驚きのニュースですね!
イギリスの国民投票で、EU離脱が残留をわずかに上回り、
イギリスのEU離脱が決まりました!!
なんだかんだ言っても、結局残留になるのでは?と思っていたのですが、
このイギリスの国民の決断は、EUの理想がすでに崩壊していたことを示しているようです。
今後、EUはどうなるのでしょう?
そして、EUと緊張した関係を続けている、ギリシャはどうなるのでしょう?
イギリス国民の不満
直前まで報道でも、残留の可能性が高い、ということだったと思いますが、
フタを開けてみれば、イギリスはEUに「さようなら」
を選択してしまったというわけです。
この理由については、すでにニュースなどで多く報道されていますが、
EU内ではイギリスのように経済規模が大きい国は、その他の経済が弱い多くの国々を支える立場になるわけです。
それでも、EU内の自由経済などで、利益が支出を上回っている証拠を出せれば国民も納得したのでしょうが、
結局イギリス国内で、EUに残るメリットを見出せなかった人たちのほうが多かった、ということでしょうね。
ギリシャのように、経済が行き詰まってしまった国に対して、EUはたくさんの援助をしてきましたが、
その資金はイギリスのような経済大国がまかなっているわけです。
そうまでしても、EUが一つであるべきメリットを多くの人たちが感じなかったというのは、
EUという理想がすでに崩壊してしまっているからのようにも思えてなりません。
難民危機が最後のだめ押し?
そのように、EU内でも、負担の大きいイギリスのような国では、もともと不満はあったのですが、
やはり今回「離脱」まで動いたのには、
シリア内戦以降の難民問題
が要因の一つでもあるでしょう。
すでに、イギリスのような豊かな国には、EU内からも大量の移民がやってきていて、
ただでさえオープンとは言えないイギリスの市民感情は複雑なものがありました。
そこへきて、このシリア難民問題が来て、さらにEU内へ大量の難民が流れ込みました。
難民たちの移住先の希望は、ドイツのようなEU内でも豊かな国です。
イギリスでは、こういう大量移民・難民への拒否感もあったんだろうな、と推察します。
でも正直、イギリスだってイラク戦争にも、シリア・イラク空爆にも関わっているんだから、責任がないとは言えないと思うんですけどね・・・
自国の利益優先に走ったEU諸国
でも、こうした経済の行き詰まり、難民問題の危機感というのは、
他のEU諸国全てが共有しているもの
でもあります。
特に象徴的だと思ったのは、トルコからギリシャ経由で難民がEU圏内へ移動する際に、
ギリシャと国境を接する多くの国々が、国境を閉鎖して難民を締め出したことでした。
これはEU内の自由な交通を規定するシェンゲン協定に反することで、「一つのEU」を自らが否定した出来事でもありました。
結局、大量の難民の流入があると、EU全体というより、自分の国が困る、という、
あからさまな
「自国の利益優先」
が横行していて、それに対してEUは何の手も打たなかったわけです。
危機に陥ると、「一つのEU」という理想よりも、我先にと「自国優先」に走り出す。
これでは、各国の協調は乱れ、お互いに不満が高まるばかりだったので、
イギリス国民ばかりが特殊なわけでは全くありません。
ギリシャだって不満はいっぱい
そして、これは支援されている側の、ギリシャだって同じです。
実はギリシャも、EUに不満がいっぱい。
厳しい緊縮策を突きつけてくるEUに、苦い思いをしている国民はたくさんいます。
そんな不満を受けて当選したのが、チプラス首相です。
でも結局、チプラス首相も緊縮策を受け入れたんですけどね。
そうまでしないとどうにもならないのが、今のギリシャの苦悩を表しています。
EU側にしていれば、借金を重ねて、自分の国の経済対策もきちんとできない困ったギリシャ、
という理屈になるのでしょうが、ギリシャにしてみれば、
通貨の統合以降に降って湧いた「ユーロバブル」
それもリーマンショックであっさり崩壊。
ただでさえ経済基盤が弱かったところに、バブルのツケが大量に回ってきたあげくの世界不況で、どうにもこうにも立ち行かない。
こんなことになったのも、「ユーロのせいだ!」「EUのせいだ!」と不満のはけ口を求めてしまう部分はあるのです。
まあでも、基本は自分が悪いんですけどね。でもやっぱり、文句も言いたいのですよ。
しかし、ギリシャはEUから離れて、一人で経済でやっていける状態ではとてもないので、
すぐさま離脱とは行かないはずですが、これでEU反対派が勢いづく可能性は大いにありますね。
EU崩壊の序章?
というわけで、EUに、そして世界に激震をもたらした
イギリスのEU離脱
EUを支えてきた中心の国が一つ外れることで、今後どういうった影響が出るのか、
まだ未知数であり、緊迫した情勢が続きそうです。
でも、ここ数年、「一つのEU」の理想はすでにほころんでいたのは事実です。
とはいえ、一気に「EU崩壊」まで進むとは考えにくい。
今後はどれほど現実主義的に、実務レベルでどうやっていくのか、各国の不和をどう解決するかが問題ですね。
これから当分、EU諸国の動きから目を離すことはできなさそうです。
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