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ギリシャ神話

ニュクスはギリシャ神話の夜の女神・・・ちょっと不気味なその神話について

ギリシャ神話には天空にまつわる神様たちが数多く登場するのですが、その中から

夜の女神・ニュクス

について、ご紹介したいと思います。

夜の女神、ってちょっと気になりますよね?

ちょっとエッチなイメージだったり?!

いやいや、ニュクスはなんかの女王様とは違いますよ!

ではニュクスってどんな女神だったんでしょう?

簡単に解説しますので、興味ある方はぜひ読んでいってくださいね!

夜の女神ニュクスはカオスから生まれた

さて、

ギリシャ神話の夜の女神・ニュクス

についてですが、

この女神は、「夜」の神格化されたものと考えられています。

ですので、一般的な「夜」もまたギリシャ語では「ニュクス」(Νύξ)と言います。

この夜の女神ニュクスの誕生は、ギリシャ神話の神々の世界の成り立ちの中でも、かなり早い段階です。

ヘシオドスの『神統記』

この中では、原初の世界の形成では、最初にまず、カオス(混沌)が生まれたと書いてあります。

そのカオス(混沌)の子供として、エレボス(幽冥)と、「暗いニュクス(夜)」が生まれた、ということです。

世界の始まりに近いところに「夜」があるのはなんとなく分かる気がしますね〜

混沌とした暗闇があって、そこから徐々に色々なものが生まれていく、というイメージでしょうか。

ニュクス(夜)がヘメラ(昼)を生む

そういうわけで、ギリシャ神話の原初の世界では、

まずカオス(混沌)があって、そこからニュクス(夜)が生まれますが、

面白いのは、この

ニュクス(夜)がヘメラ(昼)を生んだ

というところです。

ヘシオドスの『神統記』では、夜からアイテル(澄明)とヘメレ(ヘメラ/昼)が生まれた、と書いてあります。

昼がやがて夜になる、という考え方じゃなくて、

夜から昼が生まれた、っていうのが面白いですよね。

夜の真っ暗な中から、夜明けが来て昼がやってくる、そこから1日が始まるから、昼から夜が生まれるという逆にはならないんでしょうね!

そんなわけで、ニュクス(夜)からヘメラ(昼)が生まれています。

ま、そこまではいいんですが、そのニュクス(夜)が結婚してヘメラ(昼)を産んだ相手というのが、

カオスから一緒に生まれた兄弟である

エレボス(幽冥)

ええ〜!また近親相姦の話?!

と嫌がられそうですが、そうなんですよ〜

まあ、世界が始まったばかりだから、他に相手がいないんですわ〜

そんなわけで、仕方なく(?)兄弟との間にヘメラ(昼)という子供ができております!

なんかコワイ夜の女神ニュクスの子供たち

さて、夜の女神ニュクスは、ヘメラ(昼)の他にもたくさんの子供たちを産んでいます。

それが不思議なことに、旦那さん抜きで子供を産んだ、ってことになってるんですがね。

エレボス(幽冥)は早々に用済み?

かどうかはわかりませんが、ニュクスが一人で産んだ子どもと言われているのが、

モロス(定業)

ケール(死の運命)

タナトス(死)

ヒュプノス(眠り)

オネイロス(夢)

モモス(非難)

オイジュス(苦悩)

って、ことなんですけど・・・

ずらっと並ぶと、暗いよね。

こういうものが、「夜」と関連付けられて考えられていたんですね、

でも、今の日本人の私たちも、「夜といえば?」って連想ゲームすれば、同じようなメンツになりそうな気もします。

そのほかに、ニュクスの子どもとしては、

黄金のリンゴを守るヘスペリスたち(黄昏の娘たち)

モイラ(運命)

ネメシス(憤り)

アパテ(欺瞞)とピロテス(愛欲)、ゲラス(老い)

エリス(争い)

という、またまた強烈なメンツが挙げられています。

なんか、ニュクス(夜)の子供達って、いいイメージないなあ。

まあそれだけ、古代ギリシャの人たちにとっても、夜の闇は怖いものだったんでしょうね!

ニュクス(夜)の子、エリス(争い)

そんな風に、なんだかおっかない神様たちが並んでいるニュクス(夜)の子どもたちですが、

この中で特に有名なのが、

エリス(争い)

このエリス(争い)は、ギリシャ神話中最大の大戦争・トロイア戦争の原因を作った女神とされています。

聞いたことあるかもしれない有名な神話ですが、

女神テティスとペレウスの結婚式に、エリス(争い)だけが呼んでもらえなかったんですね。

なんでかっていうと、そりゃ「争い」をもたらすから避けられたんですけど、

無視されたらされたで腹いせに、結婚式の最中に、「最も美しい女神へ」黄金のリンゴを投げんだ。

それを見て、女神たちは、「自分が一番美しい女神だ」「いや自分だ」とモメ事に発展。

ヘラアテナアプロディテという、いずれ劣らぬ美しい女神たちの間で決着はつかず、

トロイアの王子パリスが誰が一番美しい女神か決めることになりました。

これが有名な「パリスの審判」!

ルーベンス『パリスの審判』 (1636年)

結局、「パリスの審判」は、女神たちによる審判員パリスの買収合戦となり、

ヘラは「自分を選んだら王様にしてやる」

アテナは「自分を選んだら戦いで勝たせてやる」

アプロディテは「自分を選んだら一番の美女をお前にやろう」

というように、それぞれの得意分野で一番いいオファーを出して自分を選ばせようとするんですね。

結局パリスは、一番の美女をくれると約束した、女神アプロディテを選ぶことになります。

しかし、その一番の美人というのが、よくなかった。

その当時の一番の美女というのが、

絶世の美女ヘレネ!

なんだけど、当時はスパルタ王のメネラオスの奥さんでした。

要するに人妻!

その人妻ヘレネをパリスがトロイアに連れて帰ってしまったために、トロイア戦争が勃発したというわけ。

でもね〜なんでパリスもアプロディテ選ぶかな?

自分だったらもちろん! ヘラを選んで、王様にしてもらうんだ!

そして、一番でもないけど、二番目クラスの美女たちを集めて、ハーレム作るよ!

ニュクス(夜)とヘメラ(昼)は一緒にいれない!

さて、そんなわけで、ニュクス(夜)はたくさんの子供を産みましたが、

一番深く関わりがある子供が、やはり自分と対になる

ヘメラ(昼)

でしょう。

夜と昼は、やっぱりギリシャ神話でもワンセット。

でもね、ニュクス(夜)とヘメラ(昼)は、親子なのに一緒にいられないんです。

ニュクス(夜)とヘメラ(昼)は、ニュクスの館の出入りの時に挨拶するだけなんですって。

ニュクス(夜)が帰ってきたら、ヘメラ(昼)が出て行って、

ヘメラ(昼)が帰ってきたら、ニュクス(夜)が出て行って・・・

そう、そりゃ確かに、夜と昼が同時に家で休んでたら、世界はどうなっちゃうの?

ってことはギリシャ神話でも気づいていたんですね〜

だから親子でも、一緒に食事したり、団欒したりするのは不可能なワケ!

ちょっとかわいそう? でも世界のためにガマンですよ!

ニュクス(夜)は英語の「ナイト」の語源

さて、そんな

夜の女神・ニュクス

ですが、

神話に関しては、上に書いた以外にはあんまりなくて、

ギリシャ神話の中ではわりかし影の薄い方の神様の一人だと思います。

夜なんて、人間の生活と切り離せないのにね!

でも、やっぱり、電気のなかった古代の世界で、闇夜は恐ろしいものだったんだと思いますよ。

そんなわけで、古代ギリシャ人にはあまり良く思われていなかった(?)ニュクスですが、

英語の「夜」(ナイト/night)の語源

として、現代にも名を残すことになりました。

「ニュクス」(Νύξ)が、ゲルマン系の言葉、例えばドイツ語の 「ナハト」(Nacht) に受け継がれ、これが英語の「ナイト」(night)に継承されたのだそう。

今では「ナイト」もすっかり日本語でも定着してますね!

「ナイト」といえば、何を連想する?

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話がそれました。

夜の女神・ニュクスに話を戻すと、そんなわけで、ギリシャ神話では出番は少ない女神ですが、

今でもこうして遠く離れた日本でも流通するような名前を残しましたとさ!

やっぱり夜の女神は偉大だな!

やっぱり夜があってこそ・・・

というわけで、

ギリシャ神話の夜の女神・ニュクス

についてご紹介しました!

ちょっとコワイ子どもたちもたくさんいて、何やら暗いイメージもつきまとう女神ですが、

やっぱり闇夜があってこそ、明るい陽の光もありがたい。

暗い、コワイ部分があってこそ、明るい希望も引き立つというものです。

だから私たちには夜の女神・ニュクスはやっぱりなくてはならないものなんですよね。

というか、世界から夜がなくなったら、まず何よりも夜寝る事が出来なくなりますからね!

日本人なんてまたついつい残業して、みんな過労死で滅びてしまいますよ!

ああ、夜があってよかった!

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