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ギリシャにまつわる本

追悼ウンベルト・エーコ「薔薇の名前」とギリシャの関係とは?

世界的に知られる小説家・哲学者・記号学者

ウンベルト・エーコ

が亡くなられました。

享年84歳でした。

ウンベルト・エーコといえば、日本で最も有名なのは、なんと言っても

「薔薇の名前」

です!!

この「薔薇の名前」とギリシャの意外な関係を本日はご紹介します!

ウンベルト・エーコと「薔薇の名前」

さて、本日ご紹介するのは、

ウンベルト・エーコ

1932年イタリア生まれ。

哲学者・記号学者として研究活動に従事する傍ら、

文芸評論家、そして小説家としても活動し、高い評価を得ています。

小説家として最も有名な作品は、1980年に出版された、

『薔薇の名前』

そしてこの作品は、世界各国で翻訳出版され、エーコの代表作に。

1987年には、映画化もされています。

この映画は、日本でもヒットしたので、

映画を通じてウンベルト・エーコの名前を知った人も多いかもしれませんね!

エーコの「薔薇の名前」とギリシャって?

さて、このウンベルト・エーコの小説

「薔薇の名前」

小説でありながら、学者としてのエーコの思想と学識を盛り込んだ、

非常に難解な書物として知られています!

舞台は14世紀の北イタリア。

主人公は、

見習い修道士のアドソ

彼は

師匠のウィリアム修道士

とともに、フランシスコ会とアヴィニョン教皇庁の論争を調停するため、とあるベネディクト会修道院にやってきます。

しかし、その修道院にやってくると、次々と不思議な事件が起こり・・・

それをウィリアム修道士とアドソはどうやって解決するのか?

という推理小説になっています。

この小説にどうギリシャが関わっているのかというと・・・

以下はネタバレ

になってしまうので、これから読みたい!という方は読み飛ばして欲しいのですが、

さすがに出版からかなり時間が経っているので、

ネタバレしても許されるかな〜ということで以下、ご紹介しますね!

結局、この事件が起きたのは、

キリスト教の修道会が、「笑い」を罪とみなして、とある書物を禁書にしていた

という事実からです。

その書物とは・・・

なんと!

古代ギリシャを代表する哲学者の一人である

アリストテレスの『詩学』

これは古代ギリシャで隆盛を見た悲劇について論じる

「悲劇論」

になっているのですが、

なぜかギリシャ喜劇についての

「喜劇論」

は伝わってないんですね。

ではなぜ悲劇しか扱っていなくて、喜劇には言及されていないのか?

それは、古代ギリシャの書物の写本を取り扱った中世の修道院が、

喜劇の「笑い」を罪として、「喜劇論」の部分を禁書にして葬ってしまったからではないのか?

と、まことしやかに囁かれていたりするのです。

それで、この『薔薇の名前』という小説は、

そういうカトリック修道会の「笑い」への考え方と、

幻のアリストテレスの「喜劇論」の話を組み合わせて、壮大なミステリーを作り上げた!

という作品なんですね。

その確かな学識の広さと、豊かな想像力に、エーコの天才ぶりを感じさせられますね〜。

ギリシャ喜劇も面白いです!

ま、しかし、

本当にアリストテレスの「喜劇論」があったかどうかは、今となってはわかりませんが、

幸いにもギリシャ喜劇の作品の写本は生き残りまして、

現在も私たちが読むことができます。

代表的な喜劇作家、アリストパネス

の作品も数多く残っておりますので、

興味ある方は是非読んでみてくださいね!

『女の平和』

こういう作品を読んでみてもらえると分かるのですが、

ギリシャ喜劇って、下ネタ、グロネタ、神様の罵倒、なんでもありのとんでもない世界!!

これを見て、古代ギリシャ市民は大笑いしていたはずですが、

確かに修道院ではこんなの読んでたら、怒られそうだな〜

特にエロネタも満載だから・・・

確かに、禁書になっていた、という説も、現実味があるような気がしますよ!

やっぱり、ウンベルト・エーコは天才だけじゃなくて、

過去の出来事を透視する超能力者だった?!

な〜んてね!

ぜひ『薔薇の名前』読んでみてね!

というわけで本日は、考えるといろいろ楽しい

ウンベルト・エーコの『薔薇の名前』と古代ギリシャの喜劇のお話でした!!

この記事を読んでちょっとでも気になった方は、ぜひエーコの大作『薔薇の名前』を読んでみてね!

読んだだけで頭が良くなったような気がする難解作!

ぜひチャレンジしてみてくださいね〜!

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