
このところNetflixのドラマを見るのが楽しみな自分。
これまでそんなに見たことが無かったけど、Netflixで人気らしい韓国ドラマにもチャレンジ。
『梨泰院クラス』
という、ランキングにも入ってたドラマ見てみたんですけど・・・
泥臭い復讐劇に、時代遅れとも言える「尽くす女」がヒロインで、
見終わった後にフラストレーションがたまる作品だったな〜
基本的にあんまりオススメしないかも。
Netflix『梨泰院クラス』居酒屋版スターウォーズ?!
というわけで、
Netflixで人気らしい韓国ドラマ
『梨泰院クラス』
見てみましたよ!
こないだ見た映画『パラサイト』は予想外の展開が続くどんでん返しの連続で面白かったので、
話題の韓国ドラマも見てみようかと思って。
*映画『パラサイト』について詳しくは、こちらの記事も合わせてどうぞ!
それで、『愛の不時着』とこれが人気の韓国ドラマらしいので、
どっちを見るかな〜と思って、とりあえず主人公の髪型のインパクトがあるこちらを先に見てみました。
一体なぜあの髪型?
という好奇心もあって見始めたのですが、
ざっくり言うと、
居酒屋を舞台にした泥臭い復讐劇
そして
若者たちの起業のサクセスストーリー
なんですけど、いや〜、こんなに泥臭い「恨み」「憎しみ」「根性」の復讐劇は久しぶりに見たわ〜
オープニングはポップな感じで、映像もキレイなんだけど、ストーリーのベースはどろどろの恨み。
そんなところが、逆に新鮮だったりして、復讐劇の顛末がどうなるのかも気になって、気がつけば全部見ちゃいました!
『梨泰院クラス』のあらすじ
さて、そんな泥臭いドラマ
『梨泰院クラス』のあらすじを簡単にご紹介しますね!
高校生のパク・セロイは社会性がなく、一本気の堅物。
転校して行った学校でのいじめを見逃せなくて、いじめっ子チャン・グンウォンを殴ったところ、
そのいじめっ子グンウォンは父親の勤務先の会社「長家」の御曹司。
高校で権力を振りかざす「長家」一家のために、セロイは退学処分になってしまいます。
セロイの父親も巻き添えを食って「長家」を退職。
父親は心機一転、自分で居酒屋を始めようとするのですが、
その矢先にいじめっ子グンウォンの車に轢かれて亡くなってしまいます。
グンウォンは現場から逃げ出した上に、自分の家の使用人に罪を着せて罰を逃れようとするのですが、
それを怒ったセロイはグンウォンを半殺しに殴ってしまい、
「長家」の会長の差金で、殺人未遂で刑務所に入れられてしまいます。
そこで父親と自分への仕打ちに怒ったセロイは、人生をかけて「長家」一家に復讐をすることを誓うことに。
刑務所を出てからは復讐を胸に資金を貯めて、
小さな居酒屋「タンバム」をオープン。
元々は「長家」も小さな屋台から大企業に成長したことから、この「タンバム」を「長家」をしのぐ大企業に成長させようと意気込むのですが、
果たしてセロイの復讐の行方は?!!
というストーリーです。
居酒屋スターウォーズ?!

というわけで、ベースになっているストーリーは
自分を破滅させた一家への復讐劇
それと、
小さな企業のサクセスストーリー
がブレンドされているドラマです。
主人公セロイを破滅させた「長家」の面々は、それはそれは分かりやすく「悪」で、
顔に「悪」って書いて出てきてるのかいな? というくらいわっかり安く「悪」
それに対するセロイは基本的にお人好しの「善人」
つまり、分かりやすい「前と悪」の対立のお話。
そう、つまり「スターウォーズ」で言えば、
「長家」の面々が「帝国軍」でダークサイド
主人公のセロイが「反乱軍」でライトサイド
っていうことになりますね!!
要するに
居酒屋版スターウォーズ
と思っていただければ分かりやすいかと。
「反乱軍」のセロイたち居酒屋「タンバム」の面々が、なんとか「帝国軍」を倒そうと抵抗を続けるのですが、
「帝国軍」からも汚い妨害を加えられ、
しかも途中で仲間がダークサイドに落ちちゃったりして、
なかなかこの「反乱軍」と「帝国軍」の戦いも盛り上がります。
さて一体、どうやって「反乱軍」は「帝国軍」に打ち勝つことができるのか?!
これはテッパンのストーリーではありますね〜!!
モヤモヤが多すぎたストーリー
ま、そんな
居酒屋版スターウォーズ
なドラマ『梨泰院クラス』でありますが、
見ている途中であまりにもツッコミどころが多くって、一応最後まで見たんですけど、エラくフラストレーションが溜まるドラマでした。
基本的にオススメはしないなあ〜
以下にさらっと、モヤモヤしたポイントをまとめておきますね!
モヤモヤするポイント1:調理師免許って無いの?
基本的には、このドラマ
居酒屋「タンバム」のサクセスストーリーではあるのですが、
もうね、そのサクセスぶりがゆるすぎて「そんなことあるワケないよね〜」ってこちらが冷めてしまうんですわ〜
まず、料理長ヒョニさんというキャラが出てくるのですが、
どうもちゃんと料理を勉強したことがないらしい。
んで、最初はマズイ料理ばかり作ってしまう。
でも、なんだか知らないけど「本人の努力で」料理が上手くなっちゃうんだけど、
そんなわけあるかーい!
プロなら料理学校行くでしょ?
調理師免許とか、いるでしょ?
同僚の味見だけで料理の腕が上がると思うなよ?!
って、いろんな料理ドラマとか見てる自分からすると、修行もなしでホイホイ料理が驚異的に上手くなるって、ご都合主義な設定にイライラ・・・
そんな簡単に料理が上手くなるなら、自分も居酒屋やりますよ、ええ。
プロの料理なめんな!
モヤモヤするポイント2:自分では経営能力がない主人公
そして、このドラマでは、
主人公セロイが小さな居酒屋からだんだん大きくしていってサクセスしていく
っていうのがストーリーの核なんですけど・・・
これ、自分で大きくしてないのだよ!!
セロイが自分で起こした居酒屋は、店もダサいし料理もまずいし、はっきり言ってそのまま潰れてもおかしく無かったの!
それが、IQの高い天才少女チョ・イソがなぜかセロイに恋心を抱いて、
その恋愛感情でお店を手伝ってくれたから、どんどん大きくなるの。
主人公本人は、ちょっとは頑張るけど、大したことしてないのだ!
ええ〜!!
「スターウォーズ」なら、主人公が誰よりもフォースを磨かなきゃ、立派なジェダイになれないぞ!!
それなのに、好きになってくれた女の子のおかげでどんどん戦闘能力を手に入れるって、
お前にはジェダイの資格は無い・・・
モヤモヤするポイント3:女性ヒロインの性格が好感度が低い
そしてね〜、
このドラマでは、主人公セロイが
高校の同級生で初恋の相手・スア
IQの高い天才少女で自分を盲目的に恋してくれる少女・イソ
という二人の女性の間で恋愛感情が揺れ動くんですけど・・・
これがまあ、見事なほどに
二人とも好感度が低いのですわ
はっきり言って性格が悪い!!
もう〜、これ致命的に嫌なポイントですわ!
ヒロインが性格が悪いって・・・
応援する気も失せる〜
初恋の相手・スアはまあ、育った環境が不遇だったから、ひねくれちゃった、っていうのもあるし、
強がってる部分が大きいから仕方ない、と理解できる部分はあるんだけど・・・
なぜだか盲目的にセロイが好きな少女・イソは無理!
設定としても「サイコパス」っていうことなのですが、
常に頭の中にはセロイのことだけ!
他の仲間は冷酷に切ろうとするし、人種・ジェンダー差別発言も平気でするし、
はっきり言ってキャラクターの人間的魅力ゼロ!!
当然ながら友達もいないし、セロイ以外の世界もない。ヤバい。
一体どうしてこんなキャラクター設定にしたのか・・・
いや、頭がよくて社会性が低い、っていうのはこれまでのドラマでもあったけど。
名作ドラマ『BONES』
のブレナン博士も、言わなくていいこと言っちゃたり、性格に難はある設定でしたが、
ブレナン博士は人を見下したりしないし差別的な偏見もないし、
なんと言っても、その優秀な頭脳を駆使して難事件をズバズバ解決する正義の味方!!
だから全然いいんです!
女性からの支持はメチャクチャ高いんです!
でもね〜、このドラマのイソはダメ。
単に性格が悪くて攻撃的だし、全ては自分の大好きな社長のため、
ってイタイを通り越して怖い。
こういう女性キャラは支持されません。
最後の方とか、出てくるだけでイライラしてきちゃったから。
だからもう、最終話とか、フラストレーションが溜まる一方で、全然感情移入できなかったな。
ものすごーく、キャラクター設定って、大事。
それは痛感しましたね!
時代錯誤な女性キャラにガッカリ

で、これは
「女性ヒロインの性格が好感度が低い」
って話の根本的な部分なんですけど、
もうかなりネタバレが含まれてくる事になるのですが、配信されてしばらく経ってるドラマだからいいよね?
要するにこのドラマに出てくる
時代錯誤な女性キャラにガッカリ!
って事に尽きるんですよ。
ええ、今21世紀ですけど、
ジェンダー・ギャップとか問題になってるご時世ですけど、
なんすか、このドラマの昭和感漂うド演歌風な女性キャラたちは!!
もう、それがこのドラマで一番イヤな部分でしたね〜
主人公セロイの初恋の相手・スア
彼女のことをセロイはずっと好きなんですが、まあ美人だし?
でも本人も、セロイのこと好きみたいなんですけど、はっきりしないし、ずっと自分からは動かない
しかも
「早く私を長家から解き放ってよ!」
ってセリフもあるんですが、
なんすか、それ?
自分で転職したらどうっすか? イライラ。
主体性が無く見えるんですよ〜
主人公になんとかしてもらおうとしてるように見える。
そして、主人公セロイのことを、なぜだか盲目的に好きな
高IQの天才少女イソ
この人なんて、セロイのことが大好きになったのはいいですが、
自分の人生全部をセロイにかけて、セロイの会社を大きくしてあげることに執念を燃やすんですよ
ええ、はっきり言って
主体性のカケラも無いんですよ
セロイのこと好きになるのは結構。
でも、自分の人生ってもんが無いのかい、キミは。
せっかく頭も良くて優秀なら、自分で何か人生の目標は無いんかい。
イソの目標は、全部、セロイ、セロイ、セロイ・・・
愛する彼のために全てを捧げて彼が成功してくれればいい・・・
っていつの時代の人ですか?!
時代錯誤なんですよね、はっきり言って。
今の時代、女性にこういう役割を求められても、はっきり言って迷惑ですけど?
一途にずっとセロイセロイって、純愛みたいに見えるかもしれないけど、
他に世界がまるで無くて他の人間関係もなくて盲目で
もうはっきり言って気味が悪いわけですよ
まあ、セロイ側にしてみれば、たくさん尽くして成功させてくれたし、自分がよそ見してても絶対的に自分にゾッコンだから、都合がいいですよね。
でもそれ以外のイソって人の人間的魅力もまるで無いし、
唯一いいのは自分を好きで尽くしてくれるから
って、そんなんでいいんかい。
すごく前時代的な「尽くす女が良い」「愛する男を一途に支える女が良い」っていう女性像を押し付けられているようで、
見ていてウンザリしてきましたわ。
多分、中高年以上のステレオタイプな女性像を好む視聴者層には刺さるのかもしれないけど、
これを好感度を持って見ることができる女性視聴者層っていないと思う。
というか、男性でも嫌がる人多そう。
「たくさん自分を犠牲にして尽くしてきたから、責任とってね」
とか、笑顔で言われたら、自分だったら怖くて逃げ出すわ。
だから最後に、二人がハッピーエンドってなっても、全然笑えないのです。
女もアレなら男もヤバい。
今は良くても、10年後、20年後、イソに自分の世界ができて、心がセロイ以外にも向くようになったら、どうなるんでしょうね?
って、シラーっとなったエンディング。
それに比べて、初恋の相手のスアの方は、
きちんと自分の力で会社を起こして、しっかり地に足つけて生きる事になってよかった。
正直、イソもこうなったら、エンディングでスッキリしたのにね!
はっきり言って、こういうイソみたいな女性像をよしとするドラマは、今のティーンエイジャーたちには見ないで欲しい。
ジェンダーバイアスが刷り込まれちゃうから。
21世紀にもなってこれ? って心底がっくりしたドラマでした。
ティーンたちには
『マイ・インターン』とかオススメしておきたい。
主人公は復讐を成し遂げたのか?
そして、最後に一番肝心なこのドラマのメインテーマ
主人公の復讐は達成されたのか?!
についてですけど・・・
結局このドラマの中で、「長家」にトドメを刺すのは、スアの内部告発という事になります。
えっと〜、それって・・・
主人公、自分で復讐を成し遂げてないやん!!!
自分でやらんでどうーすんだい!!
自分でトドメをさせや!!
と、ガックリ脱力するオチがついたという・・・
会社を大きくしてくれたのもイソ
復讐してくれたのもスア
って・・・
全部自分に好意を持ってくれてる女性頼み!!!
主人公のセロイって、全然ダメな男じゃないの?
全然「ジェダイ」じゃ無いよ・・・
もう〜、最後まで見て損した!!
そんで、復讐はスアにやってもらって、最後は自分は若いイソに目移りしてイチャイチャ・・・って、おい!
って、心の中でツッコミの嵐がうずまいて、もう〜、大ブーイングの最終回でしたわ!
信念を曲げない
って設定の主人公だったはずなのに
あっさり土下座もするしね。
やれるんだったら、最初からやらんかい、父ちゃん可哀想だろ!
その上、
「俺の気持ちは揺らがない」「お前が好きだ」「お前を解放してやる」とか言って散々口説いてきたスアに最後に手のひら返して、
「俺はイソが好きだ」
って、お前、全然約束も守らないし、信念も無いんかーい!!
もう、最後はその髪型もコミで主人公が嫌いになった。
そう言えば、一体どうしてあの髪型をしてるんだろう。
それも分からずじまいだった・・・
もうこういう女性像はやめてほしい
というわけで、
Netflixで人気の韓国ドラマ
『梨泰院クラス』
を見てみたんですけど・・・
泥臭い復讐劇に、時代遅れとも言える「尽くす女」がヒロインで、
見終わった後にイライラがたまる作品でした!
基本的に、あんまりオススメしません。
というか、特にティーンエイジャーには見ないで欲しい。
もう、こういう「女性は愛する男に盲目的に尽くすもの」とかいうジェンダーバイアスのきついドラマは、製作しないで欲しい。
せっかく今では、
『鬼滅の刃』
でも、
『呪術廻戦』
でも、
男女関係なくそれぞれの能力の特性を生かして得意分野で戦う、
という作品が人気になっているんだから、
今のティーンにはそれが当たり前の世の中で育って欲しいな。
と、切に願って止みません。
もう、今は2021年ですよ!
新しい時代に向かって、進んでいこう〜!
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