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ギリシャ悲劇

「王女メディア」平幹二朗さん追悼

またまた、とても残念なニュース。

ギリシャ悲劇「王女メディア」の上演で、

蜷川幸雄さんとともに日本に、いや世界に名を轟かせた

平幹二朗さんが10月23日に急死されました。

ギリシャ悲劇の上演で、日本の演劇史に大きな足跡を残された平幹二朗さん。

本日はそんな平幹二朗さんとギリシャ悲劇「メーデイア」について。

蜷川幸雄とタッグを組んで「王女メディア」

平幹二朗さんは、1933年広島生まれ。

1956年に劇団俳優座に所属し、俳優デビュー。すぐに頭角を現し、注目の新進俳優となります。

1976年からは蜷川幸雄さんとタッグを組んでの活動をスタート。

1978年には、この蜷川さんとのコンビで、伝説の舞台

「王女メディア」が初演されました。

蜷川さんは、ギリシャ悲劇の王女メーデイアを、男性である平幹二朗さんに演じさせ、その斬新な演出により大きな話題となりました。

豪華絢爛な衣装と、派手なメイクで、今見ても全く古さを感じさせません。

Ninagawa's Medea (1984)
Medea - Ending

この王女「メディア」は、1983年にはギリシャ・イタリアでも上演。

ギリシャ悲劇の本場でも、高い評価を受けることとなりました。

これは日本人の演出家・俳優としては、快挙と言っていいでしょう。

Ancient Theatre of Epidaurus

その他に蜷川さんと組んだギリシャ悲劇を原作とした作品としては、「グリークス」があります。

こちらは、10本のギリシャ悲劇をまとめた作品。

このように、蜷川幸雄さんと、平幹二朗さんは、

日本でのギリシャ悲劇上演において、大きな功績を残されたお二人。

まさか今年に相次いでこの世から旅立たれるとは・・・

蜷川さんが先に亡くなられて、平さんも寂しい思いをされていたのでしょうか。

お二人の功績をたたえつつ、ご冥福をお祈りしたいと思います。

「王女メディア」は平幹二朗さんのライフワーク!

平幹二朗さんは蜷川幸雄さんの演出で

ギリシャ悲劇の王女メーデイアを演じ、伝説的な舞台を作り上げましたが、

このメーデイアというキャラクターを愛し、亡くなる直前まで演じ続けました。

2012年に、髙瀬久男さんによる新しい演出で「王女メディア」が再演され、

今年2016年も再演し「王女メディア」を演じられました。

(王女メディア公式サイトより)

「長く記憶に残る演技」と高い評価を受けた初演から37年。
熱いアンコールにお応えして、
平幹二朗が、一世一代、ふたたび、メディアに挑む。

平幹二朗は1978年に男優として王女メディア役に挑み、「長く記憶に残る演技」と高い評価を受けました。そして1983年にはアテネの舞台に立ち、ギリシアでギリシア以外の国の人間がギリシア悲劇を演じて初めて絶賛を浴びるという快挙を成し遂げたのです。

そして2012年、髙瀬久男の演出により平幹二朗の『王女メディア』が新しく甦り、日本各地で大絶賛を戴きました。各地の熱いリクエストにお応えして、一世一代、ふたたび、メディアに挑みます。

2012-photo2

「王女メディア」 ダイジェスト映像
王女メディア 初日カーテンコール

2016年上演分のDVDも発売となっているようです。

2016dvdtop

「一世一代」という言葉がふさわしい、名優・平幹二朗による「王女メディア」

まさに、平幹二朗さんにとっては代名詞のような役だったのですね。

原作者のエウリーピデースも、これほどまでに作品を愛してくれて、きっと喜んでいることでしょう。

これだけ長く愛されたのも、エウリーピデースの原作の力とも言えますよね。

今読んでも、現代に通じるようなセリフがたくさん出てきますので、まだ読んだことがない方は、一度読んでみて欲しいです!

ご冥福をお祈りします

ギリシャ悲劇に基づいた「王女メディア」の上演で、大きな功績を残された

平幹二朗さん

ギリシャ悲劇の役柄を、自身の代名詞にするまでものにできる役者さんが、今後日本で現れることがあるんでしょうか。

日本の演劇界だけではなく、ギリシャ悲劇の継承という意味でも、平幹二朗さんが亡くなられたことは大きな損失と言えると思います。

心よりご冥福をお祈りいたします。

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