してきますよ!
「ヘウレーカ」のあらすじ
そんなマンガが、
岩明均作
『ヘウレーカ』
なのですが、
このマンガの舞台は、時代としてはちょうど
第二次ポエニ戦争
の頃です。
カルタゴの天才軍略家・ハンニバル
この歴史に名を残す軍事の天才の猛攻を受けて、ローマは苦しんでいる時です。
ハンニバルといえば、古代のみならず、現代でも一目置かれる天才的な戦術家ですよね!
一番有名なのは、何と言っても
アルプス越え
こんな大軍事作戦を、本当にやったとは今でも信じられないくらいです。
そんなハンニバルが、このマンガの冒頭から登場してくるだけでもワクワク!!
岩明さんは
「ヒストリエ」
の方では
アレキサンダー大王
を扱っていますので、古代の軍事的天才を二人とも描いていることになりますね。
*第6巻は、アレキサンダー大王が表紙
そしてこのマンガ「ヘウレーカ」の中では、ハンニバルはカンナエの戦いでローマに歴史的勝利を挙げた頃。
シュラクサイは長年ローマに従っていたのですが、この勝利を見て、ハンニバルのカルタゴに与することになります。
そんな情勢の中でこのマンガの物語は展開するのですが、
主人公はスパルタ人のダミッポス
訳あって、今はシュラクサイに暮らしています。
そして、この街に住むローマ人の女の子、クラウディアと恋人同士。
しかし、今やシュラクサイはローマの敵・カルタゴの傘下に。
身の危険を感じたクラウディアを匿おうとして、ダミッポスは、
天才数学者・アルキメデス先生
の屋敷に逃げ込むことになります。
しかし、アルキメデス先生は、この時すでに、少々頭がボケている設定!
ダミッポスとクラウディアは無事にローマの手を逃れられるのか?!
そしてアルキメデス先生は、迫り来るローマの大軍に対してどうするのか?!
というのがこのマンガの見どころですよ!
伝説的な、アルキメデス先生が発明したという、数々の画期的兵器も登場するので、歴史が好きな方にはたまらない内容だと思います。
ただ、マンガの中では、熱光線を使って敵船を焼いたのは、主人公のダミッポスくんになっているのはご愛嬌!
本当は、歴史上ではアルキメデス先生がやったことになってるんですよ!
しかし、このダミッポスくん、顔が「ヒストリエ」のエウメネスとそっくりなんですけど・・・
この「ヘウレーカ」が描かれたのが、2001〜2年で、
2003年から「ヒストリエ」を描き始めていますから、ちょうど歴史シリーズの序章のようなものなのかも。
どちらの作品も面白いので、合わせておすすめです!!
両方読むと、古代ギリシャに詳しくなれちゃいますよ?!
日本にアルキメデス・ブーム?
実は最近、アルキメデス先生は、これ以外にも日本のマンガに登場しているのですよ。
同じく第二次ポエニ戦争を描いているマンガ
「アド・アストラ」
この第8巻では、まさしく状況は同じくシュラクサイ攻城戦の最中。
アルキメデス先生の邸宅にダミッポスという青年が訪ねてくるのですが、
これはなんと、のちにハンニバルと死闘を繰り広げるローマのスキピオ!
という大胆な設定。
でも、このマンガの作者は、明らかに「ヘウレーカ」を読んでいますね〜。
だって、ここでもアルキメデス先生は半分ボケちゃってる設定ですからね・・・
そんな風に、「ヘウレーカ」は、1巻だけで完結してしまったマンガですが、今ものちに続くマンガに影響を与えた名作なんですね!
「ヘウレーカ」で、アルキメデスを見直そう!
というわけで、本日は、
ギリシャの天才数学者アルキメデスと、シュラクサイ攻城戦を描いたマンガ
『ヘウレーカ』
をご紹介しました!
日本ではもちろん数学者アルキメデスはみなさん知っているわけですが、こうやってマンガの中で活躍していると、一気に親しみが湧いてきちゃいますよね!
あの授業で習ったアルキメデス先生も、これを読めば好きになっちゃうかもしれませんよ?!
そしてギリシャ植民市シュラクサイとローマの攻防など、日本ではあまり知られていない歴史の物語を知ることができるのもポイント!歴史好きにはたまりません!
マンガとしてももちろん面白いので、興味ある方はぜひ読んでみてくださいね〜
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