女神デメテルに捧げられたエレウシスの秘儀
その内容は今では私たちにはわかりませんが、
その「秘儀」を指した言葉が、意外にも今の私たち日本人におなじみのものになっています。
そう、それは・・・
「ミステリー」!!
小説のジャンルとしても、あるいは日常の謎を指すときでも、よく使われる言葉ですよね。
そう、これもギリシャ語由来の言葉だったのです!
もともとは、「ミュステーリオン」
そう、日本人にもすっかりお馴染みになった言葉、
「ミステリー」
これはもちろん、英語の mystery が輸入されて、カタカナの「ミステリー」となって定着したものです。
意味としては、「何か理解不可能なもの」、「秘密」、「はっきりしないもの」などを指し、
一番よく使われているのは、小説のジャンルの「ミステリー」じゃないでしょうか?
松本清張、京極夏彦、宮部みゆきなど、人気ミステリー作家がすぐに頭に浮かんできますよね。
そんなふうに日本に定着した言葉「ミステリー」ですが、
その言語の意味でほとんど日本では使われていない意味があるのです。
それが
「ギリシャやローマの秘密の儀式」
を指すという用法。
そう、英語圏の人達にとっては、mystery は小説ばかりじゃなくて、古代ギリシャ・ローマで行われていた、秘密の儀礼も指す言葉なのです。
なぜなら、もともと英語の mystery は、
ギリシャ語の「ミュステーリオン」(μυστήριον)
が語源だからなのです。
この「ミュステーリオン」は、古代ギリシャで行われていた、加入者以外には詳細を明かしてはいけない秘密の儀式を指す言葉として使われていました。
昨日ご紹介した、女神デメテルに捧げた「エレウシスの秘儀」はもちろんですが、
古代ギリシャでは大小様々な秘密の儀礼があって、各地で密やかに行われていたんです。
ですから、もともとは、とっても厳かな意味合いの言葉だったんですね。
そんな言葉が、今や日本にまで流れ着いて日常語として定着するなんて、
まさに女神デメテルのお力かも?!
日本ではミステリーが人気?
そんなふうに日本にやってきた
「ミステリー」
日本では「秘密の儀式」のことはすっかり忘れられて、気軽な言葉になっているように思います。
でも、例えば「置物をいくら同じ場所に戻しても、いつの間にか別の場所に移動してしまうミステリー!」とかみたいに
「謎」「不思議なこと」という用法で使われることは多いので、この言葉の神秘的な部分は残っているように思いますね。
そして小説のジャンルとしての「ミステリー」で言えば、
今出版不況と言われていても、「ミステリー」はいつも大人気で、続々と映画化されているし、小説もよく売れていますよね。
例えば、湊かなえさんなんて、次から次へと映像化されていて、人気だなあ、と思います。
「どっか〜ん」の
「告白」
白ゆき姫殺人事件
どれも映画も大ヒット!!
そして、押しも押されぬ人気作家・宮部みゆきさんは
模倣犯
ソロモンの偽証
これ以外にも、続々と映像化されて、いや、大変な人気。
これだけミステリーが爆発的ヒットを連発すると、日本人ってやっぱりミステリーが好きよね、と思ってしまう。
日本人も、感性として不可思議なもの、謎なものに魅力を感じる傾向があるのかなあ、と思いますね。
正直、毎日のように「ミステリー」って言葉を聞いたり、見かけたりしているような気がします。
遠い日本で、これほどに利用頻度の高い言葉になったのは、きっとギリシヤ人も嬉しいはず?!
秘密にドキドキしてみて!
というわけで、
日本ですっかり定着した言葉「ミステリー」は、
ギリシャ語の「ミュステーリオン」に由来する言葉でした!
というお話でした。
日本では「秘密の儀式」では使われませんが、すっかり日常語になりましたよね。
これもきっと、日本人もギリシャ人と同じように、不可思議な力、人間の目には見えない力を大切にする人たちだからなんじゃないかな?
と思ったりもしています。
だから「ミステリー」と聞くと、不可思議なものに引き寄せられてドキドキしちゃったりするんじゃないでしょうか?
気がついたら自分の本棚はミステリーばっかりだな・・・と思う方は、きっとそういう傾向があると思いますよ〜
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