ギリシャ神話で超!がつく有名な登場人物
オイディプス王
について、ご存知ですか?
いや、名前は聞いたことあるけど、どんな人かはちょっと・・・
というそこのアナタ!
今さら人に聞けないギリシャ神話の基礎知識、
悲劇の王様・オイディプスの運命について、
ここで簡単に3分早わかり解説いたしましょう!
興味がある方はぜひ読んでいってくださいね!
オイディプス王を3分で語ってみせよう!
ということで、
オイディプス王
についてご紹介します!
いや、名前は聞いたことあるんだけどね・・・
というアナタのために!
3分間でオイディプス王を説明するよ!
オイディプス王っていう人はね・・・
自分でも気が付いていない間に、
実のお父さんを殺し、
実のお母さんと結婚して子供まで作ってた!
っていうことに後から気が付いて、
何にも本当のことを知らなかったことにショックを受けて
自分で自分の両目をピンで突き刺して潰してしまった人です!!
・・・・・・
イッテーーーーー!!
自分の目を潰しちゃうなんて、イッテー!!!
と、多くの方が拒否反応を起こしちゃうかもしれませんけれども、
そうなんです
自分の目をピンでぶっ刺しちゃうんです!
クー!!
イテテテ・・・
だからオイディプス王のイメージを一言で言え!と言われたら・・・
両目から血がダラダラ
ですね!
そりゃー、両目とも突き刺したら、血がダラダラで大変なことになりますよ〜
はい、オイディプス王、大変ですね!
という人です。
ん? まだ3分経ってない?
では、オイディプス王についてもう少し詳しく知りたい方は、この後さらに解説しますのでお付き合いください!
本当の両親を知らなかったオイディプス王
さて、このギリシャ神話の超有名人物
オイディプス王
一体どうして、自分で自分の目をぶっ刺す、みたいな大惨事になってしまったかと言うとですね、
そもそも、自分で自分の本当の両親を知らなかったんです!
オイディプス王はギリシャのコリントス市で、
ポリュボス王
その妻のペリボイア
という両親の元に、王子として育ちました。
*コリントス市の場所。ペロポネソス半島の入り口のところにあります。
このコリントス王夫妻はオイディプスを後継者として大事に育て、
オイディプス自身も二人を自分の実の両親と信じて疑っていなかったのですが・・・
実はオイディプスは、子供がいなかった二人に引き取られた養子だったのです!
では、本当の両親は誰だったのか?
実はオイディプスの本当の両親は・・・
テバイの王ライオスと、その妻イオカステでした!
*テバイ市(テーベ)の場所。コリントスから少し離れています。
しかし、この本当のお父さんのライオス王はですね、
息子が生まれれば、父を殺すことになる、と予言を受けていたので、
息子のオイディプスが生まれると、家来に命じてキタイロン山に捨てさせました。
そう、実の両親に捨てられてしまったのです!
その時に、生まれたばかりのオイディプスの足を、ピンで刺し貫いた上で捨てさせたそうです。
そうしておけば、動くことができないので、山の中で死んでしまうだろうと思ったのですね。
ひどーい!
それくらい、自分の息子に殺されるのが嫌だったんですね!
まあ、親としては、最低ですよ!
しかし、人間悪いことはできないものですね!
この赤ん坊のオイディプスを渡された家来は、小さい子供を死なせるのはかわいそうだと思って、
山の中で牛飼いに預けたそうです。
そしてこの牛飼いは、助けたことがライオス王にバレないように、コリントス市まで連れて行き、
子供のいなかったポリュボス王と妻のペリボイアに子供を渡したということです。
このご夫婦は、ピンで刺し貫かれていた赤ん坊の足がふくらんでいたので、
ギリシャ語の
「はれている」 (「オイデオー」οἰδέω)
と
「足」 (「プース」πούς)
という言葉を合わせて、その子供を
「オイディプス」 (腫れ足)
と、名付けたのだそうです。
こうして、オイディプスは、本当の自分の両親ではなく、コリントスの王夫妻に息子として育てられることになったのでした。
オイディプスは予言を恐れて家を出て・・・
さて、こうして、
コリントス市のポリュボス王と妻のペリボイアを両親だと思って
オイディプスはすくすくと成長します。
王子として、賢く、優れて育ったオイディプスですが、
人並み優れた人は、何かと周りからやっかまれるもの。
簡単に言うと、嫉妬ですね、嫉妬。
オイディプスも、ある時友人に
「王の本当の子供ではない」
と、ののしられて、大変にショックを受けます。
いや、ののしられた、と言うか、本当の事を言われただけですけど、
オイディプス本人は知らなかったので大ショック。
これが本当かどうかを確かめるために、オイディプスは、
デルポイの神託に本当のことを確かめることにしました。
デルポイの神託所とはアポロン神の予言を伝えてくれる場所で、
コリントスからは少し離れた北西部にあります。
つまり、オイディプスの本当の両親が住む、テバイ市の向こう側。
そして、このデルポイで、アポロン神の神託を伺うのですが、
「父親を殺して、母親と結婚する」
という、恐ろしい神託が下るのです!
オイディプスは、自分を育ててくれたコリントスのポリュボス王を殺し、妻のペリボイアと結婚してしまう運命なのかと驚いて、
もうコリントスには帰らない決心をします。
戻ったら、神託が成就してしまうと恐れたのですね。
そうして旅を続けたオイディプスがやがてたどり着いたのは・・・
なんと、もともと自分が生まれた国・テバイでした。
オイディプスはテバイの王となる
こうして、テバイ市にやってきたオイディプス
その時ちょうど、テバイは大混乱の中でした。
顔は人間で体はライオン、そして翼が生えているという
怪物スピンクス
この怪物がテバイ市にやってきて、人々になぞなぞをかけて、
解けなかったら食べてしまっていたのです!
そのなぞなぞとは・・・
一つの声を持ち、朝は4本足、昼は2本足、晩には3本足になるものは何か
というものでした。
さあ、この答えはなんだと思いますか?
多くの人が、この謎が解けなくてスピンクスに食べられてしまいました。
ちょうどその時テバイは、ライオス王も亡くなって、政治的にも混乱していました。
そこで、ライオス王の代わりに国事を担っていた王妃の兄弟クレオンは、
この謎を解いた者には、テバイの国と、ライオス王の未亡人である王妃イオカステを与えよう
と約束して、スピンクスの謎を解いてくれる知恵のある者を募りました。
そこで登場したのが、コリントスからやってきたという
オイディプス!!
もともと賢いオイディプスは見事、この謎を解いてみせたのです!!
このなぞなぞの答えは・・・
「人間」!
赤ん坊の時には4本足でハイハイをして、その後二本足で歩くようになりますが、晩年には杖を使って3本の足で歩くから。
と、見事に正解を言い当てました!
この謎を当てられたスピンクスは、ショックのあまり山の上から身投げして死んでしまったということです。
こうして、スピンクスからテバイ市を救ったオイディプスは、
約束どおりテバイの国と、王の未亡人イオカステを手に入れることになりました。
オイディプス王
として即位することになったのです。
そこが自分の生まれた国で、イオカステが実は自分の母親であることも知らずに・・・
オイディプス王が自分の素性を知る時・・・
こうして、
テバイ市で、先王の未亡人イオカステと結婚し、王となったオイディプス。
妻のイオカステとの間には、
ポリュネイケス
エテオクレス
という息子たちと、
イスメネ
という娘たちが生まれて、しばらくは幸せに暮らしていました。
しかし・・・
テバイ市を再び、危機が襲います。
今度は、作物は不作となり、原因不明の疫病が流行り、市民たちがバタバタと死んでいきました。
国民は弱り果て、オイディプス王になんとかしてくれ、と頼みにやってきます。
スピンクスから国を救ったオイディプスならば、
今度の危機も無事に解決してくれるだろう、と信じていたのですね。
オイディプス王もこの疫病に困り果て、すでにデルポイの神託に原因を尋ねる使者を送っていました。
デルポイに使わされていた王妃の弟クレオンが戻ると、
この災いの原因は、先王ライオスを殺した犯人を罰していないからだ
と神託に告げられたと言います。
こうして、オイディプス王は、国を救うため、ライオス王を殺した犯人探しをすることになりました。
オイディプス王は、なんでも見通すという名高い
予言者テイレシアス
を呼び出して、犯人をたずねますが、なかなかはっきりと言ってくれません。
怒ったオイディプスがテイレシアスを侮辱すると、ついに
ライオス王を殺したのはオイディプスである
と告げるのです。
この予言にショックを受けたオイディプスは、これは自分を陥れる陰謀なのではないかと思い、
神託を聞いてきたクレオンがその黒幕なのではないかと疑うのですが、
デルポイからの帰り道で出会った無礼な老人を打ち殺したことを思い出してきます。
さらに、ライオス殺人事件の目撃者を探していくうちに、
自分がコリントス市に養子としてもらわれていったこと、
その時、足をピンで貫かれていたこと、
牛飼いがかわいそうに思ってコリントスに連れていったことなどが、
だんだんと明らかになってきます!!
ここら辺で、赤ん坊だったオイディプスを捨てた張本人である妻のイオカステは、真実を知って絶望し、首をくくって自殺してしまいます。
こうなってついにオイディプスは、
自分が本当は、ライオス王とイオカステの息子であること
そして、
ライオス王を殺した張本人が自分であること
に気がつきます。
そう、知らず知らずのうちに、
「父親を殺して、母親と結婚する」
という予言が成就していたのでした!
これに絶望したオイディプスは、
本当のことが見えない目なら、いっそ無くなってしまえ
と、自分の両目をピンで刺し貫いて潰してしまいます。
そうして、自分をライオス殺しの犯人として、国外追放するようにクレオンに頼み、生まれ故郷であるテバイから追われていくことになるのです・・・
*この、オイディプスが自分の正体を知るいきさつの詳しいところは、
ソポクレスの悲劇『オイディプス王』
に詳しく描かれていますので、詳細を知りたい方は、ぜひ一度読んでみてくださいね!
オイディプス王の語りかけるもの
ということで、
ギリシャ神話で超!がつく有名な登場人物
オイディプス王!!
の哀れな運命について、簡単にご紹介しました!
本人は賢くて優秀で、市民にも慕われた王様だったのに、
自分の知らないところで運命を操られて、身を滅ぼしてしまった哀れなオイディプス王。
この神話で一番ドキッとするのが、
自分で自分のことを分かっているか?
という、人類共通の悩みのようなものではないでしょうか。
いや、自分のことは自分が一番よく分かってますよ、っていう方も多いと思いますが、
もちろん賢いオイディプス王も自分のことはよく知っているつもりだったんです。
でも気が付いてみれば・・・
両目は見えているのに、真実は何も見えていなかった
という、ショッキングな事実。
今だって、ニュースを騒がせている詐欺事件とか、横領とか、もちろんカップル間の浮気とかも・・・
被害者の方から見たら、
「気が付いてみれば、自分は何も分かっていなかった!」
って叫びたくなるような事件がたくさん、起きていますよね?
ようするに、私たち人間の目って、意外と「ふし穴」だったりするんですよ!
ですから、私たちもオイディプス王のように
「こんな見えない目ならいらない!」
って絶望しちゃうことのないように、心の目もしっかり開いて、物事を見ないといけませんね!
これからは、オイディプス王のかわいそうな神話を胸に刻んで、しっかりと判断するように気をつけてくださいね〜
あ、でもくれぐれも、自分の目は大切にね!