本日2020年8月15日は、
75回目の終戦記念日
今の平和に感謝して、多くの犠牲者に祈りたい日ですね。
戦争を描いた映画は数多いですが、最近見た映画の中で戦争の悲惨さを実感した良作5本を選んでみました。
悲しい映画が多いですが、今日はこれを見て過ごそうと思います。
『この世界の片隅に』
この映画、最初に封切られたのは2016年なのですね。
しかしすでに古典的「名作」の一つと言って構わないと思います。
片渕須直監督作品
『この世界の片隅に』
すでに多くの方達がご覧になっていると思いますが、やはりこの終戦の日には見直す価値はあると思います。
それくらい、私たちは忘れっぽいですので、毎日が平和だと、ついつい忘れてしまう。
つい75年前には、これだけの悲惨な戦争があったということは、忘れたくないですね。
特にこの映画は、ごく普通の一般庶民「すずさん」が、否応無く戦争に巻き込まれていく様子がリアルで・・・
世間知らずでおっとりした可愛い「すずさん」がこんな思いをしなくてはいけなかったなんて、どうしてこんなことに・・・
と、映画が進むにつれてどんどん胸が苦しくなってきてしまいます。
そして気がついたら自分たちも、こんなふうに一歩一歩戦争に巻き込まれていっているのかもしれない、
という警告にも感じるのです。
この映画は、今の平和な日常は決して当たり前のものではない、と、私たちに強く訴えかけてきてくれるので、一層今の平和のありがたみを感じることができる作品になっています。
*この映画の詳しいレビューはこちらの記事をどうぞ。
そして、2019年からは、この映画完全バージョン
『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』
も公開されました。
168分という異例の長さの完全版でしたが、こちらも大きな反響を呼ぶことになりました。
現在は、DVD&ブルーレイ、そして各種動画サイトでも配信中です。
『1917 命をかけた伝令』
そして、今年2020年に公開されたばかりで、最近DVDや動画配信サイトでも観ることができるようになったのが、
サム・メンデス監督作品
『1917 命をかけた伝令』
これも、終戦の日に見直す価値のある作品だと思います。
第1次大戦の時のフランス戦線が舞台なんですが、
現在の最新技術を駆使することによって、リアルな戦場を映像で再現することができるようになりました。
これを観ると、今の大学生くらいの若い男の子たちが、血みどろの戦闘が行われている前線に送り込まれる残酷さを嫌という程実感することができます。
そうして簡単に、命が次々と奪われていってしまう・・・
絶対こんなこと、今の日本の、いや世界中の若い人たちに、繰り返させたくないですよね・・・
もちろん、自分だって、こんな戦場に足を踏み入れるのは、絶対嫌です。
平和がなくなると、そういう世界に逆戻りになってしまうんだな、と恐怖を覚えます。
*この映画の詳しいレビューは、こちらの記事も合わせてどうぞ。
『ダンケルク』
そして、2017年に公開され、
「戦場体感映画」の流れをリードしたのが
クリストファー・ノーラン監督の
『ダンケルク』
これも、第2次大戦の激戦地・ダンケルクを舞台にして、たまたま戦場に居合わせてしまった若い兵士たちの、脱出までの苦闘を描いています。
この映画を観ると、こんな戦場にいるのは絶対に嫌だ!! 逃げ出したい!!
と、自分も死の恐怖に隣り合わせの戦場をリアルに実感させられることになりますよ!
こういうと語彙力が足りないなあ、と自分でも思いますが、とにかくこの映画を形容するには、「怖い」の一言。
すぐそこに迫ってくる「死」を感じた時に、人はとにかく「怖い」という恐怖で身がすくむんだな、ということがよく分かるんです。
それくらい、この映画の描き出す世界は、すぐそこに差し迫った「死」というものを、実感させられるものがあるんですよね・・・
ですので、この映画を観ると、ものすごくストレスが溜まります。ちょっと寿命縮んだんじゃないか・・・
それくらいの凄みがある映画なので、これもぜひ、今日の終戦記念日に見直してみてください。
*『ダンケルク』についての詳しいレビューは、こちらの記事を合わせてどうぞ。
『ハクソー・リッジ』
そして、こちらも終戦記念日には見直したい映画として、
2016年に公開された
メル・ギブソン監督
『ハクソー・リッジ』
この映画も、最新VFX技術を用いて、リアルな戦場を描き出したことで話題の作品なのですが、
この映画が特別なのは、舞台が
第二次大戦の沖縄
というところです。
今は平和な美しい沖縄が、第二次大戦の激戦地だった、ということは、私たちは絶対忘れてはいけないことですよね・・・
またこの地でそんな激戦が繰り返されるようなことは、絶対したくない。
と、この映画を観ると、決意を新たにすることができると思います。
この映画はアメリカ視点なので、日本は敵側だから少し思うところはあるのですが、
最新映像技術でリアルに描き出された激戦地は、私たちが想像をするものをはるかに超えていて、
よく「地獄」って言われるけど、正直見たことがないからピンとこない。
でも、ここで描き出される戦場は、本当に「地獄」としかいいようがなくて、
もし自分がここに放り込まれることになったら・・・と思うと、とてつもない恐怖を感じます。
ですから、この平和のありがたみ、というのを恐怖心とともに骨身にしみて感じることができる映画だと思います。
*この映画について詳しくは、こちらの記事を合わせてどうぞ。
『オン・ザ・ミルキーロード』
そして最後には、ファンタジー作品に近い映画ですが、
2017年に公開された
エミール・クストリッツァ監督作品
『オン・ザ・ミルキーロード』
こちらも、終戦の日に見てみるべき映画に入れておきたいと思います。
この作品は、ユーゴスラビア内戦が舞台の映画で、ここでご紹介した映画の中では一番舞台の年代が新しく、
1991年から2001年まで長い間続いた紛争にまつわる映画です。
2001年なんて、最近まで戦争をしていたのですよね・・・
戦争は75年も前に終わった話、なんて、とてもじゃないけど思えない。
テニスのスーパースター・ジョコビッチ選手も、幼少期はずっと戦争に巻き込まれていたことになります。
戦争って、絶対遠い世界の話じゃないんですよね・・・
私たちも気をつけないと、いつ戦争に巻き込まれるか分からない。
だからこそ、どうやったら二度と戦争をしないで済むのか、それは今を生きる私たちの世代がよくよく考えていかなくちゃいけないことなんですよね。
私も絶対、自分の自宅近くで爆弾が炸裂するような世界に逆戻りをしたくはないです。
今の生活も全て、平和があってこそ。
この貴重な平和をこれからも大切にしていきたい、とこの映画を見ると感じることができると思います。
*この映画の詳しいレビューは、こちらの記事を合わせてどうぞ。
平和を思いながらぜひご覧ください!
ということで本日は、
75回目の終戦記念日
に合わせて、最近見た映画の中で戦争の悲惨さを実感した良作5本をご紹介しました。
以前に悲惨な戦争があったなんて、普段の平和な生活をしていると実感することがほとんどないのですが、
映像を通してリアルに描かれる戦争を見ていると、
二度とこんな悲惨な世の中には戻りたくない、
これからも今の平和が続いて欲しい、
という思いが強くなります。
見ていて辛い思いをする映画ばかりではありますが、終戦記念日の今日、ぜひご覧いただければと思います。
追記:古代ギリシャ喜劇の「平和3部作」も合わせてどうぞ
平和への思いは時代を超えていて、
庶民が求めているのはいつでも平和です。
その思いが、古代ギリシャの喜劇作家アリストパネスの残した
「平和3部作」
と呼ばれる三つの喜劇作品に描かれています。
終戦記念日の今日、こちらの作品も時間があればぜひ読んでみていただけると嬉しいです。