日本でも大ヒットの映画
『ワンダーウーマン』
主人公の女性戦士・ダイアナは、
実はギリシャ神話のアマゾン族がモチーフ
となっています。
アマゾン族が主人公の映画! と勇んで見に行ってきましたが、
ちょっと設定がいろいろアレンジされていたので、
オリジナルのギリシャ神話との違いについて、簡単にご紹介したいと思います!
『ワンダーウーマン』はギリシャ神話のアマゾン族!
と、その前に、ちょっとだけ
『ワンダーウーマン』とギリシャ神話の関係について!
この映画
『ワンダーウーマン』
とは、
女性だけの島で育ったダイアナが主人公
人気アメコミのヒロインを、
女性監督のパティ・ジェンキンスが実写映画化した作品です。
爽快なアクションと美しい映像で、全世界で大ヒットを記録しました!!
この予告編で言っているように、
「女だけの島で育った」
というのが、ギリシャ神話のアマゾン族の特徴なんですね!
そうなんです、
この映画の主人公は、ギリシャ神話のアマゾン族がモデル!!
アマゾン族は女だけの民族で、弓や馬、槍を得意とする戦士集団です。
そんなアマゾン族の王女、という設定が、この映画の主人公ダイアナというキャラクターなのです!
*アマゾン族について詳しくは、こちらの記事をあわせてご覧ください!
ですので、
公開前から「アマゾン族が主人公の映画だ!」と、楽しみにしておりました!
実際に鑑賞してみると、映画の出来もとてもよくて、実写で戦うアマゾン族を見れて楽しかったですよ!
*映画を見てのレビューは以下の記事をあわせてご覧ください!
ギリシャ神話と違うトコその1:アマゾン族は島に住んでない
さて、そんなわけで、
この映画
『ワンダーウーマン』
とは、
主人公はギリシャ神話のアマゾン族がモデルの映画!!
なんですが、
実際に映画を見ると、
元ネタのギリシャ神話と違っていたところもたくさん!
ですので、これからその違っていたポイントを解説していきますよ!
まずは・・・
この映画では、
ヒロインであるダイアナの住んでいるところは、
青い海に囲まれた美しい島!
外の世界から隔絶された、というか、異空間なんですけどね。
その美しい島のキレイなビーチで、
クリス・パイン演じるスティーブと、ガル・ガドット演じるダイアナが出会うシーンは、まさに神話の世界!
映画の中では、この島は
「パラダイス島」
と呼ばれているセミスキラ島というところで、ダイアナはセミスキラの王女という設定です。
それじゃ、ギリシャ神話のアマゾン族も、さぞやキレイな島に住んでいたんでしょうね?
と思われるかもしれませんが!!
実はギリシャ神話のアマゾン族は、島には住んでいませんでした
アマゾン族の国は、ギリシャの北のほうのどこかの土地、という設定だったんです。
アマゾン族が馬術と弓に優れている、というのも、北方の騎馬民族の影響じゃないか、と言われています。
だから、アマゾン族たちのいた国は、あんなにキレイな海とビーチの南国な雰囲気のところじゃなくて、
どっちかっていうと、もっと涼しくて山がちな方に住んでたみたいですよ!
というわけで、あのアマゾン族の住む美しい島のイメージは、この映画のオリジナル!
あ、でも、あの海のショットがないと、この映画の見どころも減っちゃうから、
ロケーションを海に囲まれた島にしたかった気持ち、分かります!
ちなみに、このロケ地はイタリアのアマルフィのビーチだったそうですよ!
ということで、
ギリシャじゃないんか〜い!
と全力でツッコミたくなりますが、確かにあれだけの切り立った崖のあるビーチって、あんまりギリシャじゃないかもなあ・・・
とはいえ、このアマルフィ近郊の町ナポリは古代ギリシャ植民都市ネアポリスから発展したもの。
この南部イタリア地域はいわゆる
「マグナ・グラエキア」(大ギリシア)
と呼ばれるあたりで、古代のギリシャ文化圏。
古代ギリシャ植民都市が多く建設され、ギリシャの文化が根付いていた場所でもあります。
というわけで、アマゾン族「ワンダーウーマン」のロケ地としても、そうおかしなわけではない、
ってところが、ギリシャの歴史の面白さですね!!
ギリシャ神話と違うトコその2:ダイアナはギリシャの名前じゃないよ
さて、この映画
『ワンダーウーマン』
ギリシャ神話のアマゾン族と違うトコ、って言っておきたいところはですね、
主人公の「ダイアナ」って名前
なんですけどね!
日本では「ダイアナ妃」で有名ですし、英語圏ではよくある名前です。
この「ダイアナ」とは、もともとは
ローマの女神「ディアナ」(Diana)
からとっていて、
「ディアナ」(Diana)を英語で発音すると「ダイアナ」になるんです!!
う〜んと、だからようするに、「ダイアナ」はローマの女神の名前なので、
ギリシャのアマゾン族の名前としてはおかしいんだけど・・・
でも、ローマの女神「ディアナ」は、ギリシャ神話の女神アルテミスと同一視されたので、
そして女神アルテミスはアマゾン族の守護神と言われているので・・・
オーケー!!
しかも、映画の主人公ダイアナは、アマゾン族のプリンセスでもあるので、
実はそのまんま「プリンセス・ダイアナ」=(ダイアナ妃)なんですよ!!
今なお世界で人気を誇るダイアナ妃。映画の主人公にぴったりです!
ちなみに、映画の中では
主人公ダイアナのお母さんは
ヒッポリタ
将軍であるおばさんは
アンティオペ
という名前で、どちらもちゃんとギリシャ系の名前です。
ちなみに、ちゃんとギリシャ神話に出てきます。
ヒッポリタは古代ではヒッポリュテと言って、神話上のアマゾン族の女王です。
そして、その妹がアンティオペという名前です。
ヒッポリュテが持っていた腰帯を、英雄ヘラクレスが12功業の一つとして取りに来て、
その時にヒッポリュテはヘラクレスに殺されてしまったということです。
また、別の伝承では、
妹アンティオペが連れ去られ、ヒッポリュテは取り返すために英雄テセウスと戦い敗れた、とも言います。
そのまた別の伝承では、ヒッポリュテは敗れた英雄テセウスとの間に、ヒッポリュトスを産んだ、とも伝わっています。
また、それとは違って、
英雄テセウスの妻になったのは妹のアンティオペだ、という話もあります。
というわけで色々なお話がありますが、まあ要するに、
ヒッポリタも、アンティオペも、ギリシャ神話に出てくるアマゾン族の姉妹の名前
をそのまま使っているんです!!
どうせなら、主人公にもそのままギリシャ神話の名前を使って欲しかったんですけど・・・
でも、まあハリウッドの映画ですしね、英語圏の人達にとっては、ギリシャ人の名前は難しいから、
やっぱり主人公には「ダイアナ」が一番覚えてもらいやすかったんだろうな、と思います。
ギリシャ神話と違うトコその3:軍神アレスは悪者なの?!
そして最後に、この映画
『ワンダーウーマン』
設定上、一番ギリシャ神話と違っていたのは、
主人公ダイアナたちが戦う悪の化身が、軍神アレス!!
ということ。
映画の中では、すべての戦争や争いの原因は軍神アレスで、
彼を倒すことですべての戦いを終わらせることができる!!
とダイアナは信じて戦うわけなんですけども。
あの〜、ギリシャ神話では、軍神アレスはそんなダーク・ヒーローじゃないのね!
確かに軍神アレスは凶暴で、最高神ゼウスも持て余してはいるんだけど、
そんな諸悪の根源的ポジションではないですよ!
しかも、ギリシャ神話では、アマゾン族は軍神アレスの血筋、
つまり、軍神アレスの子孫だ、と考えられていたんです!
まあこういう正義のヒーロー/ヒロインものだと、
戦う悪が存在しなくては映画が成立しませんですのでね!!
で、実際軍神アレスは映画の中ではどうだったのよ、ってところは、ネタバレになっちゃいますので、気になる方は映画本編でぜひ見てください!
*ギリシャ神話の軍神アレスについては、以下の記事で詳しくまとめてみましたので、興味を持った方はこちらもどうぞ!
映画『ワンダーウーマン』を見て違いを楽しんでみて!
というわけで、
全世界で大ヒットした映画
『ワンダーウーマン』
その設定で、
元ネタのギリシャ神話と違うところを三つあげて解説してみました!
実際の映画を見ると、元ネタの神話と違うところは色々出てくるので、
ぜひ本編を見て間違い探しも楽しんでみてくださいね!!
映画自体もとっても面白く出来ているので、ぜひ見てアマゾン族の活躍を楽しんでください!
追記:映画『ワンダーウーマン』DVD&ブルーレイ、 動画配信でも楽しめます!
ということでギリシャ神話が題材になっている映画
『ワンダーウーマン』
現在は DVD&ブルーレイが発売中で、動画配信サービスもスタートしておりますよ!
ご自宅でいつでも、アマゾン族のお姫様・ダイアナの活躍を楽しんでくださいね!
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