世界に衝撃を与えた
イギリスEU離脱のニュース!!
世界経済悪化だ、
EU圏崩壊だ、
日本も巻き添えで経済悪化だ、
と様々な憶測を呼んでいますが、
いったい今後EUはどうなるのでしょう? そしてEUにおんぶに抱っこのギリシャはどうなるのでしょう?
イギリスでも未だに賛否両論
なんだかんだ揉めても、結局EU残留になるだろう・・・
そんな予想を見事に裏切った、今回のイギリスの国民投票。
でも、一番びっくりしてるのは、イギリス国民自身なのかもしれませんね。
「もう一度国民投票やってくれ〜」という署名運動まで起きていますよ!
やり直し請願250万人 ロンドン独立署名も
英国民投票で欧州連合(EU)離脱の結論が出たことを受け、英下院の請願サイトで26日未明までに、投票のやり直しを求める署名が250万人を超えた。インターネット上ではロンドンの独立とEU加盟を求める署名活動も展開され、約15万人の署名が集まった。
いずれも実現可能性はほとんどないが、僅差の結果だったことで、EU残留派の反発が強まっている。
(http://www.sankei.com/world/news/160626/wor1606260012-n1.html より引用)
まさに、国を二分する議論とはこのことですね。
EU残留派は今回の結果に全く納得していないし、できたら戻りたいと思っている。
でも、そんなに何回も国民投票できるわけないでしょ?
まあでも、もう一回投票したら、今度は「残留」になったら笑えますが。
それでも、もう一回投票しても、また同じ結果だったりして?
それくらい、EU反対派も根深いということですよ。
EU反対派は、実は根深い
今回のイギリスのEU離脱で、各国の反EU派が勢いづき、
EU崩壊に向かうのでは?
と心配されています。
実際、今回のイギリス離脱の以前から、
EU各国では右派が勢いづいている状況がありました。
その要因はいろいろありますが、難民・移民の増加問題により、ヨーロッパの保守的な層が拒否感を強めている、ということは確かなようです。
EU離脱 加盟国、割れる反応 移民政策に注文/結束訴え
英国が23日の国民投票で欧州連合(EU)離脱を決めたことを受けて、移民や債務などの問題を抱える加盟国は24日、EUの政策を批判したり、結束を訴えたりした。一方、各国の極右政党などはEUに「ノー」を突き付けた結果を歓迎している。
EUの難民・移民対策に批判的なハンガリーのオルバン首相は24日、「英国は移民に関し自ら判断することを求めていた。EUは今回の経験から学び、人々の声に耳を傾けるべきだ」と主張した。
(http://mainichi.jp/articles/20160625/dde/018/030/013000cより引用)
結局、ヨーロッパのほとんどの人は、それほどグローバル化は望んでいない、ということでしょうか。
移民が職を奪う、という恐怖感もあるのでしょうが、移民がいなくなったって、ヨーロッパの経済は回復しないと思うのですがね?
ギリシャの立場は?
そしてギリシャはどうかというと、
ギリシャはEUと長年、緊縮策について緊張した交渉を重ねてきました。
チプラス首相だって、「緊縮策は嫌だ!」という声に押されて首相になっているのです。
「緊縮はイヤ」という声はつまり、「EUの言ってくる緊縮策はイヤ」ということでもありますので、
EUを面白く思っていない国民は実はたくさんいるはずです。
上の記事の中では、チプラス首相のこんなコメントも紹介されていました。
財政危機でEUのユーロ圏諸国から金融支援を受けるギリシャは、投票結果をEU改革に結びつけようとしている。チプラス首相は「より民主的な欧州の未来図が必要だ」とEUの変革を要求。「財政緊縮策は(域内の)南北間の不平等を拡大した」と指摘した。
ということで、まあこれに応じてEU側が何かをしてくれることはないでしょうが、
結局、緊縮策には不満タラタラなんですよね。
しかも、チプラス首相の言う通り、EU内の経済格差は、歴然としたものがあります。
持てる国(ドイツ・フランスなど)、持たざる国(ギリシャ、スペイン、ポルトガル、イタリア、その他中・東欧諸国)
この二つの地域で、同じ通貨を持つ、っていうのも、なかなか難しいことなんですよね。
ギリシャでも、緊縮策反対派は、
「EU離脱しろ!」「ユーロをやめて、ドラクマ(ギリシャ固有の通貨)に戻ろう!」
という声をあげます。
しかしまあ、ギリシャのような経済基盤の弱い国は、結局EUの大所帯に頼る以外はないですから、当分はEU残留の道を選ぶ以外はないと思いますが。
ユーロをやめてドラクマに戻ったらどうなるか?
国際信用度ゼロに等しい通貨を持つことの恐ろしさは、ギリシャ国民だってよくわかっているはずです。
イギリスポンドは、腐ってもイギリスポンド。
スイスのようにEUに加盟しないでもやっていけてる国もありますから、イギリスはやはり、強気の対応ができるわけですよね。
EUのほころびを直せるか?
というわけで、
イギリスとギリシャでは経済力が違いますから、EUに対して選ぶ道は違う
ということだと思うのですが、
でも結局、
加盟している各国の間に、根強い「EU不信」が広がっている
というのは確かです。
もし、EU諸国がEUというものを本当に維持したいなら、EU体制の刷新など、取り組むべき課題は多いと思いますね。
難民問題でも、EU各国の協調体制はほぼ、機能していないに等しいですので、
今後EU諸国がこの難問にどう取り組んでいくのか、注目されます!
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