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ギリシャ神話

「ヴィーナス」と「アフロディテ」ってどう違うの?その違いを簡単解説!

ギリシャ神話って、日本ではよく知られているようで、

意外と基本的なところを知られていなかったりします。

それというのも、欧米と違って、きちんとギリシャ神話を学校で習ったりする機会がありませんからね!

ですから、

「ヴィーナス」と「アフロディテ」の違いを説明してください!

と言われると、言葉に詰まっちゃう方、意外といませんか?

え?それって同じなんじゃないの?

いやいや、別の神様かな?

と思っているアナタ!!

そんなギリシャ神話の基本の「き」、「ヴィーナス」と「アフロディテ」の違いを簡単にご紹介しますので、よかったら読んでいってくださいね!

ギリシャ神話では「アフロディテ」

さて、それではさっそく、

「ヴィーナス」と「アフロディテ」の違いとは?!

そういうふうに言われると、

「ヴィーナス」と「アフロディテ」って、同じ女神のことでしょう?

と思う方も多いと思うのですが・・・

いやいや、この名前の違いというのは、言語も文化も異なる、ギリシャとローマという二つの文化の間の違いになりますので、

実は無視できないものなんです!

そもそも、ギリシャ語を話したギリシャ人たちの築いたのがギリシャ文明というわけですが、

そのギリシャ人たちが自分の神々について語ったのを、通常まとめて

「ギリシャ神話」

と呼びます。

そのギリシャ人たちが語った神々の中の一人が

愛と美の女神・アフロディテ

*名前の表記については長母音をつけて「アプロディーテー」、あるいは「アフロディーテー」、長母音なしで「アプロディテ」、「アフロディテ」とも書かれます。

ですから、

「ギリシャ神話」では「アフロディテ」という女神がおりまして、

「ヴィーナス」という女神はいないんですよ!

ホメロスの『イリアス』や、ヘシオドスの『神統記』を見てもらえれば、

全部名前は

「アフロディテ」

になっているのが見てもらえると思いますよ!

気になった方は、チェックしてみてくださいね!

いや〜、これ結構基本的な間違いで、私もよく

「ギリシャ神話ってあれですよね、美の女神ヴィーナスとかですよね?」

と人から言われて、その場合は「ええ、まあ・・・」と言葉を濁して答えています。

だって、せっかく好意的にギリシャ神話について話してくれているのに、「違いますよ!」って否定するの、悪いなあ〜と思っちゃうんですもの。

でもね!

ここでははっきり「違いますよ!」と書いておきます。

ギリシャ神話には「ヴィーナス」は登場しないの!

間違えないでね!

「ヴィーナス」はローマ神話から

さて、それでは一体「ヴィーナス」というのはどこから来たんでしょう?

それはギリシャの文化が花開いてから数百年経ったころ、

ローマ人も確固とした文明を築き、

ローマ帝国

という強靭な国家を作り上げました。

その際に、

先行文明であるギリシャから、文芸・芸術・学問等、多くを吸収していった

というのは、歴史の教科書で習った通りです。

ラテン文学の最高峰と言われる

ウェルギリウス

オウィディウス

彼らはギリシャ神話に基づいて自らの著作を書き上げました。

まあ、和歌なんかでいう、「本歌取り」みたいなもんです。

「本歌取り」と言うより「リメイク」といった方が近いかな。

ギリシャ神話を「ローマ風」にアレンジして、ローマ人の言葉であるラテン語で書いたわけです。

その際に、

オリジナルのギリシャ神話に出てくる神々に、

自らのローマの神々の中から、性質の似通っている神の名前を当てていきました。

ゼウス → ユピテル

ヘラ → ユノ

ポセイドン → ネプトゥヌス

といった具合にです。

そうして、

「アフロディテ」に割り当てられたのが、

「ウエヌス」という女神!

ということなのです!

ですから、

オウィディウスの『変身物語』

をみると、アフロディテの有名な神話が、

「ウエヌス」

の名前を当てられて、ローマ風になって語られているんですね。

で、このローマでラテン語の

「ウエヌス」(Venus)を英語読みすると

「ヴィーナス」!!

となるのです!

*ラテン語だと「V」は「ウ」の発音なのですが、英語だと「ヴ」となる違いがあるからですねっ

ですから、

「ギリシャ神話にヴィーナスって女神が出てくるよね」って言うのは、

言ってる本人が思っている以上に、おかしなことなんですよね!

「ヴィーナス」は、ローマ神話の「ウエヌス」女神ですからね〜

*ちなみに、「アフロディテ」(Aphrodite)は英語読みすると「アフロダイティ」です。英語では「i」を「アイ」と発音するからですね。でもそうなると全然違う神様の名前みたい!

「ミロのヴィーナス」も正しくは・・・

というわけで、

「ギリシャ神話にヴィーナス」

というのはおかしな話なんですが、

なんでこんなに、日本人に「ヴィーナス」の方が浸透してしまったかというと、

やはり・・・

かの有名な彫刻

「ミロのヴィーナス」

のせいでしょう!

日本でギリシャ神話をよく知らない人がいても、さすがに「ミロのヴィーナス」を知らない人はいないのでは?

というくらい、有名なこの作品!

やっぱり美しいですよね!

何度見ても見惚れてしまいます。

そんな、ギリシャ彫刻の最高峰ともされるこの作品は、通称

「ミロのヴィーナス」

として知られています。

しかし・・・

この彫刻は

ギリシャのミロス島

で見つかったもので、想定される制作年代は紀元前130年頃と考えられています。

ですので、ローマ名をつけて呼ぶのはなんだかかわいそう...

これが日本で

「ミロのヴィーナス」

と呼ばれているのは、

この彫刻を展示しているフランスのルーブル美術館で、

「Vénus de Milo」

と呼ばれていることに由来しています。

そういう事情ですので、この作品を正しく呼ぶならば、

ギリシャ語の「Αφροδίτη της Μήλου」

にならって、

「ミロス島のアフロディテ」

と呼ぶべきなのではないでしょうか?

ん?長い?

いや、そうだけど・・・

ぜひギリシャ式の本名で呼んでください!

きっとこの彫刻ご本人も、

「アタシはアフロディテなんだけど・・・」

と思ってるはず?!

「ヴィーナス」と「アフロディテ」は違うから、一緒にしないでね!

というわけで、

「ヴィーナス」と「アフロディテ」の違い、分かっていただけたでしょうか?

「ヴィーナス」と「アフロディテ」って、同じでしょう?

と思っていたアナタ!

今日から、

「この二つは別物」

と思ってもらえれば嬉しいです。

いや、本当に、そこらの書店で売ってる「ギリシャ神話物語」的な本では、

本気で「アフロディテ」ではなくて、「ヴィーナス」とか書かれてるのがあったりするので、結構笑えません。

えっと、「ギリシャ神話」の本なんですよね? と突っ込みたくなります。

まあ・・・

ローマはギリシャ文化の多くを吸収して文化を発展させたので、かなりの部分が本家ギリシャに頼っているのは事実なのですが・・・

やっぱりローマ人がラテン語で書いた神々の物語

それが、

そのままギリシャ人が考えていた神々そのものか?

というと・・・

「そうです!」と断言はできないですよね??

それには大きな疑問符はついてしまうのですよ!

というお話でした!

さあ、これでアナタも、「ヴィーナス」と「アフロディテ」の違いが分かりましたね?

次回居酒屋さんに行った時にでも、ぜひこのウンチクを語ってみてくださいね!

*ギリシャ神話のアフロディテについて詳しくは、こちらの記事も合わせてどうぞ!

>>アフロディテは女神界最強の美女?!

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