本日ご紹介するのは、
ギリシャの海運王 アリストテレス・オナシス!!
難民の境遇から巨万の富を築き、華やかな女性遍歴でもその名を知られていて、中でも世界をにぎわせたのは、
ギリシャを、そして世界を代表する大オペラ歌手
マリア・カラス
との長年の愛憎関係!
そんな華やかな大富豪の生涯、ご紹介しましょう!
難民として故郷を離れたオナシス
さて、本日ご紹介する
アリストテレス・オナシス(Αριστοτέλης Ωνάσης)
彼は、
1906年に、現在のトルコ領イズミルで生まれました。
とは言ってもトルコ人ではなく、
このイズミルは、古代からギリシャ人が居住していたスミルナと呼ばれていた場所で、
オスマン帝国時代もそのまま居住していました。
オナシスはそんなギリシャ人家庭で生まれたので、ギリシャ人なのです。
しかし、第1次大戦後のオスマン帝国が崩壊したことにより、事情は一変!
ギリシャ軍がこの古来からギリシャ人が住んでいた土地を奪還しようとして攻め込み、
それを現在トルコの建国の父ケマル・アタテュルクが反撃して押し返し、
紛争地帯となってしまいました・・・
そのため、オナシス一家は昔から住んでいたスミルナから移民せざるを得なくなり、
ギリシャ本土へ渡って行ったそうです。
そう、要するに難民です。
オナシス一家は全ての財産も失って、一文無しになって対岸の母国に帰るしかなくなったのです。
エリア・カザン
もそうでしたが、この時期、多くのギリシャ人が紛争を逃れてトルコ領から移民して行ったのですね。
*映画監督として世界に名をはせる活躍をしたエリア・カザンについては、こちらの記事も合わせてどうぞ!
海運業で大富豪に!!
そしてその後母国ギリシャも離れ、1923年、オナシス17歳のときに、
難民パスポートを持ってアルゼンチンに渡航。
そこで、タバコの輸入業で成功し、海運業へと進出。
やがてこの海運業は規模を拡大し、オナシスは
世界に名をはせる海運王
となっていきます。
このようにキャリアが順調に伸びたのは、
1946年にギリシャの海運王として知られたスタブロス・リバノスの娘
アシーナと結婚したのも一因のようです。
結婚当時アシーナは17歳、対してオナシスは40歳。
え〜! 政略結婚の匂いがするな・・・
オリンピック航空設立
さらに大富豪となったオナシスは
1957年にギリシャ国営航空会社T.A.E.を買収
現在もギリシャの国内便を中心に運行を続ける
オリンピック航空
を設立しました!
やっぱり大富豪になると、航空会社を持ちたくなるのかな?
ヴァージン・グループのリチャード・ブランソンみたい?
まあ、海運業自体は、次第に発達してきた航空便に利益を持っていかれるようになってきたのも、事業拡大の一因かもしれませんね!
その後オリンピック航空は1974年に国営になり、2009年には民営化されています。
そして2013年からは、エーゲ航空の子会社化されてました。
ですので、今私たちが乗るオリンピック航空は、「あのオナシスの」というわけではないですが、
少なくとも「オリンピック航空」って名前はオナシス命名のままずっと使い続けられていますよ!
ギリシャに行ったら、島などに行くときにぜひ一度利用してみてくださいね!
マリア・カラスとの恋愛関係!
さて、オナシスの私生活についてですが、
アシーナと年の離れた政略結婚?とおぼしき結婚生活を続けていましたが、
1957年にヴェニスで、ギリシャが産んだ世界のソプラノ
マリア・カラス
に出会い、恋に落ちます!
惹かれあった二人は愛人関係となり、
オナシスは1960年にはアシーナと離婚してしまいます。
しか〜し!
オナシスはこれでマリア・カラスと結婚するかと思いきや、全くそのそぶりを見せず
1968年には、あのアメリカのケネディ大統領と結婚していて、大統領暗殺により未亡人になっていた
ジャクリーン・ケネディ
と、電撃結婚してしまうのです!
*ダラスに到着直後のケネディ大統領夫妻(1963年11月22日11時40分)
なんで〜?!
なんで、マリア・カラスじゃないの?
と世界も驚いたというこの結婚。
まあ、どちらも巨額の財産を持っている同士ですから、これも政略結婚の匂いがするな・・・
そのせいかどうか、結局この夫婦もあまりうまくいっていなかったようです。
しかもオナシスは・・・
ジャクリーンとの結婚後も、カラスとの関係を続けていたそうです!
え〜、マリア・カラスほどの女性でも、
そうまでされてもこの男にしがみついたんですか?!
とつい、思ってしまいますが、それほどまでにカラスはオナシスを心から愛していたのでしょうね・・・
苦労して身を立てた才能のあるオナシス
そして金持ちのプレイボーイのギリシャ男・・・
人間的にも魅力にあふれた男性だったのかもしれませんね。
オナシスは恋多き女性だったマリア・カラスが、生涯唯一愛し続けた男性とも言われていますよ!
オナシスは結局カラスとは結婚しないまま、
1975年に69歳で逝去します。
マリア・カラスはオナシスの死を悲しみ、失意の中で1977年に53歳の若さで逝去しています。
カラスの死については今も謎の死として取りざたされていますが、
深く愛した男性を失ったことも、彼女の生きる気力を奪ってしまったのかもしれませんね・・・
*マリア・カラスが晩年にもオナシスを愛し続けたエピソードは、カラスの伝記映画にも出てきますよ!
*ギリシャが産んだ「20世紀最高のソプラノ」マリア・カラスについて詳しくは、こちらの記事も合わせてどうぞ!
オナシスはかつての海運業の輝きとともに
というわけで本日は、
ギリシャの海運王 アリストテレス・オナシス
そのドラマのような生涯をご紹介しました!
世界を代表する大オペラ歌手
マリア・カラス
との長年の恋愛など、華やかな話題に事欠かなかったその生涯。
オナシスは今も、ギリシャの海運王として人々の記憶に強く刻まれていることは間違いありません。
しかし、現在ではギリシャの海運業もすっかり斜陽産業で、廃れてしまって、
再びこんな華やかな大富豪がギリシャに登場することはないのかな〜・・・
と、それも寂しく思わせられる、そんなオナシスの人生ですね。
それでも彼が残したオナシス財団、オリンピック航空などは今でもギリシャで健在ですので、
ギリシャを訪れる機会があったら、ぜひオナシスの劇的な人生も思い出してあげてくださいね!
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