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ハリー・ポッターとギリシャ神話

「ハリー・ポッターと賢者の石」ギリシャネタを10個解説するよ!

今なお世界的人気を誇る

「ハリー・ポッター」シリーズ!!

映画版でも大ヒットで、今なお何度もテレビで放送もされています。

そんな大人気シリーズの第1作

『ハリー・ポッターと賢者の石』

この中に、どれくらいギリシャネタが入ってるか、ポイント解説します!

これを読めば、どれくらい「ハリー・ポッター」シリーズがギリシャネタに頼っているのか、よく分かりますよ!

「ハリー・ポッターと賢者の石」にはギリシャ神話のネタがいっぱい!

ということで、さっそく

大人気シリーズの第1作

『ハリー・ポッターと賢者の石』

この中に、どれくらいギリシャネタが入ってるか、ポイント解説していきますね!

こんなにたくさんギリシャ神話のネタが入っていると分かったら、

ハリー・ポッターファンの方たちは改めてギリシャ神話を見直すことになるかも?!

「魔法使い」の元ネタはギリシャ神話から!

ということで、全世界で大人気を誇る「ハリー・ポッター」シリーズ第1作

『ハリー・ポッターと賢者の石』

この作品が全世界で熱狂的に受け入れられて、一大ブームを巻き起こすことになるのですが、

その人気の理由はもちろん、

主人公が魔法使い!!

魔法を教える学校「ホグワーツ」に入って、一人前の魔法使いになるべく勉強しながら、ヴォルデモートという宿敵と戦う!

というストーリーに、世界中の人々が夢中になったのでした。

でも、この「魔法使い」って、そもそもどこに起源があるの?

ということですが、

紀元前8世紀頃に成立したと考えられている、ホメーロスの『オデュッセイアー』には、すでに不思議な魔術を使う

魔女キルケー

が登場しています。

これがヨーロッパ最古の文学となりますから、

ヨーロッパ系の「魔法使い」の伝承の、一番古い起源はギリシャ神話

というわけなんですね!

そもそも、英語で魔法を表す言葉

「マジック」(magic)

だって、

語源はギリシャ語の、「魔術師」を表す

「マゴス」(μάγος)

その形容詞で「魔術の」を表す

「マギコス」(μαγικός)

から派生した言葉なんですよ。

ですから、

このギリシャ神話の「魔術師」が現代によみがえったのが、

「ハリー・ポッター」ともいえるわけです。

*ギリシャ神話の魔女キルケーについて詳しくは、こちらの記事もご参照ください!

>>ギリシャ神話の魔女キルケー!人間たちを惑わせたその魔術とは?

「ダイアゴン横丁」はギリシャ語起源

さて、この映画の中では

自分が魔法使いであると初めて知らされたハリー・ポッターは、

ハグリットと一緒に、ホグワーツ魔法学校入学の準備のため、学校の必需品を買いに出かけます。

買い物に出かけた先は、魔法界の人たちが集う

「ダイアゴン横丁」

英語では

Diagon Alley

と言いますが、これは英語の

Diagonally(斜めの)

をもじったもの。

この

diagonal(斜め)

という言葉は、

もともとはギリシャ語の

「ディアゴーニオス」(διαγώνιος)

という言葉が起源なのです。

ギリシャ語で、同じく「斜め」という意味でした。

魔法界の地名もギリシャ語なんて、さすがはギリシャ神話に詳しいJ.K.ローリング女史!

ハリーのペットの白いフクロウであるヘドウィグは、この横丁で売られていました。

「ハーマイオニー」はギリシャ神話の登場人物の名前!

そして、ダイアゴン横丁で買い物を済ませたハリーは、

「ホグワーツ特急」

に乗ってホグワーツ魔法学校へ向かいます。

その電車の中で出会ったのが、その後親友となるロン・ウィーズリーと

ハーマイオニー・グレンジャー!

この

ハーマイオニー

という名前は、ギリシャ神話の登場人物

「ヘルミオネー」

の英語読みです。

Hermione

という英語表記を見れば、確かに「ヘルミオネー」と書いてあるでしょ?

ヘルミオネーはギリシャ神話では、スパルタ王メネラーオスと、トロイア戦争の原因となった絶世の美女・ヘレネーとの間の娘。

ヘルミオネーはトロイア戦争の終結とともに、数奇な運命に巻き込まれていくことになります。

そんな女性の名前を持つハーマイオニーは、「ハリー・ポッター」シリーズでは、ハリーの親友として、シリーズを通じて大活躍。

作者のJ.K.ローリングさんの、ギリシャ神話に対する愛が感じられます!

*ヘルミオネーについての詳しい話は、次の記事もあわせてご参照ください!

>>ハーマイオニーはギリシャ神話の登場人物の名前!その意外な由来とは[ハリー・ポッター]

「ドラコ」も語源はギリシャ語

そして、ホグワーツでハリー・ポッターと敵対する生徒役が、

ドラコ・マルフォイ!!

意地悪で、イヤなやつですよね〜

その名前がおかしい、という設定の

「ドラコ」

ですが、

その名前は「ドラゴン」と同じで、

ギリシャ語の「ドラコーン」(δράκων)

に由来します。

古代ギリシャの時代には、「蛇」、「大蛇」を指す言葉でした。

これは、のちにヨーロッパの伝承で、「ドラゴン」という想像上の竜として受け継がれていきました。

だから、「ドラコ」という名前を日本風にするなら、「龍雄」「龍之介」って感じかな?

ドラコ・マルフォイは、ハリーたちとは違う

「スリザリン寮」

に入りますが、

こちらの「スリザリン」のシンボルマークは

蛇!

そして

「ヴォルデモート」も蛇と関係がある

というのも、ポイントですよね。

そして実は、ハリー・ポッター自身も、蛇とは深い関連があります。

実は色々リンクが張られていたんですね!

ドラコ・マルフォイも、イヤな奴だけど、最後まで重要人物でしたよね!

*「ドラコ」という名前については、こちらの記事も合わせてどうぞ!

>>ドラコ・マルフォイの「ドラコ」もギリシャ由来の名前です![ハリー・ポッター]

「ドラゴン」もギリシャ神話時代から

そして、「竜」を意味する

「ドラゴン」

も、「ハリー・ポッター」シリーズで出てきますよね。

この第1作「ハリー・ポッターと賢者の石」でも、

ハグリットがドラゴンを卵からかえしています。

ギリシャ神話では、魔女メーデイアが最後に逃亡するときに乗るのが、

ドラゴンが引く竜車

ということです。

やっぱり魔女・魔法使いとドラゴンはよく似合う?

*魔女メーデイアについて詳しくは、こちらの記事をあわせてご参照ください。

>> ギリシャ神話の魔女メーデイアは、最強にして最凶!その悲劇的な物語とは

三つの頭を持つ犬は冥界の番犬ケルベロス

そして、ハーマイオニーとロンと親友になったハリー・ポッターは、

ホグワーツ城に隠されている「あるもの」をスネイプ先生が狙っている、と思って突き止めようとします。

その途中で出会ったのが、

三つの頭を持つ番犬!!

ハーマイオニーが見抜いた通り、地下に通じる出入り口を守っています。

この三つの頭を持つ番犬は、

ギリシャ神話に登場する地獄の番犬「ケルベロス」

です。

冥界の門を守っていると考えられていて、この犬がいるので、冥界には勝手に出入りできないのですね。

ただ、この犬をおとなしくさせる方法が一つだけあって、

それは音楽を聴かせること!!

映画の中では、ハープが魔法で自動的に演奏されていて、その間はいびきをかいて寝ている、という場面があるのですが、

このエピソードは、

ギリシャ神話のオルペウスの竪琴

のお話に由来します。

オルペウスは竪琴の名手で、その音色にはあらゆるものがうっとりと聴き入ったということです。

オルペウスは妻のエウリュディケーを愛していたのですが、ある日蛇に噛まれて亡くなってしまいました。

その妻に会いたくて、オルペウスは冥界まで妻を取り戻しに行くのです。

ケルベロスも冥界の全てのものもオルペウスの音楽にうっとりと聴き入ったそうです。

このシーンが、「ハリー・ポッターと賢者の石」で、ハリーたちが地下に行く時に再現されているので、良かったらぜひ見直してみてくださいね!

*竪琴の名手オルペウスについて詳しくは、こちらの記事も合わせてどうぞ!

>> ギリシャ神話の伝説的な楽人・オルフェウスってどんな人?!妻を冥界まで迎えにいった結末は

透明のマント

そして、

スネイプ先生の秘密を探るために、ハリー・ポッターが利用したのが、

頭からかぶると体が透明になって、人から見えなくなってしまう、という

透明のマント!

これは、ギリシャ神話に登場する、かぶると見えなくなるという

「ハーデースの隠れ帽」

に由来するんじゃないかと思います。

マントと帽子という違いはあっても、使い方は全く同じ。頭からかぶると、人から見えなくなります。

この、ギリシャ神話の「ハーデースの隠れ帽」は、

英雄ペルセウスが、メデューサ退治に出かける時に手に入れたアイテム。

顔を見ると体が石になる、というメデューサを無事に退治した後、

追っ手から逃れるために、この帽子をかぶって姿を隠したと言われています。

これは、たぶんみんな、一度は持ってみたいと思うアイテムなんじゃないかな?

姿が見えなくなったら、一体どこに忍び込みたい??

ケンタウロスのフィレンチェ

そして、

この映画「ハリー・ポッターと賢者の石」に出てきた、

「禁じられた森」に住むケンタウロス

これはもう、ギリシャ神話そのまんまでした。

体が馬、上半身が人間のケンタウロス

彼らはギリシャ神話に登場する結構乱暴な種族。

ラピテース族とは、激しい戦いを繰り広げたと言われています。

この「ケンタウロス族とラピテース族との戦い」は、パルテノン神殿の彫刻の題材にもなっているんですよ!

ケンタウロスと戦うラピテース族(パルテノン神殿南メトープ31/ 紀元前447-433頃)

ケンタウロス族の中でも、ケイローンだけは乱暴ではなくてとても賢く、アキレウスなど多くの英雄たちを養育したと言われています。

この映画の中では、

ケンタウロスのフィレンチェ

が、ハリー・ポッターを窮地から救ってくれます。

たぶん、この人がケイローンみたいな感じなんでしょうね。

ユニコーン

そして、森の中に住んでいたのは、ケンタウロスだけではなくて、

ユニコーンも!

そう、ツノが一本だけ生えているという想像上の動物です。

こんなふうなユニコーンは、実は古代ギリシャ時代から知られていました。

古代ギリシャ語では、

「モノケロース」(μονοκέρως)

と呼ばれていました。意味はそのまま「一角獣」という意味です。

この「モノケロース」の存在は、古代ギリシャでもよく知られていて、インドに住んでいる動物だと思われていたようです。

この空想上の動物は、ローマ時代にも受け継がれて、

今マンガで人気のプリニウスも、「モノケロース」について書き残しているんですよ!

*古代ローマの博物学者プリニウスが活躍するマンガ『プリニウス』もぜひ読んでみてくださいね!

そして、古代ローマから現代にまで、このユニコーン伝説は引き継がれてきました。

でも当然ながら、誰も見たこともなかったんですけどね!!

それでもよく、まことしやかにたくさんの人たちが、

伝説の動物「モノケロース」=「ユニコーン」

について語ってきたもんですよね!

そんなところが、人間の面白いところかも!

尾ひれはひれで伝説が作られるという・・・

チェス?

これについては、はっきりと起源をたどれないので、「?」扱いですが・・・

「ハリー・ポッターと賢者の石」では、最後に

「魔法使いのチェス」

で戦うのが一つの見どころになっています。

この「チェス」、起源については諸説ありますが、

古代インドの「チャトランガ」

が起源である、という説があります。

古代インドと古代ギリシャは、もともとは同じインド=ヨーロッパ系でもあるし、

このゲームが古代ギリシャに伝わっていた可能性もありますが、はっきりしたことはわかりません。

あるいは、独自の対戦型盤面ゲームをギリシャ人も考案していたかもしれませんが・・・

面白いのは、紀元前6世紀に作られた壺絵に、どうもチェスらしきものをして遊んでいる姿が描かれています。

「将棋を指すアイアスとアキレウス」(紀元前530年頃。バチカン美術館所蔵)

日本語にすると囲碁か将棋なんでしょうが・・・

どうもチェスしているように見える?

う〜ん、チェスしてるんじゃない?

と、思うんですが、断言はできないのが悲しいところ。

でも、そういう可能性もあるんだな、ということで、10個目のポイントに入れてみました!

ギリシャネタ満載の「ハリー・ポッター」シリーズ!

というわけで、

「ハリー・ポッター」シリーズ第1作の

『ハリー・ポッターと賢者の石』

に登場するギリシャ神話、あるいはギリシャ由来のネタをご紹介してみました!

改めてこうしてみると、

本当にギリシャ神話関係が多い!

作者のJ.K.ローリングさんも、新しいファンタジー小説を書くにあたって、ずいぶんギリシャ神話を調べたんじゃないでしょうか?

そういう伝統の土台があってはじめて、あれだけの壮大なストーリーを作り上げることができたのですよね。

今後も「ハリー・ポッター」を入り口として、さらにギリシャやギリシャ神話に興味を持ってくれる人が増えると嬉しいです!!

*本日ご紹介した『ハリー・ポッターと賢者の石』は現在、DVD&ブルーレイ発売中!

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