どうも! イレーネです。
本日は、ギリシャで今でも受け継がれている
ギリシャ神話由来の名前
をご紹介しましょう!
本日は
オレスティス
という名前について。
実はこの名前は、ギリシャ神話に登場する悲劇の王子の名前なのです!
「オレスティス」は神話の英雄「オレステース」!!
さて、そういうわけで本日は、
ギリシャによくいる
オレスティス
という名前についてご紹介しますよ。
この名前で有名人といえば、
サッカーのブラジルW杯で日本を苦しめたギリシャ代表
そのゴールキーパーの名前は
オレスティス・カルネジス!!
こんな感じで、現代のギリシャには割と多くいる
「オレスティスさん」なのですが、
その名前はギリシャ神話に登場する英雄
オレステース(Ὀρέστης)
に由来します。
この名前が現代ギリシャ語読みだと
「オレスティス」
になるのですね。
それにしても、ギリシャ神話の登場人物の名前を現在も受け継いでいるなんて、オドロキ?!
ギリシャ神話の英雄「オレステース」とは?
では、こうして現代の
「オレスティスさん」たちに名前を授けている
ギリシャ神話に登場する英雄
オレステース(Ὀρέστης)
とは、どんな人物だったのでしょう?
ギリシャ神話の中では、
オレステース(Ὀρέστης)
とは、
トロイアー戦争のギリシャ勢の総大将・アガメムノーン王の息子
のことです。
トロイアー戦争は、ギリシャ神話に語り継がれる10年に及んだ大戦争。
この戦いに勝利した後、アガメムノーン王は故国のアルゴスへ帰りますが、
10年もの長い不在の間に、妻クリュタイメーストラーには、愛人ができていました。
アガメムノーン王にはすでに愛情の無くなったクリュタイメーストラーは、
この愛人アイギストスと共謀し、アガメムノーンを暗殺してしまいます。
この時オレステースはどうしていたかというと、
まだ小さかったため、他所に預けられていて難を逃れました。
しかし、時は流れ、オレステースはたくましい青年へと成長します。
そうして、父アガメムノーンの仇を討つため、長く離れていた我が家へと戻ってきます。
実の母親であるクリュタイメーストラーは、いまや実の父を殺した仇!
その愛人アイギストスと、二人まとめて殺してしまいました。
父の仇を討つためとはいえ、実の母親を殺してしまうとは・・・
オレステースの悲しい運命!
そして、オレステースはこの
「母殺し」
の罪のために、復讐の女神エリーニュースたちに追われてしまう・・・
という、身内同士の悲しい殺人にまつわる神話となっています。
というわけで、
ギリシャ神話の中では、
オレステース(Ὀρέστης)
というのは、父の仇として、実の母親を殺さなくてはいけなかった、という
悲しい運命に翻弄された英雄なのです!
*オレステースの母親クリュタイメーストラーについて詳しくは、こちらの記事も合わせてご覧ください!
現代でも受け継がれる神話の英雄の名前!
というわけで、
現代でも受け継がれている
「オレスティス」
という名前は、ギリシャ神話に登場する英雄
オレステース(Ὀρέστης)
に由来しますよ、というお話でした!
しかーし、由来となった神話を聞くと、日本の多くの方は、
げげ、そんな不吉な名前を子供につけちゃっていいの?!
と思うかもしれません。
そりゃそうです。
神話みたいに、母親を殺すような運命になっては大変だと思うのですが・・・
いやいや、
ギリシャ人はそんな小せーことは気にしないのですよ
アガメムノーン王と一緒に殺されてしまったトロイアの王女
カッサンドラ
の名前も、今でもフツーに受け継がれていますからね!
*「カッサンドラ」という名前について詳しくは、こちらの記事もご参照ください!
というわけで、
ギリシャに行って、いろんな方の名前を聞いてみると、
こんなふうにギリシャ神話に由来する名前の方達に出くわしますので、
ギリシャ神話も色々読んでからギリシャ旅行に行くと、楽しいですよ〜!
ぜひ、いろいろ読んでみてくださいね!
*オレステースについてのお話は、こちらの全集に収録されていますので、ご参照ください!
*エウリピデスの悲劇『オレステス』を蜷川さんが演出した舞台もどうぞ!