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世界遺産 ポンペイの壁画展:農園別荘とディオニュソス神話について

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こんにちは、イレーネです。

世界遺産 ポンペイの壁画展に行ってきたお話は先日書きましたが、

世界遺産 ポンペイの壁画展行ってきました!

この展覧会のもう一つの目玉

カルミアーノの農園別荘立体展示

についてと、

なぜこの別荘の食堂が、ディオニュソス神の壁画で飾られているのか

について、本日はご紹介します!

農園別荘の食堂を立体展示!

この「ポンペイの壁画展」のもう一つの見どころが、

カルミアーノで発掘された、農園別荘の壁画の立体展示です!

このカルミアーノ地区というのはどこかと言うと、

古代のスタビアエのあったあたり。

そう、プリニウスが、噴煙に巻かれて亡くなったとされている場所です。

*プリニウスとスタビアエについては、下記記事をご参照ください。

http://irenekitakami.sunnyday.jp/%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%80%8C%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%8B%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%80%8D%E3%81%8C%E4%B8%96%E7%95%8C%E9%81%BA%E7%94%A3-%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%81%AE%E5%A3%81%E7%94%BB/

そのスタビアエで火山灰に埋もれた農園別荘が発掘され、見事に保存されていた食堂の壁画が見つかりました。

今回の展覧会では、発掘時の配置そのままで、立体的に展示されているのです。

この展示室に一歩入ると、タイムスリップした気分になって、しばし空想を膨らませてしまいました!

一体どんな人たちが、この食堂で食事をとり、会話を弾ませていたのでしょうね。

それにしても、室内の壁いっぱいに見事な壁画が描かれていて、古代スタビアエの人たちが、どれほど贅沢で先進的な生活を送っていたのか、驚かされます!

壁画の主題はディオニュソス

そして、この農園別荘の食堂の壁画のテーマはというと、

今回展示の3面のうち、二つはディオニュソスに関するものです。

それはなぜかというと、この農園別荘では、ワインの製造を行っていたからなんですね!

このこじんまりとした農園別荘からは、出来上がったワインを貯蔵しておく貯蔵室も見つかっています。

そう、ギリシャ神話のディオニュソス神は、ワインの神様としても崇拝されていました。

ワインの初物を捧げるアンテステリア祭というお祭りも、ディオニュソスのために大々的に行われていたんですよ。

ですから、ワインを製造していたこの農園別荘でも、ワインの神様ディオニュソスを壁画の題材に選んでいるのですね!

こちらの「ディオニュソスの凱旋」の壁画では、ディオニュソスは妻となるアリアドネを伴っています。

牛車に乗せられたアリアドネの姿は、残念ながら衣の下のところしか残っていませんが・・・

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アリアドネは、英雄テセウスに恋してミノタウロス退治を手伝いましたが、テセウスがアテナイに帰る途中に、ナクソス島で置き去りにされたということです。

そして、ナクソス島でディオニュソスに発見され、妻とされた、とも伝わっています。

*アリアドネについては、下記記事をご参照ください。

http://irenekitakami.sunnyday.jp/%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%83%A3%E7%A5%9E%E8%A9%B1%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%89%E3%83%8D%E3%81%AF%E5%B0%BD%E3%81%8F%E3%81%97%E3%81%A6%E6%8D%A8%E3%81%A6%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%9F%E5%A5%B3/

もう一つの壁画「ディオニュソスとケレス」では、ディオニュソス神は、農耕の女神デメテル(ローマ神話ではケレス)と寄り添って描かれています。

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こちらの農園別荘では、農耕の女神もワインの神も、とても重要な存在だったことがわかりますね!

本当は怖いディオニュソス

というふうに、「ワインの神様」として優雅に壁画に描かれていると、牧歌的なイメージを持たれるかもしれないディオニュソスですが、

実はギリシャ神話では恐ろしい話も伝わっています。

そもそも、その誕生神話からして、普通ではない!

ディオニュソスは、ゼウスとセメレの間の子とされていますが、

ヘラが二人の仲に嫉妬して、セメレが「本当の姿で自分に会いに来て欲しい」とゼウスに頼むように仕向けます。

しかし、ゼウスは本来の雷の姿でセメレの元に現れたので、セメレは雷に打たれて死んでしまい、

ゼウスはその時セメレのお腹の中にいたディオニュソスを自分の太ももに縫いこんで育てた、ということです。

「ゼウスの太ももから生まれたディオニュソス」なんて、

「桃から生まれた桃太郎」くらいびっくりですよね!(比較になってない?)

そんなディオニュソスは、人間に狂気をもたらす神としても恐れられ、

熱烈なディオニュソス信者の女性たちは狂気におちいり、家を出て野山をさまよい、獣を八つ裂きにして生肉を貪り食った、とも語られていました。

エウリピデスによる悲劇「バッカイ」によると

(*ディオニュソスは「バッコス」という名前でも知られていました)

テーバイ王ペンテウスは、自らの国でディオニュソスを信仰することを禁じたために、

狂気に取り付かれた母親・アガウエたちによって、八つ裂きにされて殺されてしまいます。

狂乱状態のアガウエは、ライオンを殺したと思っていたのですが、だんだんと正気に戻って、

自分が持っているのが自分の息子ペンテウスの首であるのに気がついて嘆き悲しむ、

というシーンは、その場面を想像すると、ぞっとしますね!

ディオニュソスはそういうふうに、人を狂わせる神でもあったのですが、これもワインの性質の一面、という見方もできますね。

ワインは飲んでも、飲まれるな!

バッカイ――バッコスに憑かれた女たち (岩波文庫)

展覧会開催期間もあとわずか!

というわけで、本日は、

「ポンペイ展」のもう一つの目玉、農園別荘の立体展示と、

その壁画のモチーフであるディオニュソス神についてご紹介しました!

この壁画の立体展示は、本当に大迫力なので、ぜひ実物を体感していただきたいと思います!

この「ポンペイ展」も、いよいよ7月3日(日)まで!

興味ある方は、ぜひ会場へどうぞ〜

*この記事に興味を持った方は、こちらもどうぞ!

http://irenekitakami.sunnyday.jp/%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%80%8C%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%8B%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%80%8D%E3%81%8C%E4%B8%96%E7%95%8C%E9%81%BA%E7%94%A3-%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%81%AE%E5%A3%81%E7%94%BB/

http://irenekitakami.sunnyday.jp/%E4%B8%96%E7%95%8C%E9%81%BA%E7%94%A3-%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%81%AE%E5%A3%81%E7%94%BB%E5%B1%95%E8%A1%8C%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%EF%BC%81/



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